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障壁の向こう

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周りが薄暗く、これは夜空なのだろうか?上を見れば星が見えた。
目の前に、三人の人影が見える。
フードを深く被っているのか、顔かたちなどは分からない。

砂浜に準備していた小さな船を押して海に浮かべているようだ。
海に浮かび上がると、三人ともが乗り込み、何やら歌が聞こえる。
それが魔法の詠唱である事が何故か自分には理解できた。
防護の魔法。後、風と水の精霊でも呼んだのだろう。
船の周りに見えるモノが、風と水の精霊だと、これも不思議と自分んの中で納得できていた。

魔法で火を灯し、周りを確認しながら進んでいる。
それに上空を飛ぶようにして付いて行く自分の姿は、なぜか相手達には理解できていないようだった。
まるで思念体のような感じなのだろうか?

どのくらいの時間をかけて進んでいったのか、到着した場所は、あの時見た場所と酷似した感じだ。
三人が船を降り、流されないように、船を砂浜に打ち上げられると同時に持ち上げて置く。
この作業も魔法を使っている事から、エドワードの様な魔術師や魔導士なんだと思った。
精霊を使っていたから、エルフ族の者も考えられるが、何故か魔人族の者だと思った。

障壁近づき、一人はあの掌に十分納まるサイズの薄い板。確か魔塔で研究されていた代物だと言っていた石板を貼り付ける様にして置いた。
そして、ドンと大きな音と共にあの時見た穴が空き、離れた場所に亀裂ができた事を確認していた。
そして、できた穴からヒトらしきモノが二人。
一人は成人男性ぐらい。もう一人は子供ぐらいが出て来た。
子供ぐらいの大きさのヒトらしきモノが大人らしきモノに指示して開いた場所に何かしている。
それが何かは分からない。でも、感じるのは、少しだけ塞いだのではないか?と言う事。
あの時見えた感じ。そう、あの特殊空間で隔てたのだと何故か思えた。

砂浜の上に衝撃で落ちた物を手に取り、隠す様にして埋めていた。
その作業を終えると、三人と二人は小舟に乗って戻って行った。
それを上空から見下ろす形で見ている自分。
小さなモノが上を向き、目が合った。
何故かニタ~ッと笑ってこっちを見た様に思えた。
その姿は、何故か少女の様にも見えて…
背筋が凍る感じがして…




「サヤカ、起きて、サヤカ。」

揺すられて目を覚ます。
額に汗が滲んでいた。
心配そうに覗き込み、汗を脱ぐってくれたのは、エドワードだった。
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