異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

文字の大きさ
上 下
46 / 193
聖女巡礼の旅

聖地巡礼

しおりを挟む

エドワードと二人きり…いゃ、侍女が壁の花になっているから三人取り残された部屋。
うん、どうしようかな。

「サヤカ、オリクサ王国王弟殿下。エルデガルド•オリクサ殿下は何の用事でここへ?」

下が騒がしかった時に、もしかして違う場所にでもいたのだろうか?
だからそう訊いてきた?
何と答えたら良いのだろうか?素直にそのまま言った方が良いよね。
皆んなに相談して返答するとも言ったのだし、エレンさん、今いないけど、一緒に聴いていたのだからもし食い違いがあっても、訂正できるはず。

さっきまで殿下が座っていた場所にエドワードが座り、長い脚を組んでいる。
美丈夫は何でも絵になるね。さっきの殿下もそうだけど、この世界の美丈夫率半端ないね。

「サヤカ?」

うっ、そう言う目で見ないで欲しい。なんかやましい事をした気分になってしまうじゃない。してないけど…

「はぁ…………えっとね…」

そこから、さっき殿下に提案された話を全て覚えている限り話した。
ひょっとしたら間違えて聴いている可能性もあるから、エレンにも確認して欲しいと付け足して。
返事は後日。皆んなと相談してと言う事も忘れずに話した。
これ大事よね。

「そうですか…」

長い脚を組み直して考え込んでいる。
壁の話であった侍女がそっと紅茶を入れ直してくれた。
うん、流石だ。私ならそのスムーズな動きは難しい。
訓練したらできるかも?でも、どうだろう??

「シュタルク領、良いかもしれません。ついでにポーションの補充も出来ますし、気分転換も兼ねる事ができるでしょう」
「気分転換?」
「はい。あの地は魔獣被害が少ない地域の一つで自然豊かな場所です。ここも豊かではありますがね。浄化巡礼も大切ですが、時に休む事も大切です。ここで天候のため足留となっていますが、浄化対策で他の者達はピリピリしていますから、これが続くのはあまり良い結果が今後得られないでしょう。心身ともに疲弊します。ですから、私の方からも提案させてもらいましょう」

そっか。確かに時々休憩は必要だよね。
魔獣被害で、急がないといけないけれど、最終目的までに疲弊して使いものにならないのも困る。

「そうよね。じゃ、今から…」
「夕食後に集まって話しましょう。今それぞれ忙しいようなので…」
「そうなの?」
「はい」

そう言われてしまえば仕方ない。なら…

「エレンがいない間、昨日教えてもらった魔法の反復練習をしようと思っていたところなの。今時間ある?」
「わかりました。ではここでは何なので…」

ポケットから数枚の紙に言葉を乗せて飛ばしていく。
あれは伝達魔法陣の紙だ。夕食後の件を伝えているのだろう。

ハッと思ったら、場所が変わっている。
壁側にいた侍女も一瞬驚いていたが、直ぐに平然としている。
うん、プロだね…

「ここは?」
「神殿近くの騎士鍛錬上です。魔法騎士専用ですね。」

そんな場所があったの?しかも瞬間移動って、どれだけ凄いのだろうか…

「さっき訪れた場所です。訪れた場所ならある程度までなら移動可能ですから。さぁ、ここで練習しましょうか。この場所は魔法騎士が鍛錬する場所ですから、ある程度の衝撃を与えても大丈夫な構造になっています。それに追加して」

そう言いながら、器用に魔法陣がいくつか展開されていく。
いつ見ても綺麗な模様のように見えるサークルだ。

「これで大丈夫ですよ、まずはどれから行いますか?」

そう言って、促されるまま、昨日頑張ったものをいくつか行ってみた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...