異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

扉

扉

紺色の髪に黒い瞳の男性。多分竜人族だと思う。
執事服をきた男性は、騎士と言われても納得してしまえそうな雰囲気を醸し出していた。

「えっと、彼は私の専属執事なんだ。護衛も兼ねててね。グレデリックって言うの。」

そう言って紹介されて、私にサッと礼儀正しく挨拶を披露してくれた。
うん、この男、なかなか出来る…

何故かそう思えるんだよね。うん、不思議だ。
でも、さっきの続きだが、どうにも気になる…

だが、呼ばれているから、今は追求できないし…

「沙耶。呼んでるから行こう。」

今度は妹が袖を引っ張って促してくるから、渋々むかう。

「これはこれは。初めまして、私、ディアブロと申します。我が主人の…いぇ、何でもございません。今回、神の神託により、お手伝いさせて頂きます。よろしくお願いいたします。ですが…あぁ、我が主人の母君…いぇ、失礼致します。」


ん？このディアブロと言う男が、優里に対して何とも言えない顔をしている。
何故か拝んでいるようにも見えた。
『母君』とか言っているが、何の事だろうか？
訳がわからない。

妹にはアルホンス•セイクリオンと言うアステード王国貴族の男性と親密になって護られているが、まだそれだけだ。
それ以外に強くこの世界の者と繋がっている事はない。
なのに、拝む？

うん、気にしたら負けのような気がする。
多分、妹とよく似た誰かと被さっているか、勘違いをしているだけだろう。

「まぁ、立ち話も何ですから、何処かでお座りになられたら良いかと。」

そう言いわれ、場所を移動した。
ちょっとした会議室風な場所に移動して、素直にテーブルにつくことにした。

ディアブロという謎の執事が、何処からかティーセットを取り出して、それぞれにお茶を配り出した。
グレデリックと言う優里の執事がそれを手伝い、壁側に待機した。
ディアブロは会議に参加であるが、あくまでも執事であるからと、私たちの背後に立った。

「今回、遠い所を来ていただき感謝する。…」


そう言って話し合いをし出したのは、この国の北側にある障壁の現状と、上空に出現している扉の件。
そして、神からの神託に関してだ。
ディアブロからも情報を得て少しホッとする。
このメンバーで頑張れば、早く解決しそうな予感がした。
本当に不思議な感覚だった。