異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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未来のために

そして…

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それからまた数日が経った。
体調は至って良く、彼に散々翻弄される夜を過ごしてはいるが…


「でね、あのアイがマスターと同じアカデミーに通う事になったのよ。神の所為ではあるけれど、散々迷惑もかけたのにね。アカリにも文句は言ったんだけれど、国家での相談でそうなってしまったらしいのよ。まぁ、マスターのご実家は公爵家でもあるし、王室とも近い関係になってしまってるしね…」

目の前にいるのは、もう親友と言っても良いほど気さくに話す仲の初代聖女のアカリだ。
マスターのスキルで呼び出され、彼の膨大な魔力のおかげと、神々に愛された彼だからこそ、アカリ達英霊が自由に各国に出向いたりできるのだけれども…

基本は一つだけれどもね。
『マスターであるカルロスのためになる事なら』と言う制約。
これさえ守られていれば、他国に諜報活動もできるし、教えを乞われたら行く事も可能。
彼女のように私の所にも来てくれる。

この体に戻る前は、カルロスの魔力も借りて私も側にいた。
英霊とは違う存在ではあったけれども…

「それでね。聞いてます?」
「聴いてる聞いてる。その愛が養女として受け入れられて、アカデミーに入って、それで友人のスレインと婚約っと。でもとんでもない話になったのね。」
「どうも、巡礼メンバーに選出された後、扉の脅威が去って『運命の番』って気がついたらしいのよね。巡礼メンバーは、聖女が魔力枯渇を起こした場合に魔力譲渡がスムーズにできるようにと神が特別に選定して、刻印を施しているからね。今回のはややおかしい感じではあったけれど…」

それは、当初カルロスが選ばれていた事だろう。離脱した後、新たに別の者が選ばれていたし。
過去のはそんな事は無かったはずなのよね。私達の知っている範囲では…

「そういえば、カルは元気にしてるの?かなり魔力枯渇だったはずなんだけど…」
「それは貴方もでしょ?母君もそうだったらしいけど、その時は私達はマスターのお願いを聞いて色々してたし、慌てて戻った時には締め出されてたしね。まぁ、竜人族の王家の者だしね。仕方なかったけれど…今はとっても元気にされているわ。学生生活満喫中って感じ。」
「そっか。良かった…」

思わず空を見上げてあの子の笑顔を思い浮かべる。
一緒に見守って来た時のことを思い出して…
ちょっとだけ寂しく思ったのは内緒だ。
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