異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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聖女巡礼の旅

聖地巡礼

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またあの時見た感じで、あたり一面が真っ白な靄にかかる。
そうかと思えば…今度は緑豊かな草原へと変化した。
空には白い雲が、風で流れていくのが分かる。

『ようこそ。私達の世界に訪れし者。この世界を救ってくれる者よ。そして、その者を愛し守りし者よ。』
『ここまでよくぞ頑張ってくれた。感謝する。そして会いたかったぞ。』

初めに声をかけて来た?のは女性の方。後からは男性の姿だ。
それよりも…

ぽんと肩を叩かれて振り向くと、そこにはエドワードの姿があった。
彼自身も驚いているようだが、今回は同調ではなく、二人で呼ばれたようだ。

この二人の神の声は、相変わらず頭の中で声が聞こえてくる感じで、不思議に思う。
目の前に姿が見えるのだから、普通に話せば良いと思うのに…

『我らは、この世界を創造した二神と呼ばれる者だ。』

そう言って、目の前に現れた神は、改めて自分達を光と闇の二神だと伝えてきた。
黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神だと言い、銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神だと伝えてきた。
光の神は自身をリーミエと名乗り、闇の神はカーミエと名乗った。
自分達には性別は無いが、この国ではこの姿で姿を現せたから、今回もと話してくれた。

『この地まで、よくぞ頑張りましたね。』
『ここでは奴の妨害はできないからな。で、どうした?』


「神は尊大であるけれど、物忘れが激しいのか?浄化が全て終わっていないから、詳しい話はしないと?」

エドワードが卑屈を呟いた。
本来なら罰当たりだと思うけれど…

『うむ。なかなか良いな…』

良いんかい!?
不敬、許される?

『クククッ、この程度では怒りませんよ。大丈夫。この世界の事は、過去の聖女達から伝え聞いた通りです。そして、今回二人をこの場に呼んだのは………』

そう言うと、一部空間が剥ぎ取られるように変わった。
そう、あの忌々しい扉の映像が浮かび上がる。

『あれは、異界に通じる物だ。後数日で開かれるでしょう。』
『北の地に閉じ込めるための障壁に亀裂ができ始めているからだ。アレらは我らを崇めていない。アレらの一部は知性を持ち、異世界と繋がりを持っている。今度こそ奴がこの地に降りようとするだろう…』

「奴とは何だ。悪魔と呼ばれるモノでは無いのか?それに、北の障壁が壊れると?」

エドワードの表情が硬い。

『奴は、全てにおいての破壊を喜びにするもの。世界を渡り歩くものであり、神でもある。我らを生みし者。全ての神を生み出し、創成と発展をそれぞれの神が空間を作り上げ、世界を創り上げたし、現在も創り続けているが、それだけではいけないからな…破壊し続けるモノもまたある。これは、我ら神の試練とも言えるのかもしれん。ここだけの話だがな。』

それって、作りっぱなしはダメだから、あえて壊す係の神様がいるって事?
そんなのアリ??

『それが、あるのですよね…考えて壊されるなら、嫌ですけどまだ良いのですが、興味本位で壊されたり、目についたからって…。全ての破壊を司るモノがそうではないのですがね…本当に、奴は!!』

ハンカチみたいなのを取り出して噛んでいるよ。
もう、キィーっという感じで女神様が。
銀色の髪にオパールの瞳の神、闇の神カーミエ様だ。
闇は安寧。癒しや休息。慈悲深い神なのだろう。

『今回、この世界に来そうなのは、単純に破壊を楽しむ方と、面倒な奴だ。だから、止めて欲しい。』

「止めて欲しいって言われても、どうやって?」

黄金の髪にオパールの様な瞳の神である光の神、リーミエ様が近づいて来て、私達の頭の上に手を乗せられた。
うん、背が高い。体格も良いね…

頭の中に映像が浮かぶ。
とんでもない情報量が流れ込んできた。
これをやって欲しいって??

「もしかして、このために妹まで巻き込んだの!!」

思わず胸ぐらを掴みそうになる。出来なかったけど。
それぐらい、何ともいえない気分になった。

『すまないね。他にも…まぁ、方法がない事はないが、彼には内緒だ。これは君だけに。』

そう頭の中に声が響き、もう一つの…

こんな…

『決めるのは君だ。彼は君のために全力を尽くすだろう。だが、時間も余りない。』

そう言って、何ともいえない笑顔を送られた。

『自分達は手助けはある程度ならできるが、基本干渉してはならないとされている。だから、頼んだよ。』

そう言われて、どんどんと空間から遠ざかり…
ふっと意識が戻る。


「大丈夫か?」

ぐらっと身体が前に倒れそうになるのをエドワードが支えてくれたようだ。
これが、神からの…

「エドワード…」
「あぁ、急ごう。」

そう言って、二人でその場を後にし、急ぎ城に戻ってメンバーと会議を行うことにした。
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