スルドの声(反響) segunda rezar

桜のはなびら

文字の大きさ
上 下
191 / 215

前日(LINK:primeira desejo 131)

しおりを挟む
 耳くらいの高さで髪を縛って肌を整える。髪はトップにボリュームを出しラフにまとめる。
 朝から温泉に入ったおかげで、肌もつやつやだ。
 隣で準備しているがんちゃんを見る。がんちゃんもぴかぴかでかわいい。

 今日のメイクはナチュラルで良い。髪もシンプルに縛ったままでいこう。少し後毛を出し、軽く巻いて終わり。
 がんちゃんも髪をさっととかしただけで準備を終えようとしていた。「ちょっといじらせて」と、スタイリング剤を少し指で掬い、手のひらで伸ばしてからがんちゃんの髪を触る。全体をくせ毛風に整え、少し伸びつつあるショートボブを耳に掛けるようにアレンジしてみた。

「どうかな?」

「わ、なんかおとなっぽくなった!」

 がんちゃんは「これでいこー」と喜んでいる。良かった。


 服装はたくさんは持って来れないので、着回しで印象を変える。
 今日は二人ともカジュアル×シンプルで動きやすくまとめた。練習にも、その後の観光にも適した格好だ。
 初見のサンビスタたちとの挨拶もあるが、かしこまる必要はないだろう。むしろ『ソルエス』のメンバーとしてその場に立つなら、エスコーラTシャツが正装に近いだろうか。
 本番用は新規のTシャツがあるので、普段のものは練習着として使用しても差し支えない。
 練習場では着替えられるだろうから、挨拶は着替えを終えたらさせてもらおう。



 移動した私たちは、鳴門駅で先行していたメンバーや別々に辿り着いたメンバーたちと次々合流した。
 ハルがチームをまとめ、練習場の会館に行く。
 会館には現地のサンビスタたちが集まっていて、『ソルエス』一行を歓迎してくれた。

 企画者である私もハルが紹介してくれて、主要な方々と直接挨拶をさせてもらった。
 関東からはかなり距離がある。頻繁な交流は難しいだろうが、何かの折にこの縁が活かせたらと思った。

 夕方までかなりしっかり練習をした。
 なんせ合わせられるのはこの場限りだ。やってやりすぎるということは無いのだろう。

 ある意味急拵えの合同チームになるわけだが、練習の成果か、練習後半にはかなりの一体感があり、ヂレトールの合図にもズレなく対応できるようになった。
 当初は一回のみの練習で本番に挑むという状況に対し、多少の練習不足は基礎の実力に依存した臨機応変さでカバーすると言った話もあったが、そんな心配はなさそうだ。

 今日の練習は、成果を裏打ちするものとなっていると、初心者ながら確信できた。いや、臨機応変さでリカバーを容易くできるような豊富な経験のない初心者だからこそ、不安と不安定を抱えた初心者だからこそ、練習にて得た成功体験と再現性に、安心に対する根拠を持てたのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ポエヂア・ヂ・マランドロ 風の中の篝火

桜のはなびら
現代文学
 マランドロはジェントルマンである!  サンバといえば、華やかな羽飾りのついたビキニのような露出度の高い衣装の女性ダンサーのイメージが一般的だろう。  サンバには男性のダンサーもいる。  男性ダンサーの中でも、パナマハットを粋に被り、白いスーツとシューズでキメた伊達男スタイルのダンサーを『マランドロ』と言う。  サンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』には、三人のマランドロがいた。  マランドロのフィロソフィーを体現すべく、ダンスだけでなく、マランドロのイズムをその身に宿して日常を送る三人は、一人の少年と出会う。  少年が抱えているもの。  放課後子供教室を運営する女性の過去。  暗躍する裏社会の住人。  マランドロたちは、マランドラージェンを駆使して艱難辛苦に立ち向かう。  その時、彼らは何を得て何を失うのか。 ※表紙はaiで作成しました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

バレー部入部物語〜それぞれの断髪

S.H.L
青春
バレーボール強豪校に入学した女の子たちの断髪物語

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

太陽と星のバンデイラ

桜のはなびら
現代文学
〜メウコラソン〜 心のままに。  新駅の開業が計画されているベッドタウンでのできごと。  新駅の開業予定地周辺には開発の手が入り始め、にわかに騒がしくなる一方、旧駅周辺の商店街は取り残されたような状態で少しずつ衰退していた。  商店街のパン屋の娘である弧峰慈杏(こみねじあん)は、店を畳むという父に代わり、店を継ぐ決意をしていた。それは、やりがいを感じていた広告代理店の仕事を、尊敬していた上司を、かわいがっていたチームメンバーを捨てる選択でもある。  葛藤の中、相談に乗ってくれていた恋人との会話から、父がお店を継続する状況を作り出す案が生まれた。  かつて商店街が振興のために立ち上げたサンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』と商店街主催のお祭りを使って、父の翻意を促すことができないか。  慈杏と恋人、仕事のメンバーに父自身を加え、計画を進めていく。  慈杏たちの計画に立ちはだかるのは、都市開発に携わる二人の男だった。二人はこの街に憎しみにも似た感情を持っていた。  二人は新駅周辺の開発を進める傍ら、商店街エリアの衰退を促進させるべく、裏社会とも通じ治安を悪化させる施策を進めていた。 ※表紙はaiで作成しました。

処理中です...