異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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聖女巡礼の旅

聖地巡礼

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「出発は明後日以降になりそうだ。オズバン達がある程度道を確認してくれているが、やはり例の魔素溜まり近くはこの雨のせいで危険度が高いと判断された。雨が止んで一日後に出発だ」
「そうなんだ。」
窓の外をまた眺めてしまった。

「こんなに本を溜め込んで、何を読んでいた?」

ヒョイっと数冊手に取られた。
読んでいたのはこの国、オリクサ王国の事が書かれている物。魔法書。ポーションの事が載っている物。

「この国の地形と植物、歴史が少し書かれた物?それと、この魔法書は癒し系が多いな攻撃と防御は少しか。ポーションは、それに必要な薬草とか、ポーションの種類と効能、あとシュタルク領の事が少し書かれているものか…」

こっちのも、そんな感じだなって確認されてしまった。

聖女の力を持っていると言われても、どこまで出来るのかは自分ではまだ十分にわかっていない。
『浄化能力』があるのはわかっているけど、攻撃はした事ないし、する必要はないみたいに言われて教えてもらってない。巡礼メンバーが守ってくれるからという理由だ。だけど、もしもの事がある。
この前はみんながいて、自分が倒れたから大丈夫だったけど、もし逸れて倒れたら…もし、逸れた時に怪我でもして、その時襲われたらって思うと…
皆んなにはその事は言わなかったんだけどね…


「サヤカ、手を出して」
「何?」

言われるまま手を出した。
どっちの手かわからなかったから、とりあえず右手を出したら、こっちと左手を取られた。
シャランと金属の心地よい音がした。
手首に巻かれた金と銀、いゃこれって白金?二色の鎖が重なって、所々に小さな石がビーズの様に通された感じになっているブレスレットだった。
留め具は…無い。何故に無い?外す事は無理そうだ。

「これは護身用。防御と補助魔法も付与している」
「補助魔法?」

防御はわかる。攻撃から守ってくれるシールドみたいな感じでしょ?
あくまでゲームとかアニメのイメージだ。
で、補助って何?何を補助するの?

「この前呟いていたのを耳にしたから作ってみたんだ。攻撃魔法出来ないだろ?防御のほうも教えられてもいない。私も教える機会が無かったし。で、少し教えようと思ってね。聖女の魔力でどこまで出来るか知りたいのもあるけど、自分の身は自分で守りたい。出来たらって呟いていたから、もし出来にくくても補助があれば少しの力でもうできると思うんだ。後、暴発防止ね」

私の事を思って作ってくれたみたいだけど、少し研究対象としてない?暴発って、有難いけど、酷いよね…

「留め具が見当たらない理由は?」
「防犯のためだよ。誰かに奪われても困るしね。特別性だから」

そう言えば、この人凄腕の魔術師・魔導士だった。
この人が作った物ならプレミヤ的な価値もあるのかもしれないね…
それで防犯の為か…魔法で外せるのかもしれないけれど、そこのとこは今はいっか。

「じゃ、教えてくれますか?師匠!」

そう言って、カップを空にしてお願いしてみた。


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