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扉
試練
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「お久しぶりです。アルメルア様。私を呼んだのは貴方様ですか?神から送られてきたディアブロと言う者の指示でここに来たのですが…」
そう言って膝をつく。
この神は、この世界の二神よりも上位神。きちんと対応しないと面倒になりそうだと思った。
「そうじゃ。我がここのそなたを呼ぶように命じた。向こうにもう一人向かわせるのもな。」
そう言って、楽しそうにクスクス笑いながら近づいてきた。
「立つがよい。そなたには伝えておかねばいけない事があっての。まぁ、選ぶのは其方じゃ。ついてまいれ。」
そう言うと、庭園の奥に進んで行った。
途中に人工的に作られた小川があり、それを跨ぐように小さな橋がかけられていた。
「ここからは、下界と切り離された場所となる。入れるのは巫女と神子、聖女じゃな。」
橋を渡ると、そこが川で切り離された場所だとわかった。
水源は奥に見える泉の方か…
中央に祠が見え、そこまで歩いて近づいていく。
祠の扉が開き、地下に続く階段が見えた。
「ついてまいれ…」
そう言ってスタスタと中に入っていくから、慌ててついていく。
不思議な事に、階段は薄青く光り輝き、足元を気にせず歩けれた。
しばらく歩くと、いきなりの青空と草原が見えた。
地下に向かって階段で降りて行ったはずなのに??
「あれが見えるか?」
扇子で指し示された場所には大きな木が一本立っていた。
広葉樹のような大木。
「あれに触れるが良い。」
それだけ言われて、どうするべきか一瞬躊躇するが、神の示しだ。やるしかない!
側に近づき、そっと見上げる。
どれだけの年月をこの地にで見つめてきたのだろうか。
もう、御神木と言ってもおかしくない。そんな感じが漂ってきた。
そっと触れてみる。
すると、一気に飲み込まれるような感じがして…………
周りの風景が一変し、多くの映像が流れていく。
まるでフイルムの映像を流されていくようだった。
それも膨大な量。
一つはこの世界の始まりのもの。
一つは自分の過去のもの。
そして、これから起こりうるもの。
一気に送られてくるものを、不思議と理解して行った。
本来ならあり得ない事だ。
いくつものテレビ画面で沢山の映画を見ていく感覚なのだから…
だが、それが理解できていく。
そして…衝撃的な未来が見えてきた。
この世界の人類が滅亡するもの。
この世界が助かるが、自分達がいない未来。
この世界が助かるが、自分の大切な人がいない未来。
そして、自分だけいない未来…
最後に見たのは…
できたらこの未来を選ぼうと思った。
大変だけれど…でも、多くの希望が持てる未来…
そこで全ての映像が消えて、大木から手を離した自分の両手を見つめている事に気がついた。
「どうじゃ?選べれたか?」
「はい…」
少し返事が重くなってしまうのは許してほしい。
それだけの重荷を感じてしまったのだから…
「ふむ。ではする事は決まっておる。その未来に向けて進むのみじゃ。だが、お前が今見てきたものが、必ずしも決定ではない。あくまでも選択肢の先の未来という事。選ぶのはお前自身。今お前が選んだ未来に必要な物を、お前の妹は手にするだろう。必要なものを手にできるのは、お前の妹のみ。その為にこの世界に二人引き込まれたと考えても良いかも知れぬ。あやつが邪魔をするかもしれんがな。まぁ、頑張るが良い。ここで得た情報は、今の時点ではお前のみ得れるものじゃ。他の者には一部しか伝えれないと思うが良い。」
「一部は伝えれるのですか?」
「うむ。でなければ、協力ができぬであろう。ただし、あくまで一部のみ。それが自分が伝えたいものかどうかは別だがの。」
そう言いながら、私の胸元にしまい込んでいた妹とお揃いのネックレスに触れられた。
「これに加護を付与しておいた。お前の妹もこれを通して付与されたから、大切に使うが良い。」
それだけ言われて、いきなり体が宙に浮いた感じがした。
ぐんぐんと遠ざかっていく感じがして………
「沙耶。沙耶大丈夫か!」
エドワードに抱き抱えられながら揺さぶられていたようだ。
目の前に心配で青ざめた美形のドアップで慌ててしまった。
そう言って膝をつく。
この神は、この世界の二神よりも上位神。きちんと対応しないと面倒になりそうだと思った。
「そうじゃ。我がここのそなたを呼ぶように命じた。向こうにもう一人向かわせるのもな。」
そう言って、楽しそうにクスクス笑いながら近づいてきた。
「立つがよい。そなたには伝えておかねばいけない事があっての。まぁ、選ぶのは其方じゃ。ついてまいれ。」
そう言うと、庭園の奥に進んで行った。
途中に人工的に作られた小川があり、それを跨ぐように小さな橋がかけられていた。
「ここからは、下界と切り離された場所となる。入れるのは巫女と神子、聖女じゃな。」
橋を渡ると、そこが川で切り離された場所だとわかった。
水源は奥に見える泉の方か…
中央に祠が見え、そこまで歩いて近づいていく。
祠の扉が開き、地下に続く階段が見えた。
「ついてまいれ…」
そう言ってスタスタと中に入っていくから、慌ててついていく。
不思議な事に、階段は薄青く光り輝き、足元を気にせず歩けれた。
しばらく歩くと、いきなりの青空と草原が見えた。
地下に向かって階段で降りて行ったはずなのに??
「あれが見えるか?」
扇子で指し示された場所には大きな木が一本立っていた。
広葉樹のような大木。
「あれに触れるが良い。」
それだけ言われて、どうするべきか一瞬躊躇するが、神の示しだ。やるしかない!
側に近づき、そっと見上げる。
どれだけの年月をこの地にで見つめてきたのだろうか。
もう、御神木と言ってもおかしくない。そんな感じが漂ってきた。
そっと触れてみる。
すると、一気に飲み込まれるような感じがして…………
周りの風景が一変し、多くの映像が流れていく。
まるでフイルムの映像を流されていくようだった。
それも膨大な量。
一つはこの世界の始まりのもの。
一つは自分の過去のもの。
そして、これから起こりうるもの。
一気に送られてくるものを、不思議と理解して行った。
本来ならあり得ない事だ。
いくつものテレビ画面で沢山の映画を見ていく感覚なのだから…
だが、それが理解できていく。
そして…衝撃的な未来が見えてきた。
この世界の人類が滅亡するもの。
この世界が助かるが、自分達がいない未来。
この世界が助かるが、自分の大切な人がいない未来。
そして、自分だけいない未来…
最後に見たのは…
できたらこの未来を選ぼうと思った。
大変だけれど…でも、多くの希望が持てる未来…
そこで全ての映像が消えて、大木から手を離した自分の両手を見つめている事に気がついた。
「どうじゃ?選べれたか?」
「はい…」
少し返事が重くなってしまうのは許してほしい。
それだけの重荷を感じてしまったのだから…
「ふむ。ではする事は決まっておる。その未来に向けて進むのみじゃ。だが、お前が今見てきたものが、必ずしも決定ではない。あくまでも選択肢の先の未来という事。選ぶのはお前自身。今お前が選んだ未来に必要な物を、お前の妹は手にするだろう。必要なものを手にできるのは、お前の妹のみ。その為にこの世界に二人引き込まれたと考えても良いかも知れぬ。あやつが邪魔をするかもしれんがな。まぁ、頑張るが良い。ここで得た情報は、今の時点ではお前のみ得れるものじゃ。他の者には一部しか伝えれないと思うが良い。」
「一部は伝えれるのですか?」
「うむ。でなければ、協力ができぬであろう。ただし、あくまで一部のみ。それが自分が伝えたいものかどうかは別だがの。」
そう言いながら、私の胸元にしまい込んでいた妹とお揃いのネックレスに触れられた。
「これに加護を付与しておいた。お前の妹もこれを通して付与されたから、大切に使うが良い。」
それだけ言われて、いきなり体が宙に浮いた感じがした。
ぐんぐんと遠ざかっていく感じがして………
「沙耶。沙耶大丈夫か!」
エドワードに抱き抱えられながら揺さぶられていたようだ。
目の前に心配で青ざめた美形のドアップで慌ててしまった。
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