竜の恋人

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異世界で愛を呟かれ

異世界で愛を呟かれ(アルホンス)

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「何があった?」

詰め寄ってきた騎士の一人に声をかける。
「はっ、実は…」

説明されたのは、あの男の手の者が領内に潜伏したとの情報だった。
手の者とされたが、もしくは本人が乗り込んできた可能性もあるし、必ずしも一人とは限らない。

やっと鬱陶しい事が一つ解決したと言うのに…

魔獣被害がこの地では少ないとはいえ、全然ないとはいえない。
騎士団や冒険者に依頼して討伐しているのだ。
扉の危機もあるのだから、この地でも緊張感を持って対応中だと言うのに…
彼女の護衛も兼ねて席を外していた時も、そんな情報はなかったと思ったのだが…

「先ほど連絡が届きました。殿下も対応中でして…」
「わかった。向かおう」

そう言って急足で殿下の執務用に使用させてもらっている室内に急ぐ。

ノックをして入室許可をいただき、すぐさま室内に…

「あぁ、戻ったか。本当に嫌になるね」

そう言っておどけて見せる余裕はありそうだ。

「さっき連絡が届いた。」

そう言って、表情が変わられる。
手にしていた書類を渡され、ざっと見。

情報収集として解き放っている者の一人からだ。
前国王から譲り受けた子飼いの者。
忍者と言われる忍び集団の者からだ。

過去の英雄と言われる忍者マスター、そう、ガラと呼ばれた者からどのくらい代替わりしたのか、当代のマスターも相当のものだと聞き及んでいる。

初代聖女が『忍者だ!!』と言ったことから、集団は忍者集団とされ、その棟梁とされるものは、忍者マスターの称号を受けている。
各国の独自の子飼いはいるし、貴族の子飼いもいるが…
この集団は群を抜いていると言っても良い。
我が家の子飼いも引けは取らないと思うが…

「やはりここに彼女がいる事を嗅ぎつけて、あの女が…」
「多分そうだろう…妨害はさせていたのだが、奴らの魔法はこの世界で群を抜くからな…」

魔塔に在籍するあの男。
どれ程の実力なのだろうか…

あの時『魔人の国』ディール帝国の魔人族であり、魔術師・魔導士のエドワード・ディール。彼から情報は得ていた。
大体は把握はしているが…

ギリギリと奥歯を噛み締めた。
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