156 / 193
未来のために
未来のために
しおりを挟む
それから数ヶ月後、あの未来視で見た事を考慮して行動しようとノートにいっぱい書き出す作業に没頭した。
エドワードも、取り逃した者達の追跡調査を各国に依頼したり、魔獣被害で崩壊した地域の復興のために多くの者を派遣したり、ギルドを通して冒険者達に協力を得たりしていた。
北にある障壁も再度確認を行い、騎士達を駐屯させる手筈も整えた。
魔族達の中には協力的な者もいる事がわかり、その者達を通しての流通確保も行っているらしい。
障壁を取っ払うのかと思ったけれど、それはしないほうが良いとの事。
それは、向こう側からの指摘と案だった。
魔族の中でも階級のようなものがあり、人を襲う恐れがある者も多くいるためだとか。
お互いの物資を交換したり、知識の交流は大いに喜ばしいが、被害が出るものは出来るだけ遠ざけた方が良いと…
詳しい事はよくわからないし、この世界の事も熟知していない私がしゃしゃり出るのは可笑しいから、うん、聞き流そう…
宗教関係もなんだかあるようだしね…
向こうはこの世界ではない神、悪魔信仰があるらしいから…
でも、よくよく聞くと、悪魔信仰は一部の過激派らしい。
どの世界も過激派はいるんだね…
もう、考えたくないよ…
まぁ、それよりもだ。未来視しで見た事を…
「そんなにこんを詰めて、大丈夫か?」
背後から覗き込まれるが、うん、読めないだろう。
何せ、日本語で書いてあるのだから。
元日本人なら読めるだろうけどね。
ほら、過去に来た聖女達とか…
一部の聖女が伝えてたりして…知らないけど…
「うん、読めないな。何を書いているの?」
「秘密。でも、大切なものだよ。」
そう言って、背後の愛しい人にそっと手を伸ばした。
忙しい合間に、この男は私との婚姻を結んでしまった。
ほぼ身内での式を挙げて…
国全体には、今は復興が大切であるからと、大きな婚姻の儀式は行わないとし、聖女との婚姻を発表してみせた。
過去の事例もあったらしく、周りからの反対もねじ伏せたらしい。
私が『聖女』出会った事も、婚姻に結びつけれるものであったらしい。
まぁ、彼のことは…うん、好きだしね…
「沙也加?なんだか眠そうだね。体調が悪いのか?」
そっと抱きしめられて、何やら確認しているようだが…
「………」
「どうしたの?」
「うん、休もう。服も薄着はダメだ。身体を冷やしてしまう。それから、そう、医師を…」
そう言い出して、そっと私を抱き上げながら、背後に控えていた者達に指示を出していく。
バタバタと駆け出す者もいるなぁ…
エレンに手伝ってもらい、寝衣に着替えさせられて、ベッドの住人。
そうこうすれば、医師が息を切らすようにして入ってきて、医師とエレン、エドワード以外、外に出された。
エドワードも出されそうになったが、自分は夫であるからと強く拒んで同席。
結果は…
どうもできたようだ。
私のお腹の中に彼の子供が…
なら、この後は…
嬉しいのと、この後に起こる未来視で見たものを思い浮かべる。
「沙也加…」
いつのまにか、部屋は私とエドワードの二人きり。
「沙也加。ありがとう。これからは家族で頑張っていこう。私は国を預かる者であるから、兄達の協力を得て全力で君や子供達を守るよ。そして、あの時見た未来の…」
「うん、ありがとう。お腹の中にあなたの…エドワード、エドの子供がいるなんて…実感はわかないけれど…でも嬉しい。未来視で見た多くの中から、絶対にみんなが幸せになる方を選んでいくよ。家族を守るんだ…」
「そうだね。だが、私にとって一番は君だ。忘れないで…愛しているよ。」
そう言ってさらに抱き込まれてしまう。
彼の胸に耳を傾けて聞こえてくる心音と体の温もりで安心感をもらいながら…
絶対に、幸せになる。
ママと一緒に頑張ろうね。
そう呟いてしまった。
エドワードも、取り逃した者達の追跡調査を各国に依頼したり、魔獣被害で崩壊した地域の復興のために多くの者を派遣したり、ギルドを通して冒険者達に協力を得たりしていた。
北にある障壁も再度確認を行い、騎士達を駐屯させる手筈も整えた。
魔族達の中には協力的な者もいる事がわかり、その者達を通しての流通確保も行っているらしい。
障壁を取っ払うのかと思ったけれど、それはしないほうが良いとの事。
それは、向こう側からの指摘と案だった。
魔族の中でも階級のようなものがあり、人を襲う恐れがある者も多くいるためだとか。
お互いの物資を交換したり、知識の交流は大いに喜ばしいが、被害が出るものは出来るだけ遠ざけた方が良いと…
詳しい事はよくわからないし、この世界の事も熟知していない私がしゃしゃり出るのは可笑しいから、うん、聞き流そう…
宗教関係もなんだかあるようだしね…
向こうはこの世界ではない神、悪魔信仰があるらしいから…
でも、よくよく聞くと、悪魔信仰は一部の過激派らしい。
どの世界も過激派はいるんだね…
もう、考えたくないよ…
まぁ、それよりもだ。未来視しで見た事を…
「そんなにこんを詰めて、大丈夫か?」
背後から覗き込まれるが、うん、読めないだろう。
何せ、日本語で書いてあるのだから。
元日本人なら読めるだろうけどね。
ほら、過去に来た聖女達とか…
一部の聖女が伝えてたりして…知らないけど…
「うん、読めないな。何を書いているの?」
「秘密。でも、大切なものだよ。」
そう言って、背後の愛しい人にそっと手を伸ばした。
忙しい合間に、この男は私との婚姻を結んでしまった。
ほぼ身内での式を挙げて…
国全体には、今は復興が大切であるからと、大きな婚姻の儀式は行わないとし、聖女との婚姻を発表してみせた。
過去の事例もあったらしく、周りからの反対もねじ伏せたらしい。
私が『聖女』出会った事も、婚姻に結びつけれるものであったらしい。
まぁ、彼のことは…うん、好きだしね…
「沙也加?なんだか眠そうだね。体調が悪いのか?」
そっと抱きしめられて、何やら確認しているようだが…
「………」
「どうしたの?」
「うん、休もう。服も薄着はダメだ。身体を冷やしてしまう。それから、そう、医師を…」
そう言い出して、そっと私を抱き上げながら、背後に控えていた者達に指示を出していく。
バタバタと駆け出す者もいるなぁ…
エレンに手伝ってもらい、寝衣に着替えさせられて、ベッドの住人。
そうこうすれば、医師が息を切らすようにして入ってきて、医師とエレン、エドワード以外、外に出された。
エドワードも出されそうになったが、自分は夫であるからと強く拒んで同席。
結果は…
どうもできたようだ。
私のお腹の中に彼の子供が…
なら、この後は…
嬉しいのと、この後に起こる未来視で見たものを思い浮かべる。
「沙也加…」
いつのまにか、部屋は私とエドワードの二人きり。
「沙也加。ありがとう。これからは家族で頑張っていこう。私は国を預かる者であるから、兄達の協力を得て全力で君や子供達を守るよ。そして、あの時見た未来の…」
「うん、ありがとう。お腹の中にあなたの…エドワード、エドの子供がいるなんて…実感はわかないけれど…でも嬉しい。未来視で見た多くの中から、絶対にみんなが幸せになる方を選んでいくよ。家族を守るんだ…」
「そうだね。だが、私にとって一番は君だ。忘れないで…愛しているよ。」
そう言ってさらに抱き込まれてしまう。
彼の胸に耳を傾けて聞こえてくる心音と体の温もりで安心感をもらいながら…
絶対に、幸せになる。
ママと一緒に頑張ろうね。
そう呟いてしまった。
1
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる