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異世界生活
異性界(アルホンス)
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シュタルク領主の屋敷に到着し、あえて馬車には近づかなかった。
あの皇女にエスコートを求められたくないと思ったからだ。
皇女自身が連れて来た護衛の騎士達もいる。皇族の護衛だろうから、エリート集団である近衛騎士だろう。
それに、シュタルク領主の騎士団もいるのだ。
だが、あの女はわざわざ俺を呼んだ。
俺でなけれは降りないと言い出したのだ。
なら、自分の城に帰ればいいと思うのだが、それは政治的にも良くないようだ。
皇女の護衛についていた騎士が頭を下げて懇願されれば、仕方がない。
馬車のドアを開け、手を差し伸べた。
嬉しそうに微笑んでこちらを見ながら手を乗せ降りて来た。
そして、そのまま部屋まで案内としてついて行った。
彼女がつい最近まで使っていた部屋。
彼女の気配をついつい追ってしまう。
それを、自分に対して好意を持ってくれたと勘違いして、私の腕に縋りつこうと近寄り『一緒にお茶でも』と誘って来た。
「報告がありますので、失礼します」
それだけ告げて、すぐにその部屋を後にした。
ユウリが誘うなら是非ともと思うが、あの女はごめんだ。
一旦自室に戻りシャワーを浴びて、あの女が触れた場所を入念に洗った。
「はぁ…………」
ため息しか出ない。
あの男の姉。
この国の皇太子に、ユウリが自分の番である事を告げ、彼女の側に付くことを了承したはずだ。
直ぐには自国に連れて帰れないことから、この場所で守り、護って時期がくれば…
彼女に心から自分を認め、求めてもらえ、この世界も安定して自国に。
今の彼女は、『聖女』である姉の事を心配し、出会った者達と交流しながら、この領地でポーション作りを頑張り提供している。
あの情報…
皇太子から送られた腹立たしい内容だった。
あの皇女にエスコートを求められたくないと思ったからだ。
皇女自身が連れて来た護衛の騎士達もいる。皇族の護衛だろうから、エリート集団である近衛騎士だろう。
それに、シュタルク領主の騎士団もいるのだ。
だが、あの女はわざわざ俺を呼んだ。
俺でなけれは降りないと言い出したのだ。
なら、自分の城に帰ればいいと思うのだが、それは政治的にも良くないようだ。
皇女の護衛についていた騎士が頭を下げて懇願されれば、仕方がない。
馬車のドアを開け、手を差し伸べた。
嬉しそうに微笑んでこちらを見ながら手を乗せ降りて来た。
そして、そのまま部屋まで案内としてついて行った。
彼女がつい最近まで使っていた部屋。
彼女の気配をついつい追ってしまう。
それを、自分に対して好意を持ってくれたと勘違いして、私の腕に縋りつこうと近寄り『一緒にお茶でも』と誘って来た。
「報告がありますので、失礼します」
それだけ告げて、すぐにその部屋を後にした。
ユウリが誘うなら是非ともと思うが、あの女はごめんだ。
一旦自室に戻りシャワーを浴びて、あの女が触れた場所を入念に洗った。
「はぁ…………」
ため息しか出ない。
あの男の姉。
この国の皇太子に、ユウリが自分の番である事を告げ、彼女の側に付くことを了承したはずだ。
直ぐには自国に連れて帰れないことから、この場所で守り、護って時期がくれば…
彼女に心から自分を認め、求めてもらえ、この世界も安定して自国に。
今の彼女は、『聖女』である姉の事を心配し、出会った者達と交流しながら、この領地でポーション作りを頑張り提供している。
あの情報…
皇太子から送られた腹立たしい内容だった。
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