異世界で聖女活動しています。〜シスコン聖女の奮闘記〜

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聖女巡礼の旅

聖女巡礼(フェリックス•ロザリアン)

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この国及びこの世界各国から、魔獣被害が勃発していた。
最後の聖女がこの世界に来られ、浄化を施し危機的被害から救ってくださったのは…
あれからかなりの年月が達、また被害が増え始めた。

遥か昔。光と闇の神がこの世に降臨され、この世界をを創造した。当時、この地以外にも別に大陸があり、島も多々あったとされている。古代文明の時代だ。
そして創造された時からこの世界において『魔素』は何処にでもあった。多かれ少なかれだ。
空気や水、植物などにも。
それが、それぞれの環境や空気の流れなど自然環境に伴って、偶然に貯まる場所が出来きた。そう、『魔素溜まり』が発生するのだ。魔素が多ければ魔力も多い。よって、文献によれば、『魔素溜まり』と『魔力溜まり』は同じ物であると述べていた。

火の力が多い所や水の多い場所などで魔力溜まりが発生すると、そこにその性質の魔素が結晶化した『魔石』と言うものが出来る。それらは、一部の生物や動物などが食して力を得たりもする。この世界の住民はそれを発見し、採掘した。採掘した物は、魔力の少ない者などでも使えるように加工して、現在も生活の一部として使用している。
魔道具の中に組み込む形で。
その魔力溜まりの魔石採掘現場となる場所は、『魔石地』として認識されている。
が、それ以外にも、全ての生命の『悪感情』に触れた魔素が溜まった魔力溜まりがどうしても発生した。
それが厄介でもあったのだ。
悪感情に触れた魔素は、変質して『瘴気』となる。
瘴気による魔力溜まりを『魔力溜まり』と人々は認識し、そう口にし出した。
その、魔力溜まりから魔獣が発生した。
それとは別にも、普通の動植物や人などがその魔力溜まりに触れて変質し、魔獣となる事もあるが、それは極めて稀な症例だった。
魔獣の中でも、人々と同じく進化し、やがて『魔族』が生まれた。
人と姿形がよく似た魔族は、この世界を創造した『神』とは違う『神』を崇め始めた。
『悪感情』が充満しての起こった現象に、別の世界、そう、異世界の力が触れたのであろう。
魔族達は、自分達に聞こえ、感じた『意識』により、自分達の『神』を持ち、崇めたのだ。
崇める事などにより、『異世界の扉』が出現した。
それは、魔族達の崇める神、そう『悪魔』と呼ばれるモノが出てくる場所となった。
混沌の時代の始まりだ。
人々と、魔族との戦いやそれに悪魔まで加わり、世界は崩れ始めた。
人々は、創造主である神に祈り、神もまたこの悲しい出来事に心を痛めた。

聖女がこの世界を創造した神に導かれ、伴われて我らの世に現れたのだ。
神に選ばれし『使徒』とも『従者』とも言われているが、その者達と共に力を合わせて、撃退していった。
悪魔は扉から元の世界に戻った。
だが、この世界に生まれ落ちた魔族達は滅する事はできず、この地より海の向こうの大陸に追いやる事となった。
強力な壁となる結界を張り巡らせ格別された。

全てが治まった後、神の言葉を聴いた『ヒト族の国』ロザリアン神聖国が中心となり、さらなる結界を張り巡らせ、その力を維持するよう努める事になる。
その結界の要が、教会や遺跡群にある石碑達。
詳しい事は、ロザリアン神聖国城内にある教会本部中心に秘匿され、厳重に保管されている。

張られた結界の効力は、残念ながら徐々に衰えたり劣化したりした。
また、土地自体も浄化され結界の中で護られていても、残念ながら中に住む者達の『悪感情』が消える事はなく、よって、どうしてもそれが少しずつ溜まり、魔獣が発生してしまっていた。
各国の騎士達が討伐し、浄化してはいくのだが、数百年周期で現状悪化する時代が起こった。
その原因は未だ不明である。

今回も、同様な事が起こり始め、『扉』が出現した。
魔族の住む大陸にいっそ出現すれば良いものを、なぜかいつもこの大陸に出現する。
その理由は分かっていないし、『神』からも伝えられていない。
ただ、現れる場所は同じではなく、この大陸のどこかだ。

特に『ディール帝国』に出現する確率は他国よりも多い。
今回も、ディール帝国領内北側の海上に突如として出現した。

危機を感じた大陸各国の者達が、『ヒト族の国』ロザリアン神聖国を中心に、伝承に則って『聖女召喚の儀式』を執り行うこととなった。
各国に術に必要な魔力提供ができる術者を依頼し、また見届け等、国家間で必要な重要人物達の招集も依頼した。
儀式前の歓迎の宴では、国によってはお見合いも兼ねて参加してくる国もあった。
もちろん、我が国としても、それに対しては是非にと思っている。
国同士の繋がりが強く持てる政略結婚となり得る方だ。
種族によっては、他種族を受け入れない事もある。が、ヒト族は、寿命は短いが魔力量も多いし、どの種族にも馴染みやすい特徴があるから、『この期にぜひ』と考えられたりしていた。

儀式は無事に終え、聖女が現れたが、今回は何故か二人。
一人は『聖女』と認定できたが、もう一人は…
混乱を起こすわけにはいけないと、すぐさま別室に移動することにした。
聖女に付き従うように巡礼メンバーも、『神からの印』手の甲に現れ決まったようだし…
そして、一人を無事に隠匿できた。
友人達の助けを受けて、捻じ伏せれるものは捻じ伏せた。

だが、まさか…
母の違う妹と弟。皇后である我が母とは別に、他国から娶った側室の寵姫から生まれた者達。
他国では、国によっては側室などの制度はないらしいが、我が国では側室も認められている。
魔人族である側室の子。妹はヒト族であり、弟は魔人族であった。
弟は研究者体質なのか、魔法研究や過去の聖女の秘密などに興味を持っていた。
それも異常な程に。
自ら母親の母国に渡り、魔塔の住人となった。
妹は、竜人族の長寿や力に魅了されていると報告が上がっていた。

この二人には、特に注意はしていたが、まさか弟が召喚の儀式に参加するために帰国していたとは…

そして、案の定、二人は問題行動を取り出した。
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