魔王と呼ばれた俺!?

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魔王になる

下僕達ゲット

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少し離れた場所には畳の上に布団が敷かれ、数人がそこで横になっていた。
療養用に整えられた部屋は、綺麗に掃除がされ、換気もされているようだった。

「ここは軽傷者用です。重傷者数名ですがこの奥に…」

廊下を隔てた奥からうめき声が聴こえてきた。
とりあえず奥にも行きたいと言うと、「辞めた方が…」と呟かれたが、そこは聞かなかった事にした。

襖戸を開けて入っていく。
ここも換気とかには気をつけてはいるのだろうが…それでも独特の臭いがした。
薬草の臭い以上に血液臭がするのはどれだけひどい傷を負ったのか?

「この者達は、昨日ソードグリズリーに遭遇したんです。その時ので…死亡者は出なかったのですが…」

ソードグリズリー?何だそれ?

『危険度Aランクの魔物。獣の熊とよく似た姿で、鋭い牙と爪を持ち合わせています。薙ぎ払う動作で風魔法を使い、剣で切り裂くような攻撃をしてくることからそう呼ばれています。剣のような鋭い刃が生えている様に見える個体も有り』

そんなモノがいたら怪我するだろう。よく死ななかったよ。

「我ら種族は戦闘に特化した種族なのですが…」
「そういえば、魔王がどうとか…何とか…」

ここの村に残っている者達が色々言っていた事を思い出した。
て言うか、『魔王』っていう存在もあるんだなぁ…ってそんなに重く考えなかった。
ゲームやノベルとかの設定と同じような存在かどうかもわからんからなぁ…
よく似た感じも多少は…

思わず追て来た三人に視線を伸ばす。
それぞれ手当の手伝いに走って行ったのを、邪魔にならないように壁の華の如く(男で華はないか?)みていた。そう、見守ると言うより見ていたんだ。で、ふと思う。

あの傷って、俺治せねぇ?

なぜそう思ったのかなんて分からん。だけど、治せそうな気がする。なぜ?

ついつい一番近くで唸っている者の側にしゃがんでみる。でだ…
そこも何でそう言う行動をとったのかもわかんないが、何となく項垂れた伸ばされた手を握ってみた。

握った場所から細胞隅々に水を充していく感じでなんか流れていく。
そう、俺から手を取った相手にだ。
で…

いきなり、そう、いきなりキラキラした感じがする。俺ではない。相手だ。

「えっ!?」
「えっ!?」

巻かれていた血で汚れた布。多分包帯だろうがスルスルとだ落ちて行って…

「なっ、治った!!」

キラキラが収まった途端に飛び上がるように起き上がり、そう叫ばれた。

えっと、俺、また何かやらかしたか!?




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