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そのまま二人で周りを確認しながら歩いて行く。
切り立った断崖の奥底を思わせる。
もしくは、洞窟内の崩れて天井が開いた場所。
どちらにしても、進むしかない様に思われた。

目の前に、ほのかに揺れるものが見えたから、そちらの方にだ。

エドワードの後に続いて進む。
足元が泥濘んでいるから、時々足を取られて滑って転けそうになるのを、直ぐに気がついて助けてくれた。
相変わらず器用な男だと思う。

普通、前方を歩いていれば、後ろの者が転びかけて気づく事はあっても助ける事はできないと思うんだけどね…


『そう言えば、沙也加が追っていたあの少女は何者だ?何処かで知り合った?』

いつの間にか、この世界で難しいとされる日本語読みで私の名前を呼ぶエドワード。
大切に…特別に思えてきた相手に本来の読み方で名前を呼んでくれるのは嬉しい。

他の人の前では従来の『サヤカ』呼びに変わったりもするんだけどね…

『何と言うか…特に知り合いとかではないと思うんだけど…気になるから…。』

どう説明したら良いのだろうか…

『もしかして、神からの神託か何かで会わされたか、情報を得た者?』
『そんな感じかな…何となく背筋が凍る感じで…でも、何か特別な意味を持つと思うの。詳しく説明できないけど…言わないんじゃなくてね、どう言ったら良いのかわからないのよね…』

顎に指を置いて思案する。

『多分、あの子は魔族か何か。それも上位の者の様な気がする。障壁の向こうから来たと思うと言うか…来た。でも、それがどうなるとかはわからないけど…』
『何か意味があると言う事か。しかも、かなりの魔力保持者であると…魔族の上位者。魔王とかその幹部みたいな者なのか?』
『魔王ってこの世界にもいるの?』
『はっきりした事は伝えられていないが、昔、魔族側の先導者を『魔王』と呼んでいた記述があった。障壁の向こう。魔族側にもこちらと同じ様に国があってもおかしくはないからな。数人いるのか一人だけなのかはわからない。もしかしたら、側近と思われる上位者がこの大陸と同じ様に数名の魔王と言う事も考えられる。魔王の国もいくつか分かれている感じでだ。向こうが崇めているのが悪魔。我らが崇拝する神とは別次元のもの。それがこの世界に降臨すれば、この世界が混沌に陥るという事しかわかっていないんだがな…だとしても、そうならないように過去の者達も現在の自分たちも、そして未来の者達も動く必要があるのだが…』

頭の中で響く声で会話をしながら歩いて行くと、急に開けてきた。
出口?

外に出ると、大きな大木と、側に湖の様なものが見えた。
水面に反射して映る二つの月。
幻想的な雰囲気の中、木の側にある岩の上に少女が座りこちらを見ていた。


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