異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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未来のために

決着

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例の分岐点近くに到着すると、聖女である愛が走り出した。
あの聖女は何かおかしい。
私と同じ転移者であるけれども、同じ国でもあるけれど別次元なのか?それとも別の時間軸から来たのか?
時々ゲームがどうとか、小説のストーリーではとか言っていたからそんな気がする。

私達がいた時には、こんな世界の小説やゲームはなかった。

異世界物や転移物、転生物はゲームや小説、漫画やアニメでもあったけれど、今経験しているのはなかった。
あの子のノートを見た時にもそう思った。

そう思ったんだけどね…実感は湧かなかったんだ。
召喚転移はさせられたけれどね。今が現実だとわかっていたから。

ゲームとか小説と類似していたなら…現実とは実感できなかったかも知れない。
あの子はそんな事も葛藤していたのだろうか…

あの聖女は葛藤など、全然なさそうだけれども…
未来視でみた聖女の行動にも、何パターンもあった。あったけれどもね…ここまでではなかった気がするんだけれども…
もしかしたら、神シルメールが関与している?
そのせいで、本来の彼女と違う感じだとか…

神シルメールが憑依とかして、彼女の願望を大いに引き出しているとか?もしくは神シルメールが時々身体を乗っ取っているとか?
何故か気になる表情が時々ある気がして…

今もさっき一瞬見せた表情と今とでは全然違う。
気のせい?いゃ、気のせいではない気がしてきた。
これは要注意だ。

「ちょっと!!何でいないのよ!ここに居ないといけないのに何で?おかしいでしょ!」
「何がおかしいんだ?」

聖女愛が叫ぶと、それを追いかけた者達がそう問いただして、慰めたりしている。
私達も急いで行くと…

あぁ、ここはカルが番の彼に斬り殺される場所だ。
だけれど、肝心のカルもいなければ彼もいない。
彼、ジャディール•アステード殿下がカルロスを斬り殺し、それにより魔力暴走。聖女の力などにより暴走が止まり、二人は手を取り合って扉を閉めて、ハッピーエンドって感じを狙ったんだろうけれど、肝心の二人がいないからね。なるほど…

妹達もカルロスのノートの事は伝えているから、そうならなかった事に安堵しているのだろう。
なら、この後は…

更に先の道を見据えてみた。
彼ら、そう、カルの英霊達も少しホッとして、私と同じく先を見据えた。
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