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未来のために

未来のために

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どのくらいの時間の経過があったのだろうか。

ふと目が覚めたのは…
うん、記憶にない部屋だった。
微かに穏やかな風を感じ、近くに窓があるのかなぁ?って思った。
小鳥のさえずりも聞こえてくる。

そっとかけられていたシーツから身体を滑り落とすようにベットから降りた。
身体が少し気だるく感じたから…

近くのテーブルに水差しが見えて、そちらにゆっくりと向かう。
毛足が長いのか、敷かれた絨毯が心地よく足裏に感じていた。

うん、現在の私の姿は寝衣姿の裸足だものね。

コップに水を注ぎ、こくりと美味しくいただく。
コップに刻印魔法が施されており、飲み物の種類や室温によって注がれたものが冷たくなったり温かくなったりの魔道具の一つだ。
お酒の場合は、注ぎ手や飲み手が魔力を注げば好みの温度にもなるんだけどね…

「ほぉ~。美味しい~」

思わず呟いた所でガチャっとドアが開いた。
ノックの音があったかもしれないけど…うん、聞き逃したか?

入ってきた者が慌てて私のそばに来て抱きしめた。

コップをテーブルに戻した所だったから、うん大丈夫だと。

「沙也加…心配した。痛みは?苦しいとかないか?気分も体調も?」

心配してくれているのはわかるが…うん、まぁこんなものだよね~。

「大丈夫って、ちょっと!」

ふわりと身体が持ち上げられて、ベットに連行された。
そっと横にされて、上掛けをかけられる。
そして、両頬に手を添えられて顔色を確認してきた。

「心配した。一ヶ月だ。一ヶ月も意識が戻らなくて…」
「いっ、一ヶ月??」
「あぁ、扉は君達のおかげで閉じられて完全消滅した。残された魔物も小悪魔達も全て駆逐した。確認されていた魔素溜まりも全て消失だ。」

「そう…そうなんだ。うん、よかった…」

思わずほぉ~っとため息をついた。
うん、あの時見せられた選択を自分の意思で選び取れたんだ。うん、良かった…

そして、気になる手…
あぁ、やっぱりな…
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