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聖女巡礼の旅
聖女巡礼(エドワード)
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この国、オリクサ王国オーレリアン領とロザリアン神聖国シュタルク領の堺の山脈。
オーレリアン側の森の中に発生した魔力溜まりを、今日出発して浄化させる予定であったが、残念ながら朝から雨。
それも結構な土砂降りだった。
これでは現地に向かうのは困難だ。
足元が抜かるんで歩きにくい事もある。それ以外にも、本来の魔物や魔獣は雨の中は行動しない。が、魔力溜まりの影響で凶暴化している者達は、天候など関係なしに動き回る。
結界のおかげで森から出て来ていないが、もし遭遇したら厄介だ。
浄化出来る聖女である彼女の体力も持たないだろうし…
それらを踏まえて、雨が上がり、地盤が少し安定してからと決まった。
彼女の事が気がかりで、部屋を訪れるため廊下を歩く。廊下の窓に、どんよりとした黒雲と叩きつける様な雨の様子が見えた。雨具を使用して巡回を行なっている騎士達以外は、室内でできる鍛錬をしたり、防具や剣などの手入れをしていた。
「あの山脈の向こうがシュタルク領か。可能であれば会わせてあげたいが、その望みは叶わないだろう…」
彼女が倒れた時に飲ませたポーションは、シュタルク領で彼女の妹が作った物。
あの山脈のおかげか、それとも向こう側の結界のおかげかで、向こうはまだ瘴気問題が酷くないらしい。
今後の事も考えて、仲間と共にポーションの制作や開発。薬草研究。薬の制作及び開発を頑張っているらしい。
あのポーションはものすごく彼女に良く馴染んだ。
効果が格段と良かったのもあるけれど、優しいくて、包み込んでくれる感じだとも言っていた。
彼女の妹の性質かもしれない。優しい女性なのだろう。
その女性に密かに近づいている危険な影。その状況下で会わせたら、私の愛しい人は…
想像できるだけ、今は伝える事も、会わせてあげる事もできない。
こんなに近くにいるのにな…
彼女には例の騎士がついている。
かなりの実力者だと聞いている。誰が付けたのか『氷結の騎士』と言う異名も持っていた。
魔力属性は多岐にわたるも、氷魔法を最も得意とするからとも言われているし、人付き合いの対応がとも言われている。会ってみたい男の一人ではあるが…
竜人族のその男は、一人で凶暴な魔獣を叩きのめした。
実に興味深い。
そんな事を考えていたから、気がつけば彼女の部屋の前についた。
彼女の気配を感じてホッとする。
ノックをするも…返答がない。
エレンの気配はない。
気になり、ドアを開けて中に入る。
ソファーに腰掛けているのを見つけてホッとするが、何か心配事でもあるのか表情が暗い。
ぼーっと外を眺めているような…
消えてしまいそうな…
「どうした?」
声をかけながら、アイテムボックスから飲み物が入っているカップを二つ取り出す。
彼女に取り出しているのは見られていないから、わざわざ持って来たと思われたようだ。
カップから湯気が立っている。
「はい」
そう言って、カップを渡した。
甘い物が良いだろうと、ココアにしたのだ。
この世界に過去の聖女が好んで飲んでいた物で、女性に人気の飲み物だ。
ココアだけでは甘味が無いため、マシュと言う白くてふわふわした甘い物を入れた物だ。
マシュを見て、過去の聖女が『マシュマロが入っているココアだ』と喜んだとか。
一口飲んだ彼女の表情が綻び安心する。
私は甘い物が少し苦手だから、別の物だが、彼女の表情を見ながら同じように口にした。
オーレリアン側の森の中に発生した魔力溜まりを、今日出発して浄化させる予定であったが、残念ながら朝から雨。
それも結構な土砂降りだった。
これでは現地に向かうのは困難だ。
足元が抜かるんで歩きにくい事もある。それ以外にも、本来の魔物や魔獣は雨の中は行動しない。が、魔力溜まりの影響で凶暴化している者達は、天候など関係なしに動き回る。
結界のおかげで森から出て来ていないが、もし遭遇したら厄介だ。
浄化出来る聖女である彼女の体力も持たないだろうし…
それらを踏まえて、雨が上がり、地盤が少し安定してからと決まった。
彼女の事が気がかりで、部屋を訪れるため廊下を歩く。廊下の窓に、どんよりとした黒雲と叩きつける様な雨の様子が見えた。雨具を使用して巡回を行なっている騎士達以外は、室内でできる鍛錬をしたり、防具や剣などの手入れをしていた。
「あの山脈の向こうがシュタルク領か。可能であれば会わせてあげたいが、その望みは叶わないだろう…」
彼女が倒れた時に飲ませたポーションは、シュタルク領で彼女の妹が作った物。
あの山脈のおかげか、それとも向こう側の結界のおかげかで、向こうはまだ瘴気問題が酷くないらしい。
今後の事も考えて、仲間と共にポーションの制作や開発。薬草研究。薬の制作及び開発を頑張っているらしい。
あのポーションはものすごく彼女に良く馴染んだ。
効果が格段と良かったのもあるけれど、優しいくて、包み込んでくれる感じだとも言っていた。
彼女の妹の性質かもしれない。優しい女性なのだろう。
その女性に密かに近づいている危険な影。その状況下で会わせたら、私の愛しい人は…
想像できるだけ、今は伝える事も、会わせてあげる事もできない。
こんなに近くにいるのにな…
彼女には例の騎士がついている。
かなりの実力者だと聞いている。誰が付けたのか『氷結の騎士』と言う異名も持っていた。
魔力属性は多岐にわたるも、氷魔法を最も得意とするからとも言われているし、人付き合いの対応がとも言われている。会ってみたい男の一人ではあるが…
竜人族のその男は、一人で凶暴な魔獣を叩きのめした。
実に興味深い。
そんな事を考えていたから、気がつけば彼女の部屋の前についた。
彼女の気配を感じてホッとする。
ノックをするも…返答がない。
エレンの気配はない。
気になり、ドアを開けて中に入る。
ソファーに腰掛けているのを見つけてホッとするが、何か心配事でもあるのか表情が暗い。
ぼーっと外を眺めているような…
消えてしまいそうな…
「どうした?」
声をかけながら、アイテムボックスから飲み物が入っているカップを二つ取り出す。
彼女に取り出しているのは見られていないから、わざわざ持って来たと思われたようだ。
カップから湯気が立っている。
「はい」
そう言って、カップを渡した。
甘い物が良いだろうと、ココアにしたのだ。
この世界に過去の聖女が好んで飲んでいた物で、女性に人気の飲み物だ。
ココアだけでは甘味が無いため、マシュと言う白くてふわふわした甘い物を入れた物だ。
マシュを見て、過去の聖女が『マシュマロが入っているココアだ』と喜んだとか。
一口飲んだ彼女の表情が綻び安心する。
私は甘い物が少し苦手だから、別の物だが、彼女の表情を見ながら同じように口にした。
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