異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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障壁の向こう

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城に戻ると、エドワードが何とも言えない顔で待っていた。
うん、置いてきぼりにしたけど、それは仕方ないと思うんだ…

「これ、お土産。エドワードの母国ので、お土産も変かも知れないけど、私が選んだんだ。」

そう言って渡したのは、剣などに付ける飾りらしい。
黒い石が付いていて、金と銀色の房が付いていて綺麗だと思ったんだ。
神殿関係のお土産店の近くで売っていた物。
金と銀の房は、神様の髪色をモチーフにした御守りらしい。
違う色の房の御守りには、オパールの石が付いていた。
だから、ほら、私の瞳が黒だからね。石を黒にしてみたんだ。
で、持って帰る間、密かにその石に私の魔力付与できないかな~って思ったら、意外と上手くいったんだよね。

「どう?気に入ってもらえる?」

そう言って手のひらに乗せて渡した。
そっと指で石を愛おしそうに撫でられると、一瞬自分が撫でられるようでゾクゾクしたのは内緒だ。

「実はね。お揃いなの。私のは石が紅色。綺麗でしょ。」

そう言って目の前にチラつかせるように見せたら、そっと奪われた。
両手で挟み込むようにして…
あっ、私がした事と同じ事をしている…

「どうぞ。」

そう言って渡された石には、彼の魔力が感じられた。
それをアイテムバックならぬウエストポーチに付ける。
向こうで学生鞄によくこんな形で付けていたから…
うん、良い感じ。

彼は自分の剣に早速付けてくれていた。
いつもその剣持っているものね。

魔術師・魔導士であるエドワードは、この国の皇族であるから、自身を守るためにと、幼少時代から剣技も体術も取得しているらしい。
彼自身、魔術を使うのに媒体は必要ないらしいけど、あったらあったで便利と魔剣士のように剣帯もしていた。
そこは杖ではないのですね…

「ん?杖も持っているけど、それでは切れないからね。」

そう言って、アイテムバックから見せてくれた。
うん、ご立派な杖です。確かに切れませんね。叩き潰すぐらいはできたりして…

機嫌が治ったようなので、神殿や見て歩いた街の様子などをお土産話として皆んなで教え合った。
今度は一緒にとも付け加えてだ。


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