45 / 216
異世界生活スタートです。
ポーション
しおりを挟む
屋敷に戻る前に所長に相談とも思ったけれど、王都からまだ戻っていなかった。
緊急案件があるからと、二日前に出かけているままだ。その間はルーカスさんが中心になっている。
ルーカスさんには何度か伝えた事はあったが…忙しそうだ。
研究所を後にしながら、隣を歩くアルに相談した。
私に対してとにかく甘いこの竜人族の騎士は、かなり優秀な人材なんだと聞いていた。
侍女さん達や、研究所の人達もよく知っている有名人らしい。
他国の人が知っているなら、物凄い人なんだなぁ~って驚いた。
よく膝の上に乗せられてるけれど…
食事の時とか、その後とか。
その日の出来事なんかも嬉しそうに聞いてくれていたし、相談にものってくれていた。
優しい瞳で…
いゃいゃ、今はそれは良いのよ。
「どうした?」
昨日の夜の甘い雰囲気を思い出し、脳内で必死に黒板消しを想像しながら消していく。
恥ずかしい…
「えっと…」
歩くのをやめ、私の前に片膝をつき覗き込むようにされた。
両手を握られ、促される。
「何かあったんだろう?俺に言ってみろ」
アルはその時々で『私』『俺』と人称が変わる。
でも、違和感がないから…
「……」
なかなか答えられなくても、優しい瞳で待ってくれる。
普通ならイラってくると思うけど…
「あのね。この所、ポーションが沢山必要になってきていて、薬草園だけでは材料が足らなくなってきてるのは知っていると思うんだけど」
「あぁ、どの国でも討伐に必要になってきているし、怪我人も地域によっては増えているからね。材料の産地じたいも被害が出たりして、出荷数が減ってきているとも聞いた」
自分が知っている事を思案しながら話してくれているのだろう。
それも、この世界のことをまだ十分知らない私に分かるように考えながら…
「それでね、私、みんなと一緒に取りに行きたいの。先輩達が時々森に入っているでしょ?護衛兼討伐の騎士の皆さんと一緒に」
「言ってくれれば取ってくるよ?」
そう即答されたけれど…
「一緒に行くか?明日俺と一緒に。ピクニックと採取。両方をしに行こう。屋敷の者に頼んでおこう。それで良い?」
「ピクニック?」
「向こうの森の中に、綺麗な湖があるんだ。前から君に見せたいと思っていたんだ。側に君がよく使っている薬草もあったと思うよ。危険が全然ないとは言わないけれど、俺なら回避も護る事もできる。気晴らしにもいいと思う」
「他の人…」
「二人っきりのデートだ。楽しみだね」
そう言うとスッと立ち上がり、腰に手を回してきた。
歩くように促され、素直について…
「他の者とは許せないよ。君に対しては心が狭いんだ。ごめんね」
耳元で呟かれた。
ふっと息を吹き込まれゾクゾクする。
急に色気を出さないでほしい…
「こんな可愛らしい顔を他の者達には見せれないから」
そう言うと、いきなり膝の裏に腕を入れられ持ち上げられる。
「掴まって」
彼の胸元に頭を預ける形になり、横抱きにされたまま走り出された。
アルの男らしい太い首に両腕を絡ませつかまる。
クスクスと楽しそうに笑いながら
「もっと掴まって。絡みつくように…俺の…」
何か言っているけど、恥ずかしいのがかって、頭の中で小さな私が、わちゃわちゃと走り回る。
一気に加速されて、景色が流れるように…
みてられません。
どうなってるのよ~~~~~!!
緊急案件があるからと、二日前に出かけているままだ。その間はルーカスさんが中心になっている。
ルーカスさんには何度か伝えた事はあったが…忙しそうだ。
研究所を後にしながら、隣を歩くアルに相談した。
私に対してとにかく甘いこの竜人族の騎士は、かなり優秀な人材なんだと聞いていた。
侍女さん達や、研究所の人達もよく知っている有名人らしい。
他国の人が知っているなら、物凄い人なんだなぁ~って驚いた。
よく膝の上に乗せられてるけれど…
食事の時とか、その後とか。
その日の出来事なんかも嬉しそうに聞いてくれていたし、相談にものってくれていた。
優しい瞳で…
いゃいゃ、今はそれは良いのよ。
「どうした?」
昨日の夜の甘い雰囲気を思い出し、脳内で必死に黒板消しを想像しながら消していく。
恥ずかしい…
「えっと…」
歩くのをやめ、私の前に片膝をつき覗き込むようにされた。
両手を握られ、促される。
「何かあったんだろう?俺に言ってみろ」
アルはその時々で『私』『俺』と人称が変わる。
でも、違和感がないから…
「……」
なかなか答えられなくても、優しい瞳で待ってくれる。
普通ならイラってくると思うけど…
「あのね。この所、ポーションが沢山必要になってきていて、薬草園だけでは材料が足らなくなってきてるのは知っていると思うんだけど」
「あぁ、どの国でも討伐に必要になってきているし、怪我人も地域によっては増えているからね。材料の産地じたいも被害が出たりして、出荷数が減ってきているとも聞いた」
自分が知っている事を思案しながら話してくれているのだろう。
それも、この世界のことをまだ十分知らない私に分かるように考えながら…
「それでね、私、みんなと一緒に取りに行きたいの。先輩達が時々森に入っているでしょ?護衛兼討伐の騎士の皆さんと一緒に」
「言ってくれれば取ってくるよ?」
そう即答されたけれど…
「一緒に行くか?明日俺と一緒に。ピクニックと採取。両方をしに行こう。屋敷の者に頼んでおこう。それで良い?」
「ピクニック?」
「向こうの森の中に、綺麗な湖があるんだ。前から君に見せたいと思っていたんだ。側に君がよく使っている薬草もあったと思うよ。危険が全然ないとは言わないけれど、俺なら回避も護る事もできる。気晴らしにもいいと思う」
「他の人…」
「二人っきりのデートだ。楽しみだね」
そう言うとスッと立ち上がり、腰に手を回してきた。
歩くように促され、素直について…
「他の者とは許せないよ。君に対しては心が狭いんだ。ごめんね」
耳元で呟かれた。
ふっと息を吹き込まれゾクゾクする。
急に色気を出さないでほしい…
「こんな可愛らしい顔を他の者達には見せれないから」
そう言うと、いきなり膝の裏に腕を入れられ持ち上げられる。
「掴まって」
彼の胸元に頭を預ける形になり、横抱きにされたまま走り出された。
アルの男らしい太い首に両腕を絡ませつかまる。
クスクスと楽しそうに笑いながら
「もっと掴まって。絡みつくように…俺の…」
何か言っているけど、恥ずかしいのがかって、頭の中で小さな私が、わちゃわちゃと走り回る。
一気に加速されて、景色が流れるように…
みてられません。
どうなってるのよ~~~~~!!
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる