竜の恋人

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異世界生活スタートです。

ポーション

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まぁ、それは置いて置いてっと…

「準備できてるかい?」
部屋に入ってきたのは、私の指導員。ルーカスさんだ。
紫色の瞳で穏やかそうな雰囲気。
しかも、白衣のポッケに手を入れていた。

「はい。材料はこれで良いんですよね。あと…」

レシピ本を眺めながら確認する。

今回使う薬草は、『生』の物。
低級では、『生』と『乾燥』の物を使っていた。

「きちんとした処理もできているね。この前教えた通りだ。汚れや物によっては根っことかの処理も必要な物もあるからね。乾燥物は埃とかもある。うん。綺麗にできてる」

別の作業台に準備しておいた材料の確認をしてもらった。

「じゃあ、ユーリ、水を沸かせて作っていこう」
「はい!」

鍋に水を入れて、火をつける。小さな水疱がでだしたら材料を入れて手をかざし、魔力を注いでいく。
ルーカスさんは側で見守ってくれていた。

必要な所だけ、声をかけてくるのが、彼のスタンスだ。
初めての時は全然わからないから、先に作って見せてくれたけど、作り方は材料によってほぼ一緒だ。
材料によっては、水を沸かす前から材料を入れる必要があるのもあるからね。
今回のは、いつも通り、沸きだしたところ、そう、小さな水疱がでだしたタイミングに入れるんだ。

材料が完全に溶け、色が変わった。

「うん。それぐらいでいいよ」

火を止めて、魔力を止める。
自分でも良い感じだと思う。

「うん。良い感じなんだけど…いつも通りだね…」

少し頭を捻っている。

「何か?いゃ、大丈夫。他の物より性能が良さそうと言うだけだよ。市場には卸せないだけ。今の騎士団とかには必要な感じだから大丈夫。所長が上手くしてくれているから…」

よくわからないが…
そういえば、初級のを作った時、ルーカスさんと所長が焦っていたなぁ…
効果が普通より上だとか?

たまたまできた物という感じでにしてくれたけど。
あれから結構ハマっちゃって、せっせと作り貯めしたらまたまた唖然としていた。

瓶に私が作ったと言う印がわりにキズをつけている。
誰が作ったかわかるように。
ここのルールなんだって。
サインとかではなく、キズの場所がみんな違うとか。
先輩はキズみたいに見える小さな絵を入れていた。
本当によく見ないとわからない感じだ。
器用だ…

「じゃ、この調子で作っていこうか。僕は隣で別のを作るから」

ルーカスさんにも、彼専用の作業場がある。
でも、教えてくれている時は、少し狭くなるけど(二人で作業するから)見守りながら、別の物を作っていたりしていた。

初めての時は、失敗する人や、何か困ったり質問したい時とかもあるからと。
私的には、いてくれると安心して作業が出来るからありがたいんだけどね。

ポーションが冷えたら、不純物が入らないように濾して、私専用の(あらかじめ自分が作ったとわかるように印を入れておいた)瓶に入れていく。
瓶の底が一瞬光って収まった。
うん。良い感じだと思うよ。

それからまたせっせと作って行った。
結構楽しい。

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