76 / 138
聖女巡礼の旅
聖女巡礼(エドワード)
しおりを挟む『妖精の国』オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下の申し出もあり、一度ロザリアン神聖国内に入ることになった。
そう、シュタルク領にだ。
サヤカの妹であるユウリが滞在している領地。
妹に会いたがっていたから、これを機に一度会わせてやりたいと思っていたからちょうど良い。
きっと喜んでくれるだろうが…懸念もある。
妹の色を変えてしまっていると言う事実。
ただ色を変えただけと言われればそうなのだが、それだけでも印象はかなり変わり、別人に見えてしまう事もある。
二人の共通の色を奪ってしまったのは、自分が作った物だ。
相手が必要としたから渡した物。
結果的には身の安全の為に必要と使われたのだが…
今更どう言い訳しても仕方がない。
シュタルク領には、今後のことを考えてのポーションの補充と随行者の体調管理目的だ。
それなら特に問題にはならないだろう。
声をかけてきたあのエルデガルド殿下の目的は、密かに調べ上げていた。
あの者も調べられても特に困る事もない事だったらしく、思ったよりもスムーズに調べることができた。
あの切れ者の男の事だ。隠そうと思えば隠しとうす事も十分出来ただろう。
まぁ、対象者とその周りには、わからないようにはしていたが…
この世界では、『番』と言うものが種族によってはある。
それは必ずしも同種族間だけでなく、他種族の場合もあるのだが…
昔は『運命の番』でなければ婚姻や子孫を作る事もできにくかったようだが、現在は魔法技術も発展して、『番』になる事は容易にもなってきた。
詳しくは省く。
自国内であれば番を見つける事は容易い。だが、他国にその存在がいる場合、分かりずらい。
今回の殿下の場合は他国の者であり、その者がたまたま自国の側に来た事。そう、国境近くにお互いが来ており、聖女の浄化によって『そこにいる』と感知したんだ。
相手は『番』と言う者に関して鈍い『ヒト族』。
直ぐに手を回して囲い込み、捕まえる目的だと理解した。
国同士の利害の一致もあったようだしな…
掴んだ情報からも、私的にもその者を捉えて、さっさと自国に連れ帰っていただきたいと大いに思った。
理由は簡単。サヤカにとって、害にしかならなかったからだ。
協力を願われたら、手助けしようとも思った。
願われるかどうかはわからないがな…
手にした情報の紙をボッと火魔法で燃やす。
移動や今後のことも考えて準備をする。
テーブルには新たに開発中の魔法具と魔法陣。
その他の道具を広げていく。
あくまで彼女のため。
彼女にお願いされた物も作らないと行けない。
どこまで詰め込めれる?
可能な限りを考えて作り出す。
ただ作るだけなら直ぐにできるが、これは特別。
「うん、なかなかいい感じだ…」
そっと出来上がった一つを目視して、触って、さらに鑑定して確認した。
予想以上の出来栄え。
「後は…」
そう言いながら、楽しみながら時間が過ぎていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
31
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる