104 / 193
扉
障壁の向こう
しおりを挟む
ソファーに座って、お茶を飲みながら皆んなの話を聞いた後、少しだけ待ってと言って…
「兄達を呼んだ。この前サヤカと行ったあの場所とかの情報を、皆んなに知っておいてもらいたいからね。情報共有は大切だ。」
そう言うと、ドアがノックされて、二人の男性が入って来た。
そして文官らしき人と、騎士らしい人も。
そう、最初に入って来た男性は、あの時紹介された彼の二人の兄だ。
文官と騎士は部屋の壁際に立ち、二人はソファーの方に近づいて来た。
部屋にいた侍女や侍従が、器用に椅子を運び込む。
重そうな重厚感たっぷりの椅子を軽々と。
うん、力持ちですね…
「あれはね、魔人族の得意な魔力操作で重さを軽減させてるんですよ。」
そうエレンが耳打ちしながら教えてくれた。
魔人族が魔法や魔力操作が得意なのは聞いていたけれど、こんな時にも威力発揮するんだ…
しかも、動きがスマートなのは、お城に従事ている者だから?
手の空いている者が、皆んなの前に置かれていたお茶を一旦回収して、新たに入れ直したものを人数分置いてくれていた。
「皆んなに紹介しよう。こちらは私の兄。第一皇子キャラハンと第二皇子オーリスだ。」
「初めまして。我が弟と親しく接してもらえてるようで、有難うございます。第一皇子、キャラハン•ディールです。ヒト族なので、宰相補佐をしています。よろしくお願いします。」
「俺はオーリス•ディール。弟が世話になっている。第二皇子だが、竜人族だから、騎士団に所属している。よろしくな。」
キャラハンは優雅に、オーリスはニカッと歯を見せて笑った。
「キャラハンは宰相補佐と言っても、ほぼ宰相職の仕事をしている。次期宰相だ。もう少ししたら交代かな。オーリスは実力主義の騎士団の団長だ。副総団長も兼ねている。」
「叔父上が元気なうちは、単なる団長で良かったんだがな。無理矢理仕事を手伝わされてるよ。」
「私の方もそうですね。宰相だなんて拘束時間が長いですから、もう少し頑張っていただきたい。」
二人がぼやいてます。
「兄上!」
エドワードがそう言うと、やれやれと言った感じで、二人とも席について長い脚を組み、お茶を一口飲んでいた。
さすが皇子様達。飲む姿は神々しく見えました。
その後、私達の紹介もして、お互いの情報を持ち寄った。
と言っても、ほぼこの二人の皇子が話す内容を聞くぐらい。
時には意見も言い、また、ここまでの道中の出来事や、今日訪れた神殿各所の話もかいつまんで行った。
道中に関して特に興味を持ったのはオーリス。
魔物や魔獣に関して、騎士団として情報が必要なのだろう。
これに関しては、エドワードも説明に加わっていた。
今日の神殿に関しては、一緒に行っていなかったしね。
街の様子など、詳しい情報は知っていたであろうに、多方面で見た方が、よくわかりますからと、色々キャラハンに聞かれた。
街で見かけた者の種族から始まり、持ち物や店に並べられていた商品などまで。
その後で、この前案内された障壁に関しての話に移り変わった。
気がつけば、侍女達の姿がなく、壁には騎士と文官のみ。
騎士と文官が侍従のようにお茶が冷えれば交換してくれていた。
「あぁ、重要な話だから、関係者だけにして、結界を張っているんだ。だから気にしなくて良い。」
エドワードの説明で納得し、また会話を再開した。
時に文官が資料を広げ、騎士が報告をしながらだ。
「兄達を呼んだ。この前サヤカと行ったあの場所とかの情報を、皆んなに知っておいてもらいたいからね。情報共有は大切だ。」
そう言うと、ドアがノックされて、二人の男性が入って来た。
そして文官らしき人と、騎士らしい人も。
そう、最初に入って来た男性は、あの時紹介された彼の二人の兄だ。
文官と騎士は部屋の壁際に立ち、二人はソファーの方に近づいて来た。
部屋にいた侍女や侍従が、器用に椅子を運び込む。
重そうな重厚感たっぷりの椅子を軽々と。
うん、力持ちですね…
「あれはね、魔人族の得意な魔力操作で重さを軽減させてるんですよ。」
そうエレンが耳打ちしながら教えてくれた。
魔人族が魔法や魔力操作が得意なのは聞いていたけれど、こんな時にも威力発揮するんだ…
しかも、動きがスマートなのは、お城に従事ている者だから?
手の空いている者が、皆んなの前に置かれていたお茶を一旦回収して、新たに入れ直したものを人数分置いてくれていた。
「皆んなに紹介しよう。こちらは私の兄。第一皇子キャラハンと第二皇子オーリスだ。」
「初めまして。我が弟と親しく接してもらえてるようで、有難うございます。第一皇子、キャラハン•ディールです。ヒト族なので、宰相補佐をしています。よろしくお願いします。」
「俺はオーリス•ディール。弟が世話になっている。第二皇子だが、竜人族だから、騎士団に所属している。よろしくな。」
キャラハンは優雅に、オーリスはニカッと歯を見せて笑った。
「キャラハンは宰相補佐と言っても、ほぼ宰相職の仕事をしている。次期宰相だ。もう少ししたら交代かな。オーリスは実力主義の騎士団の団長だ。副総団長も兼ねている。」
「叔父上が元気なうちは、単なる団長で良かったんだがな。無理矢理仕事を手伝わされてるよ。」
「私の方もそうですね。宰相だなんて拘束時間が長いですから、もう少し頑張っていただきたい。」
二人がぼやいてます。
「兄上!」
エドワードがそう言うと、やれやれと言った感じで、二人とも席について長い脚を組み、お茶を一口飲んでいた。
さすが皇子様達。飲む姿は神々しく見えました。
その後、私達の紹介もして、お互いの情報を持ち寄った。
と言っても、ほぼこの二人の皇子が話す内容を聞くぐらい。
時には意見も言い、また、ここまでの道中の出来事や、今日訪れた神殿各所の話もかいつまんで行った。
道中に関して特に興味を持ったのはオーリス。
魔物や魔獣に関して、騎士団として情報が必要なのだろう。
これに関しては、エドワードも説明に加わっていた。
今日の神殿に関しては、一緒に行っていなかったしね。
街の様子など、詳しい情報は知っていたであろうに、多方面で見た方が、よくわかりますからと、色々キャラハンに聞かれた。
街で見かけた者の種族から始まり、持ち物や店に並べられていた商品などまで。
その後で、この前案内された障壁に関しての話に移り変わった。
気がつけば、侍女達の姿がなく、壁には騎士と文官のみ。
騎士と文官が侍従のようにお茶が冷えれば交換してくれていた。
「あぁ、重要な話だから、関係者だけにして、結界を張っているんだ。だから気にしなくて良い。」
エドワードの説明で納得し、また会話を再開した。
時に文官が資料を広げ、騎士が報告をしながらだ。
1
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪
奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」
「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」
AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。
そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。
でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ!
全員美味しくいただいちゃいまーす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる