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聖女巡礼の旅
聖地巡礼
しおりを挟むエドワードと二人きり…いゃ、侍女が壁の花になっているから三人取り残された部屋。
うん、どうしようかな。
「サヤカ、オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下は何の用事でここへ?」
下が騒がしかった時に、もしかして違う場所にでもいたのだろうか?
だからそう訊いてきた?
何と答えたら良いのだろうか?素直にそのまま言った方が良いよね。
皆んなに相談して返答するとも言ったのだし、エレンさん、今いないけど、一緒に聴いていたのだからもし食い違いがあっても、訂正できるはず。
さっきまで殿下が座っていた場所にエドワードが座り、長い脚を組んでいる。
美丈夫は何でも絵になるね。さっきの殿下もそうだけど、この世界の美丈夫率半端ないね。
「サヤカ?」
うっ、そう言う目で見ないで欲しい。なんかやましい事をした気分になってしまうじゃない。してないけど…
「はぁ…………えっとね…」
そこから、さっき殿下に提案された話を全て覚えている限り話した。
ひょっとしたら間違えて聴いている可能性もあるから、エレンにも確認して欲しいと付け足して。
返事は後日。皆んなと相談してと言う事も忘れずに話した。
これ大事よね。
「そうですか…」
長い脚を組み直して考え込んでいる。
壁の話であった侍女がそっと紅茶を入れ直してくれた。
うん、流石だ。私ならそのスムーズな動きは難しい。
訓練したらできるかも?でも、どうだろう??
「シュタルク領、良いかもしれません。ついでにポーションの補充も出来ますし、気分転換も兼ねる事ができるでしょう」
「気分転換?」
「はい。あの地は魔獣被害が少ない地域の一つで自然豊かな場所です。ここも豊かではありますがね。浄化巡礼も大切ですが、時に休む事も大切です。ここで天候のため足留となっていますが、浄化対策で他の者達はピリピリしていますから、これが続くのはあまり良い結果が今後得られないでしょう。心身ともに疲弊します。ですから、私の方からも提案させてもらいましょう」
そっか。確かに時々休憩は必要だよね。
魔獣被害で、急がないといけないけれど、最終目的までに疲弊して使いものにならないのも困る。
「そうよね。じゃ、今から…」
「夕食後に集まって話しましょう。今それぞれ忙しいようなので…」
「そうなの?」
「はい」
そう言われてしまえば仕方ない。なら…
「エレンがいない間、昨日教えてもらった魔法の反復練習をしようと思っていたところなの。今時間ある?」
「わかりました。ではここでは何なので…」
ポケットから数枚の紙に言葉を乗せて飛ばしていく。
あれは伝達魔法陣の紙だ。夕食後の件を伝えているのだろう。
ハッと思ったら、場所が変わっている。
壁側にいた侍女も一瞬驚いていたが、直ぐに平然としている。
うん、プロだね…
「ここは?」
「神殿近くの騎士鍛錬上です。魔法騎士専用ですね。」
そんな場所があったの?しかも瞬間移動って、どれだけ凄いのだろうか…
「さっき訪れた場所です。訪れた場所ならある程度までなら移動可能ですから。さぁ、ここで練習しましょうか。この場所は魔法騎士が鍛錬する場所ですから、ある程度の衝撃を与えても大丈夫な構造になっています。それに追加して」
そう言いながら、器用に魔法陣がいくつか展開されていく。
いつ見ても綺麗な模様のように見えるサークルだ。
「これで大丈夫ですよ、まずはどれから行いますか?」
そう言って、促されるまま、昨日頑張ったものをいくつか行ってみた。
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