異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

聖女巡礼の旅

聖地巡礼

会食に本邸に呼ばれたりもしたけれど、妹に会うことは無かった。
せっかくという事で、領内を案内されるも、すれ違いもない。

ただ、どこかにいるだろう妹の気配は何となく感じていた。

ここまで一緒にきた、『妖精の国』オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド殿下とは別行動だ。
何をしているのかはわからないけれどね。
どうも、運命の女性と無事逢えて、デートとかしている様子だ。
宿泊させてもらっている別館とはまた違う場所で今滞在させてもらっているようだ。
よって、今この屋敷に泊めていただいているのは巡礼メンバーと護衛の者達。
別邸、結構大きいのよね。
さすが領主の屋敷って感じだ。

案内されたのは庭とかも綺麗な庭園で、見かけはしなかったけれど、専属の庭師が数名いるんだろうなって感じだった。
薬草研究所に向かう道すがらの薬草園も、向こうの世界にもあったものがいくつか見掛けられた。
効能も多分よく似てるんじゃないかなって感じで。


「ここであのポーションが作られているのか…」

作られている場所を見学させてもらったけれど…あれは…

遠くで面影のある女性を見かけた。
髪と瞳の色が違う。でも…

思わず駆け寄ろうとして、ガシッと腕を掴まれた。
えっ！？って思って掴んできた相手を見ると、それはエドワード。

そっとそばに近づき、今はまだダメだと注意された。
そうだ、妹は狙われていたんだった。
あの女性は多分…いゃ、絶対に妹の優里だと確証できるけれど、あの子に危険があるのなら、今は我慢するしかない。
何故確証かって？それは、双子独特のものだと思うし、説明は難しい。
でも、間違いない。
姿が変わっても…そんな事は関係ないんだ。

「今は素知らぬフリをして。もう少ししたら大丈夫だから」

耳元でそう呟かれ、コクンと頷いてみせる。

「うっ…可愛い…」

そう呟かれたようだが、そこはスルーして、その場を一緒に後にした。