異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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未来のために

決着

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「大丈夫か?」
「あの子が…」

何とか切り捨てて私の方にエドワードが近づいてきて支えてくれた。
顔色が悪く、震えながら涙を堪えている思うとの方にもその伴侶が…

「あれは転移魔法だ。しかも…」
『あれはシルメールが関与した転移魔法じゃ。行き先は…残念ながら今のお前達は行けぬ。彼奴が結界を張っておるでの。ふむ。今は我慢して進むが良い。この先で待ち受けておるものに集中するのじゃ。あの者は大丈夫…多分大丈夫じゃ。』

頭の中で声が響く。妹の優里達も同じ声が聞こえているようだ。
『多分』と言う言葉は気になるけれど、神がそう言うのなら信じるしかない。

未来視にこの場面は見えていなかったから、かなり動揺したのだけれど、この後のあの分岐点ではあの子の姿がいつも確認されていた。
だからきっと大丈夫…だと信じてる!!

「とにかく、先に進みましょう。神もああ言ってくださっているから。」

エドワードに何とか笑顔を見せて、妹の方にもそう声かける。
大きな声では言えなかったけれども、魔物や魔獣が姿を現し、それに対応している最中だったから、先頭に入り聖女達はこちらの出来事には気づいていない模様だった。

英霊達は何か感じるものがあったようだが、向こうにも神の声があったのだろう。すぐさま切り替えてか先に進み出した。各々の仕事をこなして行くようにだ。

ある程度駆逐し終えて先に進む。

細い道もあれば数人余裕で歩けるほどの広い場所。そして、ダンジョンらしく綺麗に整備されている通り道もあった。
落とし穴や大岩が転がってくる古典的物。そうそう、槍や剣が飛んできたり降り注ぐなんて物もあった。

ありがたい事に、あの後は転移魔法陣は隠されている感じもなかった。
あれがあれば厄介だしね。事前調査されていたから、大体は判っていたけれども…

どんどん先に進んでいく。
勿論、途中休憩も挟んでいった。

「ねぇ、あの子は何処に飛ばされたんだろうか?あの時何故ディアブロは反応しなかったんだろう。もしかして反応できなかったのか、反応しても対処できない何かが??」
「多分後者だろう。神アルメルアの双子神、神シルメールが関与したのなら、同じ神格を持っても無理があったのかも知れない。影に潜んで守っていたからね。出られなかったんだろうと推測するよ。」

「そっか…その可能性はあるわね。不意打ちのもにであったならだけど。神ならあり得ると思う。転移先なら先手を打たれたとしてもディアブロが対処しそうだし…」
「そうだな。それよりも、報告されていた以上の魔物や魔獣に遭遇している気がする。トラップは地図で示された通りだったが…」
「あの時の地図が頭の中に入ってるの?」
「あぁ、全部入っているよ。入っていないのか?」
「……貴方が優秀で良かったわ~」

そう、この男の頭脳明晰な事この上なかったのを思い出した。
私は?いくら向こうの世界でそれなりの成績を収めていようとも…この男には絶対に敵わないと思う。
例えば、私の場合は教室で勉強してその後自宅で復習してバッチリ。でも、この男は教室で講師が話しているのを聴いたり黒板に書かれているものから先を読んで理解するって感じだ。
しかも、記憶力の差も大きい。

知識のスキルが絶対にカウントしてるんだと思うよ…
多分、向こうの男もそうだろう。
そんな気がするよ~

我が子も…脳筋気味の長男もかなりの優秀な頭脳を持っているしね。
脳筋なのに優秀な頭脳ってと思うけどね~

「それよりもだ。もしかしたら扉の方に異変が起こっているのかも知れない。全部は開いていないと思うが…」
「全部が開けばこんんなものじゃないよね。あの時急に開き出した時だって…」

あの時を思い出す。
あの時…

「そろそろ先に進みましょう!」

聖女メンバーの声で気持ちも思考も切り替える。
今は先に進まなくちゃ…
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