竜の恋人

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異世界生活

異世界(アルホンス)

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あの後、何を話したのか…
領主であるアルバート殿や、リカルト殿が戻られてから、もう一度話し合おうという事になった。
今は皇女の対応で忙しいらしい。

ユウリが狙われている。俺の『運命の番』がだ。
どちらともが、己の欲望のために、俺のユウリを。
今直ぐ叩き殺しにいきたい衝動に囚われるが、一人はこの国の皇女。もう一人は魔塔に在籍している皇子だ。
下手にすれば瘴気問題で荒れているのに、更に国際問題になる。

皇女はあの男にユウリを渡すか、もしくは殺害しようとするだろう。
そんな事をしても、俺が手に入るはずがないのに、『ヒト族』であり、『皇女』という身分による傲慢か。
大人しく城に引き下がればいい。だがそうしない場合は…
魔獣に襲われた事にして闇に…

だが、私がそうすれば、彼女は…あの優しい女性。愛しいユウリが悲しむような気がする。
ユウリ、今どうしているのだろうか。
不安に思っているだろう。直ぐに側に行き抱きしめたいが、それではあの女にユウリの居場所がバレる。
それはまずい。
皇女であるから、連れて来た者達はこの国でて手練れの者達であろう。
皇太子側の者か皇女側の者かはまだ分からないが…

「早く戻られないだろうか…夜に話し合おうと言われた。まだ時間がある」

コンコンとノックされる

「誰だ」

機嫌が悪い今、ぶっきらぼうに返事をしてしまった。

「失礼致します」
「お前か」
「申し訳ありません。皇女殿下の使者より、庭園を一緒に散策して欲しいと来られていますが」

自分の部下の一人だった。
ユウリの護衛で私も数人連れて来ていたその一人だ。

「どうされますか?」

なぜ自分がという気持ちもあるが、間違えて彼女の側にあの女が行かれるのは困る。
ユウリに勘違いをされるのは悲しいし、辛すぎるが、ユウリの身の安全が一番だ。

殿下に魔法陣を飛ばして報告する。
すぐさま『同席せよ』との命が降った。
殿下側でも対応してくれるのだろう。

「了承を伝えてくれ。庭園でお待ちすると」
「了解しました」

本当は、迎えに行く事からの依頼だろうが、そこまでする気はない。
部下もその辺りは理解しているのだろう。すぐさま皇女の使者の方に向かってくれた。
向こうの方で少し揉めているが、直ぐに収まった事から、予想した通りだろう。

剣帯をして、身なりを確認していく。
剣は別として、あの女が触れられたら破棄してもいいように考えてだ。
あの女が触れた物は着たくない。側にも置きたくないのだ。悍ましい。
それがユウリであれば…

もう寝る時に抱きしめてもいい気がする。
彼女の移り香があれば尚更…

「いゃいゃ、今はそうではなくて」

ユウリ不足である自分。
なぜ側に居れないのだろうか。
考えても仕方ないか。

ドアを開けて、目的の場所に向かった。



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