スルドの声(反響) segunda rezar

桜のはなびら

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顔合わせ(LINK:primeira desejo 116)

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 阿波ゼルコーバの担当者井村さんとの初顔合わせは、インターネットを利用したモニター越しでの会見の場にて行われた。
 当初はこの形でのプレゼンも想定されていたが、姫田グループへのプレゼンにて受注は確定したため、挨拶の場としてセッティングされた。


 それぞれが接続すると、参加者の分だけ画面が分割されてしまう。
 ソルエスはまとまって、エンサイオ会場から繋がせてもらった。ソルエスからはプレゼン参加の四名に加え、代表のハルが参加する。

 
 エンサイオはバテリアとダンサーで分かれて行い、途中でミーティングを挟んで、その後ダンサーの練習場でダンサーとバテリア合同の練習となる。
 今日は最初に合同で練習していてもらい、普段バテリアが練習しているスタジオの方は開けてもらっていた。
 端末のセッティングができ、防音機能もあるので打ち合わせの用途にも適している。

 接続すると、開始時間までは少し余裕のある時刻だが、既に担当の井村さんは接続済みだった。
 安達さんは未だなので、紹介を受ける前に顔を合わせることになってしまった。
 とりあえずこちらからは口々に挨拶をすると、井村さんからもやや遅れて挨拶が返された。

 
 当初の流れは、実演部分は姫田グループへのプレゼン時に安達さんの方で録画されたものを井村さんと共有し、プレゼンを遠隔でリアルタイムで行うといったイメージだったが、遠隔でのやり取りは意外とタイムラグがあって、プレゼンだけだったとしても、この形式が決定の場となる状況にはならずに済んで改めてほっとした。

 
 尚、感謝祭にてサンバ隊のパフォーマンスを採用することは確定していても、説明は必要だったので、安達さんの方からプレゼン資料一式と、撮影してくださった動画は予め井村さんと共有してもらっている。

 
「観ましたよー! いやぁ、すごかった! 是非直接観覧したかったなぁ」
 

 なので、挨拶もそこそこに、井村さんが快活な笑顔を添えての言葉は、安達さんが送ってくれた実演動画のことだろう。

 
 ほどなく安達さんが接続し、全員が揃った。

 
 安達さんが姫田グループと阿波ゼルコーバ側を改めて紹介し、それを受ける形で、ハルがサンバパフォーマンス採用に関してと、本日の機会をいただいたことに関するお礼を述べ、ソルエス側の紹介をおこなった。

 ハルの言葉を待ってから、私たちは順番に、自己紹介とあいさつをさせてもらった。

 
「こちらこそ、素敵なご提案ありがとうございました! 感動しました! 先ほどもお伝えしましたが、いやー、素晴らしかった!」

 
 ストレートな誉め言葉が続く。
 調子のいいタイプというより、感情が表に現れやすいタイプのように思える。ならば、この言葉は素直な賞賛として発されているものと捉えて差し支えないだろう。

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