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異世界生活
異世界
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それからしばらく、ルシルとたわいない会話を楽しんだ。
少し間延びする話し方に、何故か癒されてしまう。
人によってはイライラするかも知れないけど、私は気にならない。
話している内容は、この世界の事からその辺に生えている草の話まで色々だ。
見た目より実年齢があるようで驚いた。
見た目は四歳かせいぜい六歳までの小学校入学前って感じなんだ。
大きさは本当に手のひらサイズ。
肩に乗せれるからね。
でも、頑張ればもっと大きくなれるらしい。
魔力に関係すると言われ、今は頑張って追いかけてきたからそこまで魔力がないんだとか。
この際だから、いまのこの世界の状況を教えてもらおうと思った。
人が見て感じるのと、別の種族の感じる事や情報が少し違うかも知れないし、もっと詳しい情報を得れるかも知れないと考えたからだ。
彼らの事を知りたいのも勿論ある。
離別させられた姉の事も知りたいし…
屋敷の者達の会話や屋敷にある書物などの情報と、身直に接してくれている人達から教えてもらった事。
そして、この前の森。
今の私にはこのぐらいしか情報がないのだ。
「ルシル、この世界で起こっている事、『扉』とか、『悪魔』とか教えてもらってもいい?」
「良いよ~、あのね…」
初めはほのぼのと話し始めたが、自分の膝の上にちょこんと腰掛けて、私を見つめながら、表情を固くした。
内容は、こうだった。
今現在、この世界が混沌に向かおうとしている。
大陸北側を位置した国、ディール帝国。
北側を位置し、かなりの広さを持つ帝国領の北側に今回扉が出現した。
元々、この大陸北部は、魔素が溜まりやすい土地になっていた。
海を隔てたかなり遠く。そう、ほぼ忘れられた大陸があり、そこには魔族が住んでいることも関係しているのかも知れない。
元々は、この大陸以外にも大陸があり、島も多々あったとされている。
古代文明の時代だ。
魔素は、何処にでもある。多かれ少なかれだ。
空気や水。植物などにもだ。
それが、それぞれの環境に伴って、貯まる場所が出来る。そう、魔力溜まりが発生するのだ。
火の力が多い所や水の多い場所などで魔力溜まりが発生すると、そこにその性質の『魔石』と言うものが出来る。
それらは、一部の生物が食して力を得たモノもいるが、この世界の住民はそれを発見した採掘した。
採掘した物は、魔力の少ない者などでも使えるように加工して、生活の一部として使用している。
魔道具の中に組み込む形で。
その魔力溜まりの魔石採掘現場となる場所は、『魔石地』として認識されている。
が、それ以外にも、全ての生命の『悪感情』に触れた魔素が溜まった魔力溜まりがどうしても発生した。
それが厄介でもあった。
悪感情に触れた魔素は、変質して瘴気となる。
瘴気による魔力溜まりを『魔力溜まり』と認識された。
その、魔力溜まりから魔獣が発生する。
普通の獣などがその魔力溜まりに触れて変質し、魔獣となる事もある。
極めて厄介なものだ。
また、魔獣も人々と同じく進化し、やがて魔族が生まれた。
人と姿形がよく似た魔族は、この世界を創造した『神』とは違う『神』を崇め始めた。
『悪感情』が充満しての起こった現象に、別の世界、そう、異世界の力が触れたのであろう。
魔族達は、自分達に聞こえ、感じた『意識』により、自分達の『神』を持ち、崇めたのだ。
崇める事などにより、『異世界の扉』が出現した。
それは、魔族達の崇める神、そう『悪魔』と呼ばれるモノが出てくる場所となった。
混沌の時代の始まりだ。
人々と、魔族との戦いやそれに悪魔まで加わり、世界は崩れ始めた。
人々は、創造主である神に祈り、神もまたこの悲しい出来事に心を痛め、どこからか一人の女性を伴ってきた。
そう、初代聖女である。
聖女がこの世界を創造した神に導かれ、伴われて我らの世に現れたのだ。
神に選ばれし『使徒』とも『従者』とも言われているが、その者達と共に力を合わせて、撃退していった。
悪魔は扉から元の世界に戻った。
だが、この世界に生まれ落ちた魔族達は滅する事はできず、この地より海の向こうの大陸に追いやる事となった。
強力な壁となる結界を張り巡らせ格別する。
全てが治まった後、神の言葉を聴いた『ヒト族の国』ロザリアン神聖国より、さらなる結界を張り巡らせ、その力を維持するよう努める事になる。
その結界の要が、教会や遺跡群にある石碑達。
詳しい事は、神聖国中心に秘匿という形で記録伝承されている。
それでも、やはり力は徐々に衰えたり劣化したりする。
また、護っている土地自体も浄化し、結界の中で護られていても、中に住むもの達の『悪感情』が消える事はなかった。よって、どうしてもそれが溜まり魔獣が発生してしまう。
各国の騎士達が討伐し、浄化してはいくのだが、数百年周期で現状悪化する時代が起こった。
今回も、同様な事が起こり、『扉』の出現した。
魔族の地域に出現すれば良いものを、なぜかいつもこの大陸に出現する。
その理由は分かっていないし、『神』からも伝えられていない。
ただ、現れる場所は同じではなく、この大陸のどこかだ。
『ディール帝国』に出現する確率は他よりも多いが。
そして、今回、ディール帝国領内北側の海上に突如として現れた。
そして、今回もこの大陸の者達が、『ヒト族の国』ロザリアン神聖国を中心に伝承に則って『聖女召喚の儀式』で呼び出しだのが自分達。
自分の知り得た知識と違う部分もあったが、衝撃的だった。
本当に、小説やゲームの世界のような出来事が実際に今現実として行われている事を…
そして、聖女に付き従うように巡礼に赴く者達には、『神からの印』が聖女が現れた時に手の甲に現れるらしい。
その者達は、聖女に力を分け与えられる人達なのだとか。
勿論、聖女を守る事に十分足りるぐらいの力を持っているとかいないとか…
詳しく聞く事で理解できる事は増えてきたが、情報が情報で…
結果、浄化活動をしている人達にポーションは必要で、異世界から来た私は良質の物が作れると教えられた。
何でも、この世界の力を借りて自分の中に取り込み作り上げれるのだとか。
他にも力があるらしいけど、それは今は使える状態ではないと言われた。
『自分が補助してあげるよ~』って可愛く言われ、『ありがとう』と答えてその日は終わった。
少し間延びする話し方に、何故か癒されてしまう。
人によってはイライラするかも知れないけど、私は気にならない。
話している内容は、この世界の事からその辺に生えている草の話まで色々だ。
見た目より実年齢があるようで驚いた。
見た目は四歳かせいぜい六歳までの小学校入学前って感じなんだ。
大きさは本当に手のひらサイズ。
肩に乗せれるからね。
でも、頑張ればもっと大きくなれるらしい。
魔力に関係すると言われ、今は頑張って追いかけてきたからそこまで魔力がないんだとか。
この際だから、いまのこの世界の状況を教えてもらおうと思った。
人が見て感じるのと、別の種族の感じる事や情報が少し違うかも知れないし、もっと詳しい情報を得れるかも知れないと考えたからだ。
彼らの事を知りたいのも勿論ある。
離別させられた姉の事も知りたいし…
屋敷の者達の会話や屋敷にある書物などの情報と、身直に接してくれている人達から教えてもらった事。
そして、この前の森。
今の私にはこのぐらいしか情報がないのだ。
「ルシル、この世界で起こっている事、『扉』とか、『悪魔』とか教えてもらってもいい?」
「良いよ~、あのね…」
初めはほのぼのと話し始めたが、自分の膝の上にちょこんと腰掛けて、私を見つめながら、表情を固くした。
内容は、こうだった。
今現在、この世界が混沌に向かおうとしている。
大陸北側を位置した国、ディール帝国。
北側を位置し、かなりの広さを持つ帝国領の北側に今回扉が出現した。
元々、この大陸北部は、魔素が溜まりやすい土地になっていた。
海を隔てたかなり遠く。そう、ほぼ忘れられた大陸があり、そこには魔族が住んでいることも関係しているのかも知れない。
元々は、この大陸以外にも大陸があり、島も多々あったとされている。
古代文明の時代だ。
魔素は、何処にでもある。多かれ少なかれだ。
空気や水。植物などにもだ。
それが、それぞれの環境に伴って、貯まる場所が出来る。そう、魔力溜まりが発生するのだ。
火の力が多い所や水の多い場所などで魔力溜まりが発生すると、そこにその性質の『魔石』と言うものが出来る。
それらは、一部の生物が食して力を得たモノもいるが、この世界の住民はそれを発見した採掘した。
採掘した物は、魔力の少ない者などでも使えるように加工して、生活の一部として使用している。
魔道具の中に組み込む形で。
その魔力溜まりの魔石採掘現場となる場所は、『魔石地』として認識されている。
が、それ以外にも、全ての生命の『悪感情』に触れた魔素が溜まった魔力溜まりがどうしても発生した。
それが厄介でもあった。
悪感情に触れた魔素は、変質して瘴気となる。
瘴気による魔力溜まりを『魔力溜まり』と認識された。
その、魔力溜まりから魔獣が発生する。
普通の獣などがその魔力溜まりに触れて変質し、魔獣となる事もある。
極めて厄介なものだ。
また、魔獣も人々と同じく進化し、やがて魔族が生まれた。
人と姿形がよく似た魔族は、この世界を創造した『神』とは違う『神』を崇め始めた。
『悪感情』が充満しての起こった現象に、別の世界、そう、異世界の力が触れたのであろう。
魔族達は、自分達に聞こえ、感じた『意識』により、自分達の『神』を持ち、崇めたのだ。
崇める事などにより、『異世界の扉』が出現した。
それは、魔族達の崇める神、そう『悪魔』と呼ばれるモノが出てくる場所となった。
混沌の時代の始まりだ。
人々と、魔族との戦いやそれに悪魔まで加わり、世界は崩れ始めた。
人々は、創造主である神に祈り、神もまたこの悲しい出来事に心を痛め、どこからか一人の女性を伴ってきた。
そう、初代聖女である。
聖女がこの世界を創造した神に導かれ、伴われて我らの世に現れたのだ。
神に選ばれし『使徒』とも『従者』とも言われているが、その者達と共に力を合わせて、撃退していった。
悪魔は扉から元の世界に戻った。
だが、この世界に生まれ落ちた魔族達は滅する事はできず、この地より海の向こうの大陸に追いやる事となった。
強力な壁となる結界を張り巡らせ格別する。
全てが治まった後、神の言葉を聴いた『ヒト族の国』ロザリアン神聖国より、さらなる結界を張り巡らせ、その力を維持するよう努める事になる。
その結界の要が、教会や遺跡群にある石碑達。
詳しい事は、神聖国中心に秘匿という形で記録伝承されている。
それでも、やはり力は徐々に衰えたり劣化したりする。
また、護っている土地自体も浄化し、結界の中で護られていても、中に住むもの達の『悪感情』が消える事はなかった。よって、どうしてもそれが溜まり魔獣が発生してしまう。
各国の騎士達が討伐し、浄化してはいくのだが、数百年周期で現状悪化する時代が起こった。
今回も、同様な事が起こり、『扉』の出現した。
魔族の地域に出現すれば良いものを、なぜかいつもこの大陸に出現する。
その理由は分かっていないし、『神』からも伝えられていない。
ただ、現れる場所は同じではなく、この大陸のどこかだ。
『ディール帝国』に出現する確率は他よりも多いが。
そして、今回、ディール帝国領内北側の海上に突如として現れた。
そして、今回もこの大陸の者達が、『ヒト族の国』ロザリアン神聖国を中心に伝承に則って『聖女召喚の儀式』で呼び出しだのが自分達。
自分の知り得た知識と違う部分もあったが、衝撃的だった。
本当に、小説やゲームの世界のような出来事が実際に今現実として行われている事を…
そして、聖女に付き従うように巡礼に赴く者達には、『神からの印』が聖女が現れた時に手の甲に現れるらしい。
その者達は、聖女に力を分け与えられる人達なのだとか。
勿論、聖女を守る事に十分足りるぐらいの力を持っているとかいないとか…
詳しく聞く事で理解できる事は増えてきたが、情報が情報で…
結果、浄化活動をしている人達にポーションは必要で、異世界から来た私は良質の物が作れると教えられた。
何でも、この世界の力を借りて自分の中に取り込み作り上げれるのだとか。
他にも力があるらしいけど、それは今は使える状態ではないと言われた。
『自分が補助してあげるよ~』って可愛く言われ、『ありがとう』と答えてその日は終わった。
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