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聖女巡礼の旅
聖女巡礼(フェリックス•ロザリアン)
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あの者の体調が落ち着いたとの報告を受けて、すぐさま魔塔に帰るよう勧めた。
ディール帝国からこの国に訪れ、聖女と共に巡礼の旅に出る事になった友人だ。
『魔人の国』ディール帝国から、魔人族であり、魔術師・魔導士のエドワード・ディール。彼は、『魔人の国』ディール帝国第三皇子でもある。彼に自国の恥ではあるが、弟をディール帝国に帰国する者達と必ず連れ帰ってほしいと願った。理由を告げれば即座に了承し、対応すると約束してくれた。だが、そう、弟はそれなりの実力者であるから、注意が必要だと言われた。必ずや弟の行動を抑え込む事が出来るとは言い切れないとも。
自分は聖女と共に巡礼の旅に殉ずるため、見張る事が出来ない。その結果がどう出るか…
無理を言っている事はわかっている。
こちらも注意して対応していくから、とりあえずと頼み込んだ。
結果、弟は『魔人の国』ディール帝国に旅立ってくれたのだが。心配だ。何も起こらなければ良いが…
後、もう一人。
そう、問題の者の姉。私にとっての妹だ。
あれは『ヒト族』として生まれた。
そして、『竜人族』の者に憧れを抱いていた。
ヒト族の寿命はすべての種族より短い。
両親のどちらかがヒト族以外であれば、普通のヒト族より寿命は長いが、それでもだ。
ただ、種族によっては、婚姻後、相手から求められればその種族と同じぐらいの寿命を手に入れられる秘法がある。
一番長寿の種族は『竜人族』であり、その秘法で相手の寿命を伸ばすと同時に、竜人族と同じく、寿命が尽きる前まで若い姿のままを維持し、その時がくれば老化が始まり天寿するとされている。
この特徴から、竜人族の者と結ばれる事を祈っていた。
今回我が国に訪れたのは、『番』がいない竜人族の王族と高位貴族。
それ以外についてきた者達も高位の者だが、『番』を持つ者がほとんどだった。
妹はその一人に転びそうになった所助けられた。そして、好意を持ち、自分こそがその者に相応しいと考えたようだ。『ヒト族』は、ある魔道具や薬をうまく使えば、『運命の番』でなくても、『仮の番』になれる。
高位貴族の場合、どうしても後継者が必要になり、ある程度探し求めても見つからない場合、見合いをして受け入れる場合がある。
今回の彼らも、国からそう言われて来ていたのだろう。
仕方なく国の意向に従って、自身は諦めていないが、今回の儀式に出席が必要だからと来た可能性が彼らの場合は高いのだが…
妹は、見た目は大人しいが、あの弟と同様に目的に対して狡猾だ。
あの竜人族の男性と彼女が『番』である事実を知れば、どう出てくるだろうか…
弟にあの女性を渡して、自分がその席につく可能性が…
考えたくない。
父に先に竜人族の男性に『番』ができた事は報告しておいた。
それとなく会話の中に含ませて。
自分達が開いた場所で出会ったのなら、この国の利益にもなるとお考えだろう。
『番』に関しての重要性やその他を理解されているはずだ。
嫌な予感はよく当たる。弟は彼女の居場所を何処からか掴んだ。
国で保護しているとし、療養中体力の低下で…というふうにするはずだったが…
そして、妹にそれを告げた。
その者に『番』ができ、まだ秘法を施していないのであれば、自分に下さいと。
そうすれば、妹が『番』になれると言ったようだ。
過去の悲惨な事件を起こす気か!!
情報が書かれた紙を握りつぶし、バラバラにして燃やした。
すぐに父に報告して止めなくてはと訪室した時は、すでに遅かった。
『まだ心の内を打ち明けていないから、諦めきれない。相手に伝え、断られたら父の選んでくれた人に嫁ぐから、一度伝えさせて欲しい』と涙ながらに訴え、寵姫である側室も一緒に懇願していた。
そして、それを父は許可したのだ。
ディール帝国からこの国に訪れ、聖女と共に巡礼の旅に出る事になった友人だ。
『魔人の国』ディール帝国から、魔人族であり、魔術師・魔導士のエドワード・ディール。彼は、『魔人の国』ディール帝国第三皇子でもある。彼に自国の恥ではあるが、弟をディール帝国に帰国する者達と必ず連れ帰ってほしいと願った。理由を告げれば即座に了承し、対応すると約束してくれた。だが、そう、弟はそれなりの実力者であるから、注意が必要だと言われた。必ずや弟の行動を抑え込む事が出来るとは言い切れないとも。
自分は聖女と共に巡礼の旅に殉ずるため、見張る事が出来ない。その結果がどう出るか…
無理を言っている事はわかっている。
こちらも注意して対応していくから、とりあえずと頼み込んだ。
結果、弟は『魔人の国』ディール帝国に旅立ってくれたのだが。心配だ。何も起こらなければ良いが…
後、もう一人。
そう、問題の者の姉。私にとっての妹だ。
あれは『ヒト族』として生まれた。
そして、『竜人族』の者に憧れを抱いていた。
ヒト族の寿命はすべての種族より短い。
両親のどちらかがヒト族以外であれば、普通のヒト族より寿命は長いが、それでもだ。
ただ、種族によっては、婚姻後、相手から求められればその種族と同じぐらいの寿命を手に入れられる秘法がある。
一番長寿の種族は『竜人族』であり、その秘法で相手の寿命を伸ばすと同時に、竜人族と同じく、寿命が尽きる前まで若い姿のままを維持し、その時がくれば老化が始まり天寿するとされている。
この特徴から、竜人族の者と結ばれる事を祈っていた。
今回我が国に訪れたのは、『番』がいない竜人族の王族と高位貴族。
それ以外についてきた者達も高位の者だが、『番』を持つ者がほとんどだった。
妹はその一人に転びそうになった所助けられた。そして、好意を持ち、自分こそがその者に相応しいと考えたようだ。『ヒト族』は、ある魔道具や薬をうまく使えば、『運命の番』でなくても、『仮の番』になれる。
高位貴族の場合、どうしても後継者が必要になり、ある程度探し求めても見つからない場合、見合いをして受け入れる場合がある。
今回の彼らも、国からそう言われて来ていたのだろう。
仕方なく国の意向に従って、自身は諦めていないが、今回の儀式に出席が必要だからと来た可能性が彼らの場合は高いのだが…
妹は、見た目は大人しいが、あの弟と同様に目的に対して狡猾だ。
あの竜人族の男性と彼女が『番』である事実を知れば、どう出てくるだろうか…
弟にあの女性を渡して、自分がその席につく可能性が…
考えたくない。
父に先に竜人族の男性に『番』ができた事は報告しておいた。
それとなく会話の中に含ませて。
自分達が開いた場所で出会ったのなら、この国の利益にもなるとお考えだろう。
『番』に関しての重要性やその他を理解されているはずだ。
嫌な予感はよく当たる。弟は彼女の居場所を何処からか掴んだ。
国で保護しているとし、療養中体力の低下で…というふうにするはずだったが…
そして、妹にそれを告げた。
その者に『番』ができ、まだ秘法を施していないのであれば、自分に下さいと。
そうすれば、妹が『番』になれると言ったようだ。
過去の悲惨な事件を起こす気か!!
情報が書かれた紙を握りつぶし、バラバラにして燃やした。
すぐに父に報告して止めなくてはと訪室した時は、すでに遅かった。
『まだ心の内を打ち明けていないから、諦めきれない。相手に伝え、断られたら父の選んでくれた人に嫁ぐから、一度伝えさせて欲しい』と涙ながらに訴え、寵姫である側室も一緒に懇願していた。
そして、それを父は許可したのだ。
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