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ガンザも買おう。あとパンデイロも (LINK:primeira desejo 115)
しおりを挟む片手で持てるシェーカーである『ガンザ』は、リズムの基礎練習でよく使用される。
その他、サンバの音楽を演奏しながら好きに踊ったり歌ったり、飲み食いなども行われる『パゴーヂ』というサンバの楽しみ方のひとつに於いては、店内や室内というシチュエーションも多く、大きな音よりは細やかで多彩な音の方が向いている。
先日の打ち上げの後半も、『パゴーヂ』となり店内中がサンバで充満し酔っぱらったサンビスタがサンバを謳歌し盛り上がった。
ガンザもまた、パゴーヂ向きの楽器と言えるだろう。その上リズムの基礎練習に使用できる、持ち運びが容易な手軽な楽器という時点でガンザの購入は確定だ。
ガンザは種類が豊富で、形や大きさ、素材、デザインと様々だ。価格も然程高額ではないので、がんちゃんもそそのかして、ふたりでお揃いの木製ガンザをデザイン違いで購入することにした。
次。
この前のパレードで、ダンサーでありながらハルが楽器を使用しながら踊っていた。
『パンデイロ』という楽器。
主にジャグリングの道具としての使用だったが、時にはパレード中に踊りながら演奏をし、観客を盛り上げていた。パンデイロはそもそも打楽器としても優秀な楽器だ。
タンバリンのような見た目。ジングルの数は少なく、重なり方がタンバリンとは逆だ。
先日のイベントの打ち上げ時のパゴーヂでも、パンデイロは活躍していて、キョウさんはパンデイロひとつでドラムセットを彷彿させるリズムを奏でていた。その奏法は見た目にも鮮やかで、それ自体がパフォーマンスになり得た。
動画映えもする。
是非やってみたいと思った。
パンデイロは大きさとフレームとヘッドの素材が機能的な選択のポイントだろうか。片手で持つので重さも重要だ。
ヘッドをナイロン製にすれば、デザインというか、カラーもいくつかの種類がある。
サンバ用、パゴーヂ用としては、合板のフレームにナイロン製のものが適しているという説明もあったが、重くて疲弊しリズムを取れなくなってしまっては本末転倒だと、店長さんは軽いものをお勧めしてくれた。
数百グラムの差ではあるが、実際に較べてみると全然違う。
確かに重いパンデイロの方は、持って少し演奏しただけでも重量感を覚え、一曲演奏しきるのも大変かもしれないと思った。
軽い分、重いものよりも低音が出ず、音量も抑えめだが、不足なく演奏しきれる方を優先し、お勧め通り軽いパンデイロを購入することにした。チューニングキーはついていたがケースはなかったので、パンデイロケースも購入する。
とりあえずこんなものだろう。
この買い物の満足度、或いは達成率を現しているかのように、やたらとハンコが押されたメンバーズカードを、財布とは分けて使っているカードケースにしまった。
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