竜の恋人

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異世界で愛を呟かれ

異世界で愛を呟かれ

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「ユーリ!ユーリ!!会いたかった!!!」

そう言って抱きついて来た姉。
私もぎゅーって抱きしめ返した。
お互いの涙で濡れていくが、そんな事はどうでも良い。
双子の片割れ。自分の分身と言っても良い。
生まれ出でる前からずっと一緒。
最終的な学校はお互い違ったけれど、一緒に生活して来たんだ。

「どこも怪我してない?大丈夫だった?」
「うん、大丈夫。ちょっと髪と瞳の色が外国人風になっちゃったけどね。そっちは?怪我してない?大丈夫だった?」

お互いの頬を手のひらで包み込み、瞳をのぞかせ確認する。

最後は『ふふふっ』って笑い合った。
涙とかで顔がぐちゃぐちゃだ。

ポケットからハンカチを取り出して、お互いに拭い合った。
向こうの世界のハンカチより少しゴワゴワしているけれど、肌触りの良いものだ。
良い香りがする。香水みたいなので香り付でもしてるのかな?
私のは、自作にポプリの近くに置いてあるから、その匂いがついている。
そう、ラベンダーの香り。

「立ったままでは疲れるだろうから、座ったらどうかな?」

そう声をかけて来たのは、見知らぬ男性。
そう、姉の側にいたと魔導士みたいな人だ。
侍女風の女性がお茶をテーブルの上に準備してくれていた。

言われるままソファーに座る。
姉の横にはと魔導士みたいな男性。私の横にはアルが座った。
侍女風の女性は壁際に控えてくれている。

うん、この世界の侍女達のレベルって高いんだと思う。
すごくスマートにそつなく行動するのよね…

とりあえず、お茶を一口飲んで心を落ち着かせ、お互いの紹介を行った。
私の方からアルを紹介して、アルが自分の身分と私との関係性を。そして、姉から相手の男性を紹介されて、一緒に浄化巡礼をしているメンバーだと紹介された。
相手の男性は、『魔人の国』ディール帝国魔術師・魔導士のエドワード・ディール。
彼は、『魔人の国』ディール帝国第三皇子だそうだ。そして魔人族。
私とアルの関係性、そう、『運命の番』という事を、アルから伝えられた時は、顔が火照り、身体までぽっぽしたけれど、姉とその人の関係性は?
相手の男性からは、姉にかなりの好意があるように見える。
アルみたいに直接的に訴えてくる感じはないけれど、視線とか態度とかで…
きっとアルと私の関係と同じような気がするんだけど、そのような説明は無かった。

今のお互いの簡単な現状を話した後、少し二人きりで話したらって席を外してくれた。
アルとエドワードさんも二人で話す事があるらしい。
ちなみに、エドワードさんは、『自分を呼び捨てにしてくれて良い。気軽に話して欲しい』と言われたから、『さん付け』でという事になったんだ。『さん』も要らないとは言われたんだけどね。
姉の妹だからって。

二人が出て行くと、侍女の方、エレンさんと言って、同行メンバーらしいんだけど、二人のお茶を片付け、私たちのも入れ直してから退出してくれた。
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