異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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座っていた少女は、あの時と同じ容姿だが、何か違う。
そう、纏う雰囲気だ。

あの時見た少女には畏怖の念を感じた。
目があった時の恐怖。
直接会った訳ではないけれど…

だが、目の前の少女には何と言うか…
そう、真っ白な異空間に呼ぶ二神の様な…

「我に何用か?異世界から来た聖女よ。」

そう言うと、ふわりと座っていた岩から飛び降りた。
目で表情とかは確認できる距離ではあるが、離れている。
そう、離れていたはずだが、一瞬で目の前に移動してきた。

エドワードに腕を取られて、庇う様に背後に跳ぶ。
ズザザザッと土が擦れる様な音がし、土埃が舞い上がる。
この場所での足元は通ってきたところとは違って、一部やや乾燥気味のようだ。
芝生の様な草が多い茂っている場所もあるが、泥濘んではいない。

スッと剣を構えるエドワード。

「ふむ。そちらが我に用事があったのではないかえ?そちらが我に用があったようであったから、ここに呼んだのだが?」

こてんと首を傾げて、扇で口元を隠す。
扇はこの世界特有の中世の羽が付いたものなどではなく、どちらかというと、日本の扇子のようだ。

急に側に来られたのには驚いたが、確かに追いかけたのは私の方。
なら…あれ?この少女からの声は、さっき二人で会話した様な頭の中に響く感じではなく、普通に声として捉えれてる。
なら…

「私は秋本沙也加。この世界での言い方なら、サヤカ•アキモトです。こちらにいるのはエドワード・ディール。私と共に一緒に旅をしているメンバーの一人です。」

全てを正直に話さなくても良いだろう。この自己紹介だって嘘は一つもついていない。全てを相手に伝えていないだけ。だけど、既に私が異世界から来た聖女とされる者である事は知っている様だ。
それに、声、普通に出た…

エドワードから前に出て、この世界に渡って来て習った様にお辞儀をして見せた。
いわゆるカーテンシーだ。
服装が服装であるから、ドレスの様には出来ない少し略式的ではあるが。

「ふむ。我はアルメルア。この世界と別の世界の神?みたいな者だ。で、何用だ?」

そう言うと、この不思議な少女は扇子をパタパタさせた。
すると、不思議なことに、白い雲の様なものがもくもくとできて、椅子とテーブルに姿を変えた。

「立ち話も何じゃ。まぁ座れ。」

そう言って、ニコッと笑いながら促された。
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