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聖女巡礼の旅
聖女巡礼(フェリックス•ロザリアン)
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数日後、妹は共を連れて出発した。
数人の護衛を準備してはおいた。
皇女を乗せての馬車ではあるが、視察と称しておいたから、それなりの地味な物を考えていたが、派手な白色に金色の飾りが施されていた馬車となった。そう、何かの特別な行事。式典用の華美な物だ。
それで長距離を走らす事はできる。地域での式典に必要であればそれを使用するからだ。
まぁ、その時は転移門を使用するのだが…
アレが我儘を言い、当初予定の馬車を『地味で自分に合わない。自分はこの国の高貴な皇女であるから、それに相応しい物に乗るべきだ』と御託を並べて断固として拒否をした。しかも、この国、ロザリアン神聖国側室であり寵姫である母上が後押ししてそうなった。それにより、父、皇王が許可をした。
皇太子である自分の抗議は聞きいれられなかった。
皇女であるから、身の安全は必須だ。皇族としての威厳も必要ではあるが、特にこの時期にこんな馬鹿げた事をと頭を抱えてしまった。仕方なく、私の信頼できる部下と、子飼いの者もつけておいた。
これは、皇女が問題行動を起こした場合に備えてだ。
彼らが皇女の身の安全だけに動いて無事帰国するなら良し。
問題を越せば…
「はぁ…………」
ため息が出る。
もう一つの問題が…
弟からの伝達魔法陣だ。
書簡とは別に送られて来た物。
今回、巡礼のメンバーに選ばれたのは、私ではなく弟だった。
自国の国務の仕事があるから良かったのかも知れないが、自分達の責任を、皇太子である自分が参加し、成す必要があると考えていたが、神は弟をお選びになった。
神官職でもある弟。信頼できる同じ母を持つ可愛い弟だ。
その弟からの書簡は、順調に旅ができている事。浄化の報告と、聖女の体調不良だった。
もう何度も読み返してしまった。
妹が視察を言い出す前に届いた物。もう一つもそうだ。
伝達魔法陣の方は、もう一人の弟、問題のマルクスがその場にいた事。
マルクスが何か、そう、魔道具などを使って浄化後直ぐに聖女の魔力を奪った可能性。
頭が痛い。どれだけ問題を起こしてくれるのだ。
急ぎ手配し、もう一人の女性が作った特別性のポーションを送った。
普通よりも格段効能が良いポーション。
姉妹が作った物であれば、馴染みも良いだろうとの判断と、急を要すると考えたからだ。
あのポーションからもう一人の女性の生存場所など特定される可能性が高い。
高いとわかっていても、送らない訳にはいかなかった。
もう特定して、妹が動いた可能性が高いか…
歯痒さを感じる。
「上手く行かない。自分が動ければ…弟と友に任せるしかないだろう…」
誰に言うわけでもなく、ただ呟きは消えていった。
数人の護衛を準備してはおいた。
皇女を乗せての馬車ではあるが、視察と称しておいたから、それなりの地味な物を考えていたが、派手な白色に金色の飾りが施されていた馬車となった。そう、何かの特別な行事。式典用の華美な物だ。
それで長距離を走らす事はできる。地域での式典に必要であればそれを使用するからだ。
まぁ、その時は転移門を使用するのだが…
アレが我儘を言い、当初予定の馬車を『地味で自分に合わない。自分はこの国の高貴な皇女であるから、それに相応しい物に乗るべきだ』と御託を並べて断固として拒否をした。しかも、この国、ロザリアン神聖国側室であり寵姫である母上が後押ししてそうなった。それにより、父、皇王が許可をした。
皇太子である自分の抗議は聞きいれられなかった。
皇女であるから、身の安全は必須だ。皇族としての威厳も必要ではあるが、特にこの時期にこんな馬鹿げた事をと頭を抱えてしまった。仕方なく、私の信頼できる部下と、子飼いの者もつけておいた。
これは、皇女が問題行動を起こした場合に備えてだ。
彼らが皇女の身の安全だけに動いて無事帰国するなら良し。
問題を越せば…
「はぁ…………」
ため息が出る。
もう一つの問題が…
弟からの伝達魔法陣だ。
書簡とは別に送られて来た物。
今回、巡礼のメンバーに選ばれたのは、私ではなく弟だった。
自国の国務の仕事があるから良かったのかも知れないが、自分達の責任を、皇太子である自分が参加し、成す必要があると考えていたが、神は弟をお選びになった。
神官職でもある弟。信頼できる同じ母を持つ可愛い弟だ。
その弟からの書簡は、順調に旅ができている事。浄化の報告と、聖女の体調不良だった。
もう何度も読み返してしまった。
妹が視察を言い出す前に届いた物。もう一つもそうだ。
伝達魔法陣の方は、もう一人の弟、問題のマルクスがその場にいた事。
マルクスが何か、そう、魔道具などを使って浄化後直ぐに聖女の魔力を奪った可能性。
頭が痛い。どれだけ問題を起こしてくれるのだ。
急ぎ手配し、もう一人の女性が作った特別性のポーションを送った。
普通よりも格段効能が良いポーション。
姉妹が作った物であれば、馴染みも良いだろうとの判断と、急を要すると考えたからだ。
あのポーションからもう一人の女性の生存場所など特定される可能性が高い。
高いとわかっていても、送らない訳にはいかなかった。
もう特定して、妹が動いた可能性が高いか…
歯痒さを感じる。
「上手く行かない。自分が動ければ…弟と友に任せるしかないだろう…」
誰に言うわけでもなく、ただ呟きは消えていった。
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