86 / 193
聖女巡礼の旅
聖地巡礼
しおりを挟む
またあの時見た感じで、あたり一面が真っ白な靄にかかる。
そうかと思えば…今度は緑豊かな草原へと変化した。
空には白い雲が、風で流れていくのが分かる。
『ようこそ。私達の世界に訪れし者。この世界を救ってくれる者よ。そして、その者を愛し守りし者よ。』
『ここまでよくぞ頑張ってくれた。感謝する。そして会いたかったぞ。』
初めに声をかけて来た?のは女性の方。後からは男性の姿だ。
それよりも…
ぽんと肩を叩かれて振り向くと、そこにはエドワードの姿があった。
彼自身も驚いているようだが、今回は同調ではなく、二人で呼ばれたようだ。
この二人の神の声は、相変わらず頭の中で声が聞こえてくる感じで、不思議に思う。
目の前に姿が見えるのだから、普通に話せば良いと思うのに…
『我らは、この世界を創造した二神と呼ばれる者だ。』
そう言って、目の前に現れた神は、改めて自分達を光と闇の二神だと伝えてきた。
黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神だと言い、銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神だと伝えてきた。
光の神は自身をリーミエと名乗り、闇の神はカーミエと名乗った。
自分達には性別は無いが、この国ではこの姿で姿を現せたから、今回もと話してくれた。
『この地まで、よくぞ頑張りましたね。』
『ここでは奴の妨害はできないからな。で、どうした?』
「神は尊大であるけれど、物忘れが激しいのか?浄化が全て終わっていないから、詳しい話はしないと?」
エドワードが卑屈を呟いた。
本来なら罰当たりだと思うけれど…
『うむ。なかなか良いな…』
良いんかい!?
不敬、許される?
『クククッ、この程度では怒りませんよ。大丈夫。この世界の事は、過去の聖女達から伝え聞いた通りです。そして、今回二人をこの場に呼んだのは………』
そう言うと、一部空間が剥ぎ取られるように変わった。
そう、あの忌々しい扉の映像が浮かび上がる。
『あれは、異界に通じる物だ。後数日で開かれるでしょう。』
『北の地に閉じ込めるための障壁に亀裂ができ始めているからだ。アレらは我らを崇めていない。アレらの一部は知性を持ち、異世界と繋がりを持っている。今度こそ奴がこの地に降りようとするだろう…』
「奴とは何だ。悪魔と呼ばれるモノでは無いのか?それに、北の障壁が壊れると?」
エドワードの表情が硬い。
『奴は、全てにおいての破壊を喜びにするもの。世界を渡り歩くものであり、神でもある。我らを生みし者。全ての神を生み出し、創成と発展をそれぞれの神が空間を作り上げ、世界を創り上げたし、現在も創り続けているが、それだけではいけないからな…破壊し続けるモノもまたある。これは、我ら神の試練とも言えるのかもしれん。ここだけの話だがな。』
それって、作りっぱなしはダメだから、あえて壊す係の神様がいるって事?
そんなのアリ??
『それが、あるのですよね…考えて壊されるなら、嫌ですけどまだ良いのですが、興味本位で壊されたり、目についたからって…。全ての破壊を司るモノがそうではないのですがね…本当に、奴は!!』
ハンカチみたいなのを取り出して噛んでいるよ。
もう、キィーっという感じで女神様が。
銀色の髪にオパールの瞳の神、闇の神カーミエ様だ。
闇は安寧。癒しや休息。慈悲深い神なのだろう。
『今回、この世界に来そうなのは、単純に破壊を楽しむ方と、面倒な奴だ。だから、止めて欲しい。』
「止めて欲しいって言われても、どうやって?」
黄金の髪にオパールの様な瞳の神である光の神、リーミエ様が近づいて来て、私達の頭の上に手を乗せられた。
うん、背が高い。体格も良いね…
頭の中に映像が浮かぶ。
とんでもない情報量が流れ込んできた。
これをやって欲しいって??
「もしかして、このために妹まで巻き込んだの!!」
思わず胸ぐらを掴みそうになる。出来なかったけど。
それぐらい、何ともいえない気分になった。
『すまないね。他にも…まぁ、方法がない事はないが、彼には内緒だ。これは君だけに。』
そう頭の中に声が響き、もう一つの…
こんな…
『決めるのは君だ。彼は君のために全力を尽くすだろう。だが、時間も余りない。』
そう言って、何ともいえない笑顔を送られた。
『自分達は手助けはある程度ならできるが、基本干渉してはならないとされている。だから、頼んだよ。』
そう言われて、どんどんと空間から遠ざかり…
ふっと意識が戻る。
「大丈夫か?」
ぐらっと身体が前に倒れそうになるのをエドワードが支えてくれたようだ。
これが、神からの…
「エドワード…」
「あぁ、急ごう。」
そう言って、二人でその場を後にし、急ぎ城に戻ってメンバーと会議を行うことにした。
そうかと思えば…今度は緑豊かな草原へと変化した。
空には白い雲が、風で流れていくのが分かる。
『ようこそ。私達の世界に訪れし者。この世界を救ってくれる者よ。そして、その者を愛し守りし者よ。』
『ここまでよくぞ頑張ってくれた。感謝する。そして会いたかったぞ。』
初めに声をかけて来た?のは女性の方。後からは男性の姿だ。
それよりも…
ぽんと肩を叩かれて振り向くと、そこにはエドワードの姿があった。
彼自身も驚いているようだが、今回は同調ではなく、二人で呼ばれたようだ。
この二人の神の声は、相変わらず頭の中で声が聞こえてくる感じで、不思議に思う。
目の前に姿が見えるのだから、普通に話せば良いと思うのに…
『我らは、この世界を創造した二神と呼ばれる者だ。』
そう言って、目の前に現れた神は、改めて自分達を光と闇の二神だと伝えてきた。
黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神だと言い、銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神だと伝えてきた。
光の神は自身をリーミエと名乗り、闇の神はカーミエと名乗った。
自分達には性別は無いが、この国ではこの姿で姿を現せたから、今回もと話してくれた。
『この地まで、よくぞ頑張りましたね。』
『ここでは奴の妨害はできないからな。で、どうした?』
「神は尊大であるけれど、物忘れが激しいのか?浄化が全て終わっていないから、詳しい話はしないと?」
エドワードが卑屈を呟いた。
本来なら罰当たりだと思うけれど…
『うむ。なかなか良いな…』
良いんかい!?
不敬、許される?
『クククッ、この程度では怒りませんよ。大丈夫。この世界の事は、過去の聖女達から伝え聞いた通りです。そして、今回二人をこの場に呼んだのは………』
そう言うと、一部空間が剥ぎ取られるように変わった。
そう、あの忌々しい扉の映像が浮かび上がる。
『あれは、異界に通じる物だ。後数日で開かれるでしょう。』
『北の地に閉じ込めるための障壁に亀裂ができ始めているからだ。アレらは我らを崇めていない。アレらの一部は知性を持ち、異世界と繋がりを持っている。今度こそ奴がこの地に降りようとするだろう…』
「奴とは何だ。悪魔と呼ばれるモノでは無いのか?それに、北の障壁が壊れると?」
エドワードの表情が硬い。
『奴は、全てにおいての破壊を喜びにするもの。世界を渡り歩くものであり、神でもある。我らを生みし者。全ての神を生み出し、創成と発展をそれぞれの神が空間を作り上げ、世界を創り上げたし、現在も創り続けているが、それだけではいけないからな…破壊し続けるモノもまたある。これは、我ら神の試練とも言えるのかもしれん。ここだけの話だがな。』
それって、作りっぱなしはダメだから、あえて壊す係の神様がいるって事?
そんなのアリ??
『それが、あるのですよね…考えて壊されるなら、嫌ですけどまだ良いのですが、興味本位で壊されたり、目についたからって…。全ての破壊を司るモノがそうではないのですがね…本当に、奴は!!』
ハンカチみたいなのを取り出して噛んでいるよ。
もう、キィーっという感じで女神様が。
銀色の髪にオパールの瞳の神、闇の神カーミエ様だ。
闇は安寧。癒しや休息。慈悲深い神なのだろう。
『今回、この世界に来そうなのは、単純に破壊を楽しむ方と、面倒な奴だ。だから、止めて欲しい。』
「止めて欲しいって言われても、どうやって?」
黄金の髪にオパールの様な瞳の神である光の神、リーミエ様が近づいて来て、私達の頭の上に手を乗せられた。
うん、背が高い。体格も良いね…
頭の中に映像が浮かぶ。
とんでもない情報量が流れ込んできた。
これをやって欲しいって??
「もしかして、このために妹まで巻き込んだの!!」
思わず胸ぐらを掴みそうになる。出来なかったけど。
それぐらい、何ともいえない気分になった。
『すまないね。他にも…まぁ、方法がない事はないが、彼には内緒だ。これは君だけに。』
そう頭の中に声が響き、もう一つの…
こんな…
『決めるのは君だ。彼は君のために全力を尽くすだろう。だが、時間も余りない。』
そう言って、何ともいえない笑顔を送られた。
『自分達は手助けはある程度ならできるが、基本干渉してはならないとされている。だから、頼んだよ。』
そう言われて、どんどんと空間から遠ざかり…
ふっと意識が戻る。
「大丈夫か?」
ぐらっと身体が前に倒れそうになるのをエドワードが支えてくれたようだ。
これが、神からの…
「エドワード…」
「あぁ、急ごう。」
そう言って、二人でその場を後にし、急ぎ城に戻ってメンバーと会議を行うことにした。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる