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扉
障壁の向こう(エドワード)
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「エドワード、呼んだか?」
そう言いながら、兄二人が入って来た。
「兄上、お久しぶりでございます。」
「オイオイ、俺にそんな態度はやめてくれ。」
「そうですよ。私達は兄ではありますが、貴方の臣下。継承権を破棄したいのに、ホントさせてくれないんですからね。困った弟ですよね。皇太子殿下。」
そう言って笑いながら入って来たのは、側室の子であり、兄のオーリスと同母腹。正室の子である兄のキャラハンだ。
この国では、魔人族が皇帝の座につくことになっている。それ以外は、とりあえずの継承権を得るが、皇帝の座にはつけない決まりだ。
とりあえずの継承権。そう、もし皇帝不在時、継承権を持っている者の子が魔人族であれば、その者に移行するという、少し特殊なモノだった。
兄二人。第一皇子であるキャラハンはヒト族。第二皇子であるオーリスは竜人族だ。
そして、第三皇子である自分が魔人族。
よって、自分が皇太子の座を配していた。
これは知っているものは知っているが、この国独自のシステムであるからと、他国にはあえて知らしめていなかった。
「で、どうだった?浄化巡礼の旅は。各国も回って知識も得ただろうしな。大変だったとは思うが。」
そう言って、楽しそうにわざと話す兄達は、相変わらずだ。
個々で情報を掴んでいるだろうに。
「あぁ、聖女、サヤカ様と神殿に赴いた。その事は兄上達もご存知だろう?」
「あぁ、知っている。」
「確か、異世界から来た、お前の番だろう?」
「うっ…ん、まぁそうなんだが…」
「可愛いね。こんな弟の表情が見れるなんて。兄としては嬉しいよ。」
「そうだな。いつもスマしてるくせにな。」
兄二人が揶揄ってきた。
この二人は昔からこう、弟である自分をかまいたくて仕方ないようだ。
嬉しいことではあるが、今はそんな話ではなくて…
「すまない。兄上達。今はその話ではなくてだ。」
そう言うと、二人の表情がガラッと変わる。
「神から啓示がでも授かったか?」
「あぁ、そうだ。実は…」
立ったままでの話ではないからと、椅子に座ってもらい、侍従に茶の準備をさせて下がらせた。
この室内。自分の執務室には当然、多重の結界を張り巡らせているから、情報が漏れる事はない。
テーブルに置かれたカップを手に取り、一口飲んでから、啓示された内容を伝えて行く。
聞く側の兄達の表情が険しくなるが、それは仕方ない事だ。
一通り話した後、先ほど得た情報も兄達に話し、この後、父である皇帝に謁見する事を伝え、同席を願った。
兄二人は『命じれば良い』と言ってくださるが、今はまだ…
「相変わらずだな。わかった。じゃ早速伝令を出すか。」
キャラハンが侍従を呼び、直様謁見に向かう事を告げさせた。
そして、オーリスは
「俺は軍を動かせれるように指示出しとくか」
そう言って、副官に伝達転送魔法陣を作動させた。
「でも厄介だな。もうこの際、魔塔を一掃するか?」
「そうだな…どこまでできるか分からんがな。」
「この国に紛れ込んでいるモノ達と接触している可能性が大きいか…」
「神は障壁が壊れかけていると言っていた。その可能性が大いにあるだろう。」
「あ~~~~っ、相変わらず小賢しい奴らめ!!」
オーリスが頭をガシガシと描いた。
「魔塔の者も、全てがバカではないのですがね。困ったもんだ。」
のんびりと茶を飲んでキャラハンが答えた。
「おっと、返事が来ましたか。では行きましょう。」
スタット立ち上がり、三人揃って父、皇帝の執務室に向かう。
兄二人が協力してくれるのだ。
大丈夫だろう…
そう言いながら、兄二人が入って来た。
「兄上、お久しぶりでございます。」
「オイオイ、俺にそんな態度はやめてくれ。」
「そうですよ。私達は兄ではありますが、貴方の臣下。継承権を破棄したいのに、ホントさせてくれないんですからね。困った弟ですよね。皇太子殿下。」
そう言って笑いながら入って来たのは、側室の子であり、兄のオーリスと同母腹。正室の子である兄のキャラハンだ。
この国では、魔人族が皇帝の座につくことになっている。それ以外は、とりあえずの継承権を得るが、皇帝の座にはつけない決まりだ。
とりあえずの継承権。そう、もし皇帝不在時、継承権を持っている者の子が魔人族であれば、その者に移行するという、少し特殊なモノだった。
兄二人。第一皇子であるキャラハンはヒト族。第二皇子であるオーリスは竜人族だ。
そして、第三皇子である自分が魔人族。
よって、自分が皇太子の座を配していた。
これは知っているものは知っているが、この国独自のシステムであるからと、他国にはあえて知らしめていなかった。
「で、どうだった?浄化巡礼の旅は。各国も回って知識も得ただろうしな。大変だったとは思うが。」
そう言って、楽しそうにわざと話す兄達は、相変わらずだ。
個々で情報を掴んでいるだろうに。
「あぁ、聖女、サヤカ様と神殿に赴いた。その事は兄上達もご存知だろう?」
「あぁ、知っている。」
「確か、異世界から来た、お前の番だろう?」
「うっ…ん、まぁそうなんだが…」
「可愛いね。こんな弟の表情が見れるなんて。兄としては嬉しいよ。」
「そうだな。いつもスマしてるくせにな。」
兄二人が揶揄ってきた。
この二人は昔からこう、弟である自分をかまいたくて仕方ないようだ。
嬉しいことではあるが、今はそんな話ではなくて…
「すまない。兄上達。今はその話ではなくてだ。」
そう言うと、二人の表情がガラッと変わる。
「神から啓示がでも授かったか?」
「あぁ、そうだ。実は…」
立ったままでの話ではないからと、椅子に座ってもらい、侍従に茶の準備をさせて下がらせた。
この室内。自分の執務室には当然、多重の結界を張り巡らせているから、情報が漏れる事はない。
テーブルに置かれたカップを手に取り、一口飲んでから、啓示された内容を伝えて行く。
聞く側の兄達の表情が険しくなるが、それは仕方ない事だ。
一通り話した後、先ほど得た情報も兄達に話し、この後、父である皇帝に謁見する事を伝え、同席を願った。
兄二人は『命じれば良い』と言ってくださるが、今はまだ…
「相変わらずだな。わかった。じゃ早速伝令を出すか。」
キャラハンが侍従を呼び、直様謁見に向かう事を告げさせた。
そして、オーリスは
「俺は軍を動かせれるように指示出しとくか」
そう言って、副官に伝達転送魔法陣を作動させた。
「でも厄介だな。もうこの際、魔塔を一掃するか?」
「そうだな…どこまでできるか分からんがな。」
「この国に紛れ込んでいるモノ達と接触している可能性が大きいか…」
「神は障壁が壊れかけていると言っていた。その可能性が大いにあるだろう。」
「あ~~~~っ、相変わらず小賢しい奴らめ!!」
オーリスが頭をガシガシと描いた。
「魔塔の者も、全てがバカではないのですがね。困ったもんだ。」
のんびりと茶を飲んでキャラハンが答えた。
「おっと、返事が来ましたか。では行きましょう。」
スタット立ち上がり、三人揃って父、皇帝の執務室に向かう。
兄二人が協力してくれるのだ。
大丈夫だろう…
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