異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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試練

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「皆んな、今回の討伐と浄化ご苦労だった。さて、例の上空にある異世界の扉だが、ごく僅かだが更に開いている事を確認した。向こうの禍々しいものもだ。今直ぐこの世界に降り立つ事はないだろうが、危機感は持つ必要性がある。騎士や魔術師達も十分に警戒して対応していく事になっている。緊急時には、あらかじめの取り決めのように対応。場合においては臨機応変に頼む。」

そう言って、一度区切り周りを見回す。
皆んなそれぞれに頷き合い確認しあった。

「次に、この地域の現状況だが、兄上頼む。」
「あぁ、この地域一体は現在我が国、第五騎士団を駐屯させている。周辺の住民は全て避難させてはいるが、実際にあの扉が開くことのよりどのくらいの範囲で被害が起こるのかはわからない。過去の文献に則っての判断だからな。緊急時は各国に伝達魔法陣を直ぐに発動できるよう準備できている。各国の協力要請も完了だ。他には…」


そんな感じで次々と報告があがり、それらに対しての対策を確認しながら新たな意見も持ち上がった。
ある程度話が終わり、明日の朝食時にとお開きになった。
私は…神から見せられたあの映像のことを思い浮かべらがら月夜を眺めていた。

「沙也加。身体が冷えますよ。」

そっとストールをかけられた。
彼の両手には温かい飲み物を持っているようだ。
わざわざ持ってきてくれたのか…
『どうぞ』とて渡されて、有り難く一口飲む。
ほのかに香る優しい香り。喉を通る時の甘さと温かさでホッとする。

「あの時から様子がおかしいですが、私ではあなたの手助けにはなりませんか?」

そう言って、彼は持っていたカップを置き、優しく包み込むように背後から抱きしめてきた。
彼からもらった指輪をスリッと撫でられる。

彼ほど自分にとって信頼できる者はこの世界には…
だけど、どこまで話せるだろうか…
神が見せたあの映像は、きっと全ては伝えられないと思う。
でも…

上目遣いに彼を見て、身体の向きを変えてみる。
そして、なんとなく彼の両手を握ってみた。
本当に何も考えていなかった。
なのに、不思議と繋がれた両手が光り、意図せず私が見た映像の一部が、頭の中に映る。
そして、その映像の中で一緒に見ているのは…
私と驚愕に目を見開いた彼。
一瞬驚き、グッと力が入れられる。
急いで離そうとしてもそれは出来なかった。
流れる映像を二人で鑑賞していくようだ。
あの時のような膨大な量ではないが、それでもかなりに量だと思う。
いつしか彼の表情は硬く…

それよりも、こんな力私には無かったはずなのに、どう言うことだろうか??
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