異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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「お願いとは?」

そっと右手を取られ、懇願するように見つめられている。
えっと、これは止めるべきよね。仮にも妹には相手がいるのだから…
妹も、どうしていいのか戸惑っているようだ。
向こうにいるエドワード達には、この状態が見えていないのか、反応していない。

「はい。ユウリ様には、是非私と共に来ていただきたいと思います。浄化の後、少しどうしても必要な事がございまして。」
「浄化の後の必要な事?」
「はい。我が君。我が主人の大切な方でもあられますので、全力でお守りし、お助けいたしますので。」
「その…あなたの主人と私との関係はよくわかりませんが、あの扉に関して必要な事であれば…」
「はい。よろしくお願いいたします。あと、サヤカ…様でしたか…」
「えっと、私の扱いおかしくない?」
「いいえ、滅相もない。あなたには、浄化の後に近くの神殿に赴いてからこちらに戻って来ていただきたい。どうしても必要な事ですから。よろしくお願いしますね。」

そう言って、立ち上がりながら私の方はチラッとみて、特に表情も変えず淡々と説明してきた。

どうも、妹自身には身に覚えはないようだけれど、このディアブロの主人と妹は何らかの関係…繋がりがあるようだ。で、妹はとても大切っと。
何とも言えない気分だけれど、神があえて使わせていた男だ。腹ただしいけれど、従う方が良いだろう…

「わかった。」

そう言うと、ディアブロがパチンと指を鳴らした。

途端に、エドワード達が私達に気づいて走って来た。
えっと、どう言う事??

「少しだけ、遮断させて頂いただけです。ほら、私がお二人だけにお願いすると、ね。」

何となく理解した。
多分、あの二人が嫌がるだろうと言う事なんだろう…

「サヤカ、何か言われたのか?」

そう言ってエドワードが心配そうに見つめて聞いて来たから、大丈夫だと言っておいた。
このディアブロが私と妹だけに伝えたと言う事は、二人だけでそれぞれ何かをしないといけないのだろう。
その場所に行きたいとは伝えれても、実際にそこで動くのは私だけ。
妹においては、ディアブロと一緒にと言う事なんだろう…

それだけしか言わないとすれば、現地でわかると言う事だ。
なら、気合を入れて行くしかない。

妹と二人で視線を合わせて頷いて翌日を迎えることにした。
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