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扉
障壁の向こう
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神殿を後にして、急いで戻る。
何事もなけれだ、ほんのひと時、観光を楽しめたのであろうが、そういうわけにはいかない事態となった。
神から教えられた北障壁。
この大陸とは別の海を隔ててある北に位置した場所にある障壁が壊れかけているという事実。
向こう側には、古の魔族が住んでいるとされていた。
太古の昔にあったとされる古代文明。
古代文明が消えたのは、あらゆる負の感情が溜まりに溜まり、結果、瘴気が増えた事が原因とされている。
その瘴気が多く拡大し、凶暴な魔獣が増えたとか。
そう、魔獣が増えたんだ。
魔獣は基本、本能に従う存在ゆえ、コントロールが難しい。が、知恵を有する魔獣が現れ、それを使役する魔族が現れた。さらに悪魔を信仰した。
知恵を有する魔獣。それが、ヒト族や他の種族と交わり出来た種族が魔族。
そんな事が…
考えにくいこととは思ったけれど、あの時、神々が教えてくださった情報の一部にそれがあった。
交流から交わったのではほぼ無い。
国を、村を襲った時に略奪し、子孫を増やすために…一部は人の…そう、魔人の国を作り上げ、さらなる被害や悲劇を起こさないようにしていたようだが…無理やり出来てしまった異形の者達は、蔑まれ、排除されていく。
そして、負の感情に、憎悪の感情に呑まれた者たちが魔族だった。
なら、神々を恨みこそすれ、信仰には及ばなかったのであろう。
わずかな溝から異世界と繋がり、異世界からの破壊を司るモノと繋がった。
それを引き金に、悪魔が世界の扉からやって来た。
混沌の時代だ…
これが事実だなんて、何ともいえない…
破壊を司る神の僕が『悪魔』。
この世界は『光と闇」の神が作った世界であったが、その『悪魔』により滅亡に向かってしまった。
『悪魔』は、今は北の大陸。障壁で隔たれている地にいる魔族を率いていた。
人々は神に祈り、現れたのが『聖女』であった。
神の代行者である『聖女』の力により、瘴気を抑え、『悪魔』の力が抑えられたことにより、扉の向こうに押し返す事が出来たとか…
今、私と妹がこの神の代行者をこの地に、この世界に呼ぶために迎えられた。
そして、過去のこの大陸の住民と魔獣の混血であり、進化した種族である魔族。これらをどう抑え込めというのか…
何で障壁に亀裂なんて入るのよ!!
そんな事を考えながら馬車に揺られて、気がつけば城内にある車輪止めに到着した。
エドワードに促されて降りる。
「私は急ぎ父、皇帝に報告してくる。軍備の必要もある。情報も集める。君は…うん、少し休め。顔色が悪い。」
そう言って、部屋まで送り届けてくれた。
「側についていたいが…これを…」
そう言って彼が指に嵌めていた指輪を外すと、私の指に嵌めて来た。
私の左手の…薬指。
ぶかぶかだった指輪が嵌められたと同時に私の指にフィットして、違和感がない。
「これは私の魔力を込めている特別なモノだ。持っていて欲しい。(永遠に…)」
温かい魔力を感じる。
少し不安が拭われた感じがするのは何故だろうか…不思議だ。
というか、この指に嵌めるって…
この世界の人が、私たちの世界での常識をどこまで知っているのか知らないけれども……
「じゃ、行ってくる。」
そう言って、両頬にキスを贈られて、ぎゅっと抱きしめた後、去っていった。
扉の側で、ヘニョヘニョに身体の力が抜けて崩れ落ちる。
「だっ、大丈夫ですか??」
慌てたエレンに何とか支えられて、部屋に入ったのは言うまでもなかった。
何事もなけれだ、ほんのひと時、観光を楽しめたのであろうが、そういうわけにはいかない事態となった。
神から教えられた北障壁。
この大陸とは別の海を隔ててある北に位置した場所にある障壁が壊れかけているという事実。
向こう側には、古の魔族が住んでいるとされていた。
太古の昔にあったとされる古代文明。
古代文明が消えたのは、あらゆる負の感情が溜まりに溜まり、結果、瘴気が増えた事が原因とされている。
その瘴気が多く拡大し、凶暴な魔獣が増えたとか。
そう、魔獣が増えたんだ。
魔獣は基本、本能に従う存在ゆえ、コントロールが難しい。が、知恵を有する魔獣が現れ、それを使役する魔族が現れた。さらに悪魔を信仰した。
知恵を有する魔獣。それが、ヒト族や他の種族と交わり出来た種族が魔族。
そんな事が…
考えにくいこととは思ったけれど、あの時、神々が教えてくださった情報の一部にそれがあった。
交流から交わったのではほぼ無い。
国を、村を襲った時に略奪し、子孫を増やすために…一部は人の…そう、魔人の国を作り上げ、さらなる被害や悲劇を起こさないようにしていたようだが…無理やり出来てしまった異形の者達は、蔑まれ、排除されていく。
そして、負の感情に、憎悪の感情に呑まれた者たちが魔族だった。
なら、神々を恨みこそすれ、信仰には及ばなかったのであろう。
わずかな溝から異世界と繋がり、異世界からの破壊を司るモノと繋がった。
それを引き金に、悪魔が世界の扉からやって来た。
混沌の時代だ…
これが事実だなんて、何ともいえない…
破壊を司る神の僕が『悪魔』。
この世界は『光と闇」の神が作った世界であったが、その『悪魔』により滅亡に向かってしまった。
『悪魔』は、今は北の大陸。障壁で隔たれている地にいる魔族を率いていた。
人々は神に祈り、現れたのが『聖女』であった。
神の代行者である『聖女』の力により、瘴気を抑え、『悪魔』の力が抑えられたことにより、扉の向こうに押し返す事が出来たとか…
今、私と妹がこの神の代行者をこの地に、この世界に呼ぶために迎えられた。
そして、過去のこの大陸の住民と魔獣の混血であり、進化した種族である魔族。これらをどう抑え込めというのか…
何で障壁に亀裂なんて入るのよ!!
そんな事を考えながら馬車に揺られて、気がつけば城内にある車輪止めに到着した。
エドワードに促されて降りる。
「私は急ぎ父、皇帝に報告してくる。軍備の必要もある。情報も集める。君は…うん、少し休め。顔色が悪い。」
そう言って、部屋まで送り届けてくれた。
「側についていたいが…これを…」
そう言って彼が指に嵌めていた指輪を外すと、私の指に嵌めて来た。
私の左手の…薬指。
ぶかぶかだった指輪が嵌められたと同時に私の指にフィットして、違和感がない。
「これは私の魔力を込めている特別なモノだ。持っていて欲しい。(永遠に…)」
温かい魔力を感じる。
少し不安が拭われた感じがするのは何故だろうか…不思議だ。
というか、この指に嵌めるって…
この世界の人が、私たちの世界での常識をどこまで知っているのか知らないけれども……
「じゃ、行ってくる。」
そう言って、両頬にキスを贈られて、ぎゅっと抱きしめた後、去っていった。
扉の側で、ヘニョヘニョに身体の力が抜けて崩れ落ちる。
「だっ、大丈夫ですか??」
慌てたエレンに何とか支えられて、部屋に入ったのは言うまでもなかった。
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