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扉
障壁の向こう(エドワード)
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父である皇帝。呼び出されたのは父の個人的な部屋であった。
重要な内容であるから、謁見室とか父の…そう、皇帝陛下の執務室かと思いきやだ。
ドアをノックし、入室許可をもらい兄達と入る。
侍従達は廊下で待機だ。
皇族であるから、自分達の家である城内であっても、皇族住居スペースまでついてくる。
何かあればいけないからな。
ついて来るのは、侍従であり護衛の者達だ。
自分にもついているが、兄達にもついている。
特に、ヒト族であるキャラハンには自分達よりも多めだ。
私とオーリスには各一人。キャラハンには二人ついていた。
室内に入ると、のほほんと植物の手入れをしている父、皇帝陛下がいた。
片手にはジョロを持って、植物に語りかけながら水やりをしていたようだ。
「おー、よく来たな。それと、エドワードお帰り。神殿はどうだった?」
「ただいま戻りました。それについて報告とご相談が。」
「親子で個人スペースの部屋なんだから、いつも通りで良いよ。」
そう言って、水やりを一旦やめ、テーブルに着くように促された。
父自らお茶を入れられる。
皇帝で、多くの者達に傅かれ、色々と尽くされる身であるが、実際の父は何でも自分ででき、時間があれば自分でしたがるのだ。
側付きである専属執事はその事を理解して、必要な事だけ手伝いいつも見守っている。
このような個人スペースの場合だけだがな…
「ありがとうございます。相変わらず、父上の茶はいい香りがして美味しい。」
「そうかそうか…これは今年採れた茶葉だ。我が国のな…で、報告と相談とは?」
父は嬉しそうに微笑みながら、そう促してきた。
微笑んでいても、この父は鋭くよく言う腹黒い性格もしている。
見た目だけで行動してはいけない人物だ。
「実は…」
そう切り出して、兄達に告げた内容をそのまま伝えた。
障壁の件と今後巡礼メンバーと対応しなければいけない『扉』の件だ。
魔塔の内部を一掃しようかと考えている事も告げた。
「なるほど。障壁の件はすぐさま対応が必要だな。魔塔の件もだが…オズワルド。」
「はい。」
父の護衛件専属執事筆頭だ。
スラットした美丈夫であるが、ソードマスターでもある。
「魔塔の一掃をしてもらえるか?どうもネズミが多いようだ。」
「魔塔だけではよろしいのですか?他の巣穴も掃除してきますが?」
「あぁ、頼む。あくまでネズミだけだ。そうだな…ついでにネコでも放っておいてくれるか?」
そう言いながら、クスッと笑っていた。
父が魔塔の方を片付けてくれるなら、自分達は障壁の方を重点的に対応したらいいだろう。
「障壁の方は任せよう。好きなモノを使えば良い。だが、気をつけるんだよ。」
「はい、ありがとうございます。」
「ふふっ…で、君の愛しいものは、私の娘になる者にはいつ会わせてもらえるんだい?」
「私達も紹介はされてませんね。」
「そうだな。巡礼メンバーと聖女様としての紹介はあったが、愛しい者としての紹介はまだだったな。」
そう言いながら、兄達は茶化してきた。
こうなると、もう適当に相手をするしかない。
少し行儀が悪いが、お茶を啜るように飲みながら、応じていった。
重要な内容であるから、謁見室とか父の…そう、皇帝陛下の執務室かと思いきやだ。
ドアをノックし、入室許可をもらい兄達と入る。
侍従達は廊下で待機だ。
皇族であるから、自分達の家である城内であっても、皇族住居スペースまでついてくる。
何かあればいけないからな。
ついて来るのは、侍従であり護衛の者達だ。
自分にもついているが、兄達にもついている。
特に、ヒト族であるキャラハンには自分達よりも多めだ。
私とオーリスには各一人。キャラハンには二人ついていた。
室内に入ると、のほほんと植物の手入れをしている父、皇帝陛下がいた。
片手にはジョロを持って、植物に語りかけながら水やりをしていたようだ。
「おー、よく来たな。それと、エドワードお帰り。神殿はどうだった?」
「ただいま戻りました。それについて報告とご相談が。」
「親子で個人スペースの部屋なんだから、いつも通りで良いよ。」
そう言って、水やりを一旦やめ、テーブルに着くように促された。
父自らお茶を入れられる。
皇帝で、多くの者達に傅かれ、色々と尽くされる身であるが、実際の父は何でも自分ででき、時間があれば自分でしたがるのだ。
側付きである専属執事はその事を理解して、必要な事だけ手伝いいつも見守っている。
このような個人スペースの場合だけだがな…
「ありがとうございます。相変わらず、父上の茶はいい香りがして美味しい。」
「そうかそうか…これは今年採れた茶葉だ。我が国のな…で、報告と相談とは?」
父は嬉しそうに微笑みながら、そう促してきた。
微笑んでいても、この父は鋭くよく言う腹黒い性格もしている。
見た目だけで行動してはいけない人物だ。
「実は…」
そう切り出して、兄達に告げた内容をそのまま伝えた。
障壁の件と今後巡礼メンバーと対応しなければいけない『扉』の件だ。
魔塔の内部を一掃しようかと考えている事も告げた。
「なるほど。障壁の件はすぐさま対応が必要だな。魔塔の件もだが…オズワルド。」
「はい。」
父の護衛件専属執事筆頭だ。
スラットした美丈夫であるが、ソードマスターでもある。
「魔塔の一掃をしてもらえるか?どうもネズミが多いようだ。」
「魔塔だけではよろしいのですか?他の巣穴も掃除してきますが?」
「あぁ、頼む。あくまでネズミだけだ。そうだな…ついでにネコでも放っておいてくれるか?」
そう言いながら、クスッと笑っていた。
父が魔塔の方を片付けてくれるなら、自分達は障壁の方を重点的に対応したらいいだろう。
「障壁の方は任せよう。好きなモノを使えば良い。だが、気をつけるんだよ。」
「はい、ありがとうございます。」
「ふふっ…で、君の愛しいものは、私の娘になる者にはいつ会わせてもらえるんだい?」
「私達も紹介はされてませんね。」
「そうだな。巡礼メンバーと聖女様としての紹介はあったが、愛しい者としての紹介はまだだったな。」
そう言いながら、兄達は茶化してきた。
こうなると、もう適当に相手をするしかない。
少し行儀が悪いが、お茶を啜るように飲みながら、応じていった。
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