異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

文字の大きさ
上 下
160 / 193
未来のために

未来のために

しおりを挟む
情勢をも守り、いつでも必要な助力を提供できるよう指示していった。

勿論、子供達も密かに子飼いを潜ませ、信頼できる部下を派遣していた。
今回の聖女は過去の聖女と大いに違った行動が多く垣間見える。
やはりあの身体に潜むか、影響を及ぼしているのだろう。


本来の聖女自身にも共鳴できることがあれば…納得できる事も…
したくは無いのだが…

後、あの時訪れた妻からの情報も…

神の力を多く利用して作られたこの神殿。
愛しい者の身体を守る意味もあるが、神とのコンタクトを取りやすくする意味も…

今回の事は特別として、神から啓示されやすくなっいているから…

神殿内の神の像のお側に近づくと…
そこからお姿が…

「久しぶりじゃ。元気にしておったかへ?」

うん、いつもの態度だ。
流石、神アルメルアだ。

「お久しぶりでございます。今回は?」
「もう知っておるであろう?あやつが現れた。今までどうも狭間で隠れておったようじゃ。聖女召喚の儀に乗じて現れおった。」

そう言いながら、扇子をパタパタさせる。

「我らよりも上の力のせいかも知れぬが…まぁ、その辺りは説明できぬし、しても理解できぬ事。運命の和子と同じ時空から来た聖女となる者の身体、精神の方に混ざったようじゃ。よく似た思考回路をしておったのか、同じ何かが有ったのじゃろう。もしくは考えたく無い事じゃが…」

はぁ…………

大きくため息をつかれてから、またパタパタと扇子であおがれている。

「聖女…確か、アイとか言っておったか?あの者は要注意じゃ。心して掛かるが良い。まぁ、ディアブロが上手く動くとは思うのじゃが…」

ふむ…と考える動作をされておられる。
そういえば、神々からディアブロの事をあの時紹介された。
あの男は確かにかなり助力はしてくれたが…


今回、我が甥っ子の側についているようだが…
あの男の事はよくわからなかった。
かなりの実力者である事は理解できているが…
妻沙也加とその妹優里に対しての対応の差も…

「申し訳ありませんが、あのディアブロという男について教えていただけないでしょうか?あの時我らに助力していただいたから、かなりの実力者である事は理解できますし、信頼もおける者である事も。ただ、今回、我が甥であるカルロス・セイクリオンの英霊召喚で姿を現せ、契約を結んだ様子。だが、あの男が死んで英霊となるとは考えにくい。そう易々と死んでなどいないと…」

「ふむ。そうじゃな…そちはあの時あのお方…いゃ、あの者と一緒に行動したからな…あれは我らと同等もしくはそれ以上の存在じゃ。ディアブロ…元の名は告げられぬ。それが理であるからな。あの者はいわゆる時空・次元の神と言っても良いだろう。あらゆる時空・次元に関与して、幾度も再生されていく者じゃ。」
「かっ…神ですか!?」

驚きの情報だ。まさか神とは…

「ある程度成長し、過去の情報を持ったまま生まれ変わると言って良い。神であっても力を溜め込みすぎては良くないからの。こちらの世界で言う、一旦『死』して溜め込んだものを解放し、再生構築。いわゆる『生まれ変わる』のじゃ。よって、生まれ変わり時は力が弱く、時には保護者を求めたりも…今回は求めた者がそなたの甥であり、運命の和子でもある。かなりの執着があるようじゃ。今までとは違うな…。これも…これ以上は説明できぬ。すまぬな…」

そう言って、ニコッと笑った。
顔は笑顔であるが…これ以上の追求は許さぬとの威圧を感じる。

神にも上下関係がある事はこの出会った神々で初めて知った事。
それ以上のことは、『理』と言うもので追及不可であり、追究不可なのだろう。

教えてくださったのは、多分ギリギリのライン。
なら、それ以上は…

だが、この情報だけでもおおきなものだ。

「そなたが以前見た未来視も、現実として多いに変わったことがあるだろう。今後も選択によっては変わってゆく。心してかかるが良い。我も今度は逃さぬから…」

そう言いながら姿を消された。

ならば、子供達にもこの情報を伝えれる範囲で伝えて、作戦を練ろう。
今後の情勢も多いに注意しながら…

神の像を後にし、侍従達に指示を出す。
そしてまた妻の身体の側に向かった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

踏み台(王女)にも事情はある

mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。 聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。 王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...