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未来のために
決着
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到着したのは例の洞窟入り口の近く。
少し開けた場所で、洞窟周辺に配置していた騎士団達とはほんの少し離れていた。
いきなり大勢の姿を現せたら驚くと思ってね。
「でっ、殿下。それに…」
慌てて飛んできたのはここを任せていた騎士体調だろう。
うん、顔色がね。ゴメンネ~。
慌てて平伏しそうになるのを止めた。
騎士達に労いの言葉を送り、自分達の天幕とも言えるテントを設置する事を伝えると、『手伝います~~~!』って言われていた。こっちは大丈夫だと言い聞かせて、せっせと設置していく。
と言っても、空間から取り出していく感じでどこまで凄いの??って思ってしまった。
研究しまくったんだろうね。
準備ができたと言って案内されたら…えっと??
外観は普通のテント。天幕というテントだ。でも中がどうなってるんだろうか?
「母上の体調もまだまだだと思いますから、しっかりとベッドもソファーも有ります。各部屋も十分。」
「空間魔法の応用だ。特殊結界も使って見たんだ。」
親子でどんな研究してるんだか。
まぁ、快適と言えば快適だけれども…
「部屋には防音結界もしっかり。秘密会議もできますよ。」
「そうなのね…」
かなり特殊な魔法道具らしくて、他には転売するつもりは無いらしい。
妹の所にはプレゼントしてもいいと思って、準備してるんだって。
私が妹を大切にしているから、特別とも言っていた。
それは良い。是非あげて。
出来たら末の甥っ子にもプレゼントしてあげて欲しい。
私のお気に入りの可愛い子だからね。
そう言うと、結婚祝いで贈ることにしてくれたよ。
うん、悪いね。母の我儘で。
そうこうしながら、ある程度して、駐屯中の騎士隊長から報告がしたいとの申し出で長男と夫が出て行った。
娘は『母上に付いておりますから、どうぞ行ってきてくださいませ。』と二人と護衛の者数名をポーンとテントから放り出したのだ。
まぁ、気持ちも分からないでもないけれどね。うん、頑張って!!
エールを送りながらお菓子を摘んで待つことにした。
それはそうと…
「セレス、現状報告してくれる?今どうなっているの?」
「はい、母上。」
そう言って、一旦カップをテーブルに置いて、説明してくれた。
娘が持つ諜報機関からの情報などだ。
「聖女と別れた従弟殿は急に姿を消したようです。そして、彼の番であり婚約者であるジャディール•アステード殿下は魔力暴走に陥り、そのまま姿を消しました。何故かその場に聖女アイが姿を現せましたが、巡礼メンバーに連れ変えられました。」
あぁ、あの子のノートに書かれていたモノとよく似ている。
時間と場所、そして結果が多少違っているけれど。
あのノートには、洞窟内で甥っ子のカルが巡礼メンバーの一人であり、自身の運命の番であるジャディール殿下に切り捨てられるのだ。闇堕ちした甥っ子に対してのせめてもの愛情であろうか…彼はそのため魔力暴走を起こす。それを聖女の力で癒し、二人が番となり扉に向かい無事閉めることに成功。悪魔がこの世界に現れる事もなく平和が訪れて…そう書かれていた。ゲーム上のシナリオだとも。ゲームのシナリオの時間軸に沿って、実際起こった事を書き足していた。それはもう、鬼気迫るほどに。
そうならないように自分なりに頑張っていた事を英霊召喚された者たちと身直で見てきたのだ。
未来視で見たモノにも似たモノがあった。私が望んでいないモノであったけれども…
だから…
「ありがとう。あっ、戻ってきたみたいね。それに外が騒がしいような?」
「ちょっと見てきます。」
そう言ってテント入り口まで向かい、引き戻ってきた。
「聖女一行が到着したみたいです。私達は帝国軍としてこの場にいる事にしていますから問題ないかと。そうですよね父上、兄上。」
「あぁ、騎士団長達にもよく言い聞かせてある。扉の方も確認してきたがまだ大丈夫そうだ。ただ、洞窟入り口から扉まで到着するのに一部ダンジョンのようになっていた。扉から漏れ出た魔素の影響かもしれない。」
「入り口付近はスライム。入っていくに連れてゴブリンやスケルトンと侍女徐々レベルが高い魔物や魔獣が潜んでいる様子です。父上は転移で一気に扉前に行って扉の確認をされたようですが。」
「なるほどね。で、聖女達は?」
「なんと言うか…少し可笑しいぐらいに聖女様様になっていたよ。多分魅了の力が強く出てるんだろうね。聖女としての力もあるんだけれどもね…」
「噂や情報で知っている従弟殿には劣る気がしますね。あれで大丈夫なんですかね。」
「うん、そんなに露骨に嫌な顔しないの。分かるけどね。だってカルの力は最高だったもの。スキルもね。」
「側にいた母上がそう言うのならそうなのでしょう。それより、英霊達と一緒に行動されていたんですよね。どうでしたか?あの大賢者アルストは?初代聖女のアカリ様は?」
うん、興味が逸れて行ったようだ。
うん、英霊達も素晴らしかったよ。過去の人物達だけどもね…
そう言いながら、いろんな話で盛り上がった。
少し開けた場所で、洞窟周辺に配置していた騎士団達とはほんの少し離れていた。
いきなり大勢の姿を現せたら驚くと思ってね。
「でっ、殿下。それに…」
慌てて飛んできたのはここを任せていた騎士体調だろう。
うん、顔色がね。ゴメンネ~。
慌てて平伏しそうになるのを止めた。
騎士達に労いの言葉を送り、自分達の天幕とも言えるテントを設置する事を伝えると、『手伝います~~~!』って言われていた。こっちは大丈夫だと言い聞かせて、せっせと設置していく。
と言っても、空間から取り出していく感じでどこまで凄いの??って思ってしまった。
研究しまくったんだろうね。
準備ができたと言って案内されたら…えっと??
外観は普通のテント。天幕というテントだ。でも中がどうなってるんだろうか?
「母上の体調もまだまだだと思いますから、しっかりとベッドもソファーも有ります。各部屋も十分。」
「空間魔法の応用だ。特殊結界も使って見たんだ。」
親子でどんな研究してるんだか。
まぁ、快適と言えば快適だけれども…
「部屋には防音結界もしっかり。秘密会議もできますよ。」
「そうなのね…」
かなり特殊な魔法道具らしくて、他には転売するつもりは無いらしい。
妹の所にはプレゼントしてもいいと思って、準備してるんだって。
私が妹を大切にしているから、特別とも言っていた。
それは良い。是非あげて。
出来たら末の甥っ子にもプレゼントしてあげて欲しい。
私のお気に入りの可愛い子だからね。
そう言うと、結婚祝いで贈ることにしてくれたよ。
うん、悪いね。母の我儘で。
そうこうしながら、ある程度して、駐屯中の騎士隊長から報告がしたいとの申し出で長男と夫が出て行った。
娘は『母上に付いておりますから、どうぞ行ってきてくださいませ。』と二人と護衛の者数名をポーンとテントから放り出したのだ。
まぁ、気持ちも分からないでもないけれどね。うん、頑張って!!
エールを送りながらお菓子を摘んで待つことにした。
それはそうと…
「セレス、現状報告してくれる?今どうなっているの?」
「はい、母上。」
そう言って、一旦カップをテーブルに置いて、説明してくれた。
娘が持つ諜報機関からの情報などだ。
「聖女と別れた従弟殿は急に姿を消したようです。そして、彼の番であり婚約者であるジャディール•アステード殿下は魔力暴走に陥り、そのまま姿を消しました。何故かその場に聖女アイが姿を現せましたが、巡礼メンバーに連れ変えられました。」
あぁ、あの子のノートに書かれていたモノとよく似ている。
時間と場所、そして結果が多少違っているけれど。
あのノートには、洞窟内で甥っ子のカルが巡礼メンバーの一人であり、自身の運命の番であるジャディール殿下に切り捨てられるのだ。闇堕ちした甥っ子に対してのせめてもの愛情であろうか…彼はそのため魔力暴走を起こす。それを聖女の力で癒し、二人が番となり扉に向かい無事閉めることに成功。悪魔がこの世界に現れる事もなく平和が訪れて…そう書かれていた。ゲーム上のシナリオだとも。ゲームのシナリオの時間軸に沿って、実際起こった事を書き足していた。それはもう、鬼気迫るほどに。
そうならないように自分なりに頑張っていた事を英霊召喚された者たちと身直で見てきたのだ。
未来視で見たモノにも似たモノがあった。私が望んでいないモノであったけれども…
だから…
「ありがとう。あっ、戻ってきたみたいね。それに外が騒がしいような?」
「ちょっと見てきます。」
そう言ってテント入り口まで向かい、引き戻ってきた。
「聖女一行が到着したみたいです。私達は帝国軍としてこの場にいる事にしていますから問題ないかと。そうですよね父上、兄上。」
「あぁ、騎士団長達にもよく言い聞かせてある。扉の方も確認してきたがまだ大丈夫そうだ。ただ、洞窟入り口から扉まで到着するのに一部ダンジョンのようになっていた。扉から漏れ出た魔素の影響かもしれない。」
「入り口付近はスライム。入っていくに連れてゴブリンやスケルトンと侍女徐々レベルが高い魔物や魔獣が潜んでいる様子です。父上は転移で一気に扉前に行って扉の確認をされたようですが。」
「なるほどね。で、聖女達は?」
「なんと言うか…少し可笑しいぐらいに聖女様様になっていたよ。多分魅了の力が強く出てるんだろうね。聖女としての力もあるんだけれどもね…」
「噂や情報で知っている従弟殿には劣る気がしますね。あれで大丈夫なんですかね。」
「うん、そんなに露骨に嫌な顔しないの。分かるけどね。だってカルの力は最高だったもの。スキルもね。」
「側にいた母上がそう言うのならそうなのでしょう。それより、英霊達と一緒に行動されていたんですよね。どうでしたか?あの大賢者アルストは?初代聖女のアカリ様は?」
うん、興味が逸れて行ったようだ。
うん、英霊達も素晴らしかったよ。過去の人物達だけどもね…
そう言いながら、いろんな話で盛り上がった。
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