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聖女巡礼の旅
聖地巡礼
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「それにしても、元気でよかった。その髪の色綺麗ね。瞳もだけど…うん、似合っている。」
そう言って、二人横に並んで座り直してお互いを確かめ合うようにして会話する。
妹の髪を一房とり、くるくると指に絡めては解いて遊んでみた。
髪質は変わっていない。違うのは色だけだ。
「うん、これには…」
「うん、事情はエドワードから聞いてる。この世界の諸事情らしいね。私達には関係ない話で迷惑なんだけど、それを言ってこの世界の人達に混乱をきたすのもどうかと思うから納得してるけどね…」
納得はしたけれど、気分の良いものではない。本人の了承も得ず一方的にやったのだから。了承を得たと言われても、妹から聞いた話によると、無理やりの了承だ。だじゃら認めない。でも、今更だ…取り敢えずは、綺麗だねって苦笑いした。
そう、この世界に初めて訪れたというか連れて来られて、私と引き離された。
私は『聖女』として『浄化巡礼の旅に』と言われた。
妹の体調がこの世界と合わず、療養のためにと他の地に送られたと聞いていたが、実際は妹を守るためとはいえ、『不要な存在』と強く言い、半強制的にエドワードが作った薬を飲まされる事になったんだ。
そう言う必要性があったとしても、心に大きな傷を負わされた妹。
なんとも言えなかった…
妹は、『あの時、あえて憎まれ役になったあの男性。当初は恨みもあったけど、今では理不尽と思いながらも納得して、少しは感謝もしている』とも言って微笑んでいた。
どこに妹をー狙うものが潜んでいるかわからないから、あえての態度だと教えられ、理解したのはこの領地での生活で落ち着いた時だとも…
あの時、私の魔力を奪った男と同一人物であろうと言っていた。その男が仲間と共に妹を狙っているらしく、それらの情報交換を今別エドワードとの部屋でしているのだろう。
エレンも一緒にだ。
「それにしても、今まで彼氏歴の無かったユーリに彼氏ができるなんてね。しかもこの異世界で、結構美丈夫だったよね。向こうのモデルとか、男優さんとかできそうだよね。アイドルとは少し違う感じだけど、うんカッコよかった」
「そういうサーヤだって、あの男性。凄くカッコよかったじゃない。イケメン俳優って感じで!エドワードさん、サーヤの事物凄く大切な女性って感じで見つめてたよね。サーヤも好意を持ってるんじゃないの?」
「えっ!?そっ、そんな事ないよ!うん。まぁ、いつも側にいて助けてはもらって…いるけど…」
妹の表情が可愛い。態度もなんとも言えないものがある。
まぁ、私も言われて顔が火照るのを感じているし、動揺してソワソワしてるから、お互い様だ。
妹があんな素敵な男性に大事にされて守られている。
少し寂しくもあるけれど、安心できるのも事実だ。
だって、この後数日後また私達は別れないといけない。
一緒にいたいけれど…まだ終わっていないのだ。
全てが終わったら…
妹のそばにいて、少し邪魔をしても良いかもしれない。
うん、姉の試練を受け入れさせて…
今から楽しみな気がする。
「あの思い出したくもない儀式の時に、エドワード達、今一緒に行動している巡礼メンバーが同席していたらしいの。で、神様からメンバーの印を受けたらしいのよね。聖女が浄化作業とかしていた時に、魔力不足とかになったら補充してくれたり、神の加護の能力でで護衛するためにね。ほら、『ヒト族』から他の種族の人には特に不快感なく魔力譲渡できるけど、その反対はかなりの痛みとか不快感が伴うらしいでしょ?『番』であれば大丈夫らしいんだけどね。でも、私が聖女として浄化中魔力枯渇した場合困るからって神様から期間限定で、『番』のような感じでメンバーから譲渡されやすくしてくれてるんだって。浄化が全てうまく終わればその印も消えて、譲渡も出来にくくなるらしいけどね。一般と同じになるんだって。だから、『番』かどうかはわからないと思うしね…確かにこの前とか倒れた時にメンバーからも譲渡されたらしいんだけど、特に抵抗も何も無かったんだよね。一番多く譲渡して癒してくれたのはエドワードだったけどね。」
「えっ!?倒れたの?いつ?どこで?大丈夫だったの?いゃ、今ここに元気でいるから大丈夫だと思うんだけど…」
私が浄化巡礼中に倒れた事までは話していなかったから、ものすごく驚かれ、もっと詳しくとせっつかれてしまった。
●大賢者のアルスト
●初代聖女の新崎朱莉(アカリ•シンザキ) アカリ
主人公
秋本 沙也加(サヤカ)
聖魔力保持者 聖女
双子の妹と共に転移。黒髪•黒い瞳。
妹と引き離され、妹は瘴気のかなりの影響で静養中として別の場所に連れて行ったと説明される。
※秋本 優里(ユウリ)
沙也加(サヤカ)の双子の妹。
魔力保持者
双子の姉と共に転移。黒髪•黒い瞳であったが、訳あって金色の髪•蒼瞳となる。
※フェリックス•ロザリアン
『ヒト族の国』ロザリアン神聖国 皇太子
※※巡礼同行者主メンバー※※
※『獣人の国』エステバン獣王国から、狼の獣人の騎士、オズバン・スペラルフ。
陽気な感じ。嗅覚が鋭いし、俊敏性にたけている。
※『妖精の国』オリクサ王国から、戦闘エルフのエレン・ガードナー。薬師でもあるらしい。
優しいお姉さんみたいな感じ
※『竜の国』アステード王国から、竜人族の騎士、ディオルグ・オルティーズ。
脳筋
※『魔人の国』ディール帝国から、魔人族であり、魔術師・魔導士のエドワード・ディール。
彼は、『魔人の国』ディール帝国第三皇子。
人見知りで、陰気な感じだが、かなり優しく心配性。
実際はこのメンバーで一番強い。
※『ヒト族の国』ロザリアン神聖国からヒト族の聖職者、リシャール・ロザリアン。
リシャールはフェリックスの実弟。第二皇子。
可愛い天使のような感じ。エドワード以外に可愛がられている。
実は腹黒の
※『妖精の国』オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下
エレンとは従姉妹。母親が姉妹。エレン母がエルデガルド母上の姉。
黄緑色の背中まである髪を後ろで一つによくまとめている。
エメラルドのような瞳で尖った耳のエルフ族。(戦闘エルフ)
近衛騎士団長でもあるが、副団長によく仕事を丸投げして自ら色んな問題を調べにいく。
細身のしなやかな筋肉を持つ男性。
そう言って、二人横に並んで座り直してお互いを確かめ合うようにして会話する。
妹の髪を一房とり、くるくると指に絡めては解いて遊んでみた。
髪質は変わっていない。違うのは色だけだ。
「うん、これには…」
「うん、事情はエドワードから聞いてる。この世界の諸事情らしいね。私達には関係ない話で迷惑なんだけど、それを言ってこの世界の人達に混乱をきたすのもどうかと思うから納得してるけどね…」
納得はしたけれど、気分の良いものではない。本人の了承も得ず一方的にやったのだから。了承を得たと言われても、妹から聞いた話によると、無理やりの了承だ。だじゃら認めない。でも、今更だ…取り敢えずは、綺麗だねって苦笑いした。
そう、この世界に初めて訪れたというか連れて来られて、私と引き離された。
私は『聖女』として『浄化巡礼の旅に』と言われた。
妹の体調がこの世界と合わず、療養のためにと他の地に送られたと聞いていたが、実際は妹を守るためとはいえ、『不要な存在』と強く言い、半強制的にエドワードが作った薬を飲まされる事になったんだ。
そう言う必要性があったとしても、心に大きな傷を負わされた妹。
なんとも言えなかった…
妹は、『あの時、あえて憎まれ役になったあの男性。当初は恨みもあったけど、今では理不尽と思いながらも納得して、少しは感謝もしている』とも言って微笑んでいた。
どこに妹をー狙うものが潜んでいるかわからないから、あえての態度だと教えられ、理解したのはこの領地での生活で落ち着いた時だとも…
あの時、私の魔力を奪った男と同一人物であろうと言っていた。その男が仲間と共に妹を狙っているらしく、それらの情報交換を今別エドワードとの部屋でしているのだろう。
エレンも一緒にだ。
「それにしても、今まで彼氏歴の無かったユーリに彼氏ができるなんてね。しかもこの異世界で、結構美丈夫だったよね。向こうのモデルとか、男優さんとかできそうだよね。アイドルとは少し違う感じだけど、うんカッコよかった」
「そういうサーヤだって、あの男性。凄くカッコよかったじゃない。イケメン俳優って感じで!エドワードさん、サーヤの事物凄く大切な女性って感じで見つめてたよね。サーヤも好意を持ってるんじゃないの?」
「えっ!?そっ、そんな事ないよ!うん。まぁ、いつも側にいて助けてはもらって…いるけど…」
妹の表情が可愛い。態度もなんとも言えないものがある。
まぁ、私も言われて顔が火照るのを感じているし、動揺してソワソワしてるから、お互い様だ。
妹があんな素敵な男性に大事にされて守られている。
少し寂しくもあるけれど、安心できるのも事実だ。
だって、この後数日後また私達は別れないといけない。
一緒にいたいけれど…まだ終わっていないのだ。
全てが終わったら…
妹のそばにいて、少し邪魔をしても良いかもしれない。
うん、姉の試練を受け入れさせて…
今から楽しみな気がする。
「あの思い出したくもない儀式の時に、エドワード達、今一緒に行動している巡礼メンバーが同席していたらしいの。で、神様からメンバーの印を受けたらしいのよね。聖女が浄化作業とかしていた時に、魔力不足とかになったら補充してくれたり、神の加護の能力でで護衛するためにね。ほら、『ヒト族』から他の種族の人には特に不快感なく魔力譲渡できるけど、その反対はかなりの痛みとか不快感が伴うらしいでしょ?『番』であれば大丈夫らしいんだけどね。でも、私が聖女として浄化中魔力枯渇した場合困るからって神様から期間限定で、『番』のような感じでメンバーから譲渡されやすくしてくれてるんだって。浄化が全てうまく終わればその印も消えて、譲渡も出来にくくなるらしいけどね。一般と同じになるんだって。だから、『番』かどうかはわからないと思うしね…確かにこの前とか倒れた時にメンバーからも譲渡されたらしいんだけど、特に抵抗も何も無かったんだよね。一番多く譲渡して癒してくれたのはエドワードだったけどね。」
「えっ!?倒れたの?いつ?どこで?大丈夫だったの?いゃ、今ここに元気でいるから大丈夫だと思うんだけど…」
私が浄化巡礼中に倒れた事までは話していなかったから、ものすごく驚かれ、もっと詳しくとせっつかれてしまった。
●大賢者のアルスト
●初代聖女の新崎朱莉(アカリ•シンザキ) アカリ
主人公
秋本 沙也加(サヤカ)
聖魔力保持者 聖女
双子の妹と共に転移。黒髪•黒い瞳。
妹と引き離され、妹は瘴気のかなりの影響で静養中として別の場所に連れて行ったと説明される。
※秋本 優里(ユウリ)
沙也加(サヤカ)の双子の妹。
魔力保持者
双子の姉と共に転移。黒髪•黒い瞳であったが、訳あって金色の髪•蒼瞳となる。
※フェリックス•ロザリアン
『ヒト族の国』ロザリアン神聖国 皇太子
※※巡礼同行者主メンバー※※
※『獣人の国』エステバン獣王国から、狼の獣人の騎士、オズバン・スペラルフ。
陽気な感じ。嗅覚が鋭いし、俊敏性にたけている。
※『妖精の国』オリクサ王国から、戦闘エルフのエレン・ガードナー。薬師でもあるらしい。
優しいお姉さんみたいな感じ
※『竜の国』アステード王国から、竜人族の騎士、ディオルグ・オルティーズ。
脳筋
※『魔人の国』ディール帝国から、魔人族であり、魔術師・魔導士のエドワード・ディール。
彼は、『魔人の国』ディール帝国第三皇子。
人見知りで、陰気な感じだが、かなり優しく心配性。
実際はこのメンバーで一番強い。
※『ヒト族の国』ロザリアン神聖国からヒト族の聖職者、リシャール・ロザリアン。
リシャールはフェリックスの実弟。第二皇子。
可愛い天使のような感じ。エドワード以外に可愛がられている。
実は腹黒の
※『妖精の国』オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下
エレンとは従姉妹。母親が姉妹。エレン母がエルデガルド母上の姉。
黄緑色の背中まである髪を後ろで一つによくまとめている。
エメラルドのような瞳で尖った耳のエルフ族。(戦闘エルフ)
近衛騎士団長でもあるが、副団長によく仕事を丸投げして自ら色んな問題を調べにいく。
細身のしなやかな筋肉を持つ男性。
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