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十五歳 浅草サンバカーニバル
課題解決!
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「なにかストレスでも抱えてる?」
やってきたミツバは呆れたような、憐れむような目でわたしを見ている。
確かに、この物体は事実自ら創り上げたものだ。
怒りやらストレスやらに起因していると思われても不思議はない。
「やってたら勝手になったの! ミツバもほどくの手伝って」
仕方ないなぁ、と言いながら、空いている場所に加わり、みんなと一緒にほぐしはじめた。
みんな一心不乱に作業をしている。
一点盲点だったのは、カニの食べ放題みたいに、夢中になると無口になりがちなる。
しかし、要所要所では、「ここ、こっちからこのひもの先端通せない?」とか、「あ、ここ解いたらここも解けて外れるんじゃ?」なんて言いながら協力プレイみたいになってきている。
雰囲気は良かった。
そんな雰囲気なので、自ずとみんなの口も軽くなってきて、段々わたしをネタにし始めた。
「ルイって完璧感出してる割に結構あれよね」にーなの目線は手元のまま、指は器用に動いている。
「あれってなに?」
「ドジっ子?」指先に落としていた目線を少し上げ、考えるようにしてにーなは言った。
「そんなじとっこみたいに言わないで!」
「それ。そういうところ」
「地頭鶏? なんで急に地鶏よ。絶対突っ込み間違いしてるよね」ビオラもにーなに乗っかる。
「そもそもルイが完璧なんて思ったことないけどな」
「アキは黙ってやっててよ!」アキにいじられたくない! なんとなくだけど、なんかいやだ!
「ちょっと、うちのルイいじめたらるきぷ?けしかけるから」
ジル!
いつもわたさはの味方になってくれるジル!
さっきはちょろいとか思ってごめん。でも、けしかけるってどういうことだろう。
「わるかった。二度としない。それだけは勘弁してくれ」
本気で嫌がっている感じではなかった。
クラスでもこういうノリはある。
大抵は口では言いあっているけど実際仲が良くて、周りもそれをわかっていて、そしてそれが男女だったら、最終的には付き合ったりするのだ。アキとるいぷるってそんなに言い合うような感じだった?
「まぁ、完璧感出しててぶん抜けてるって、アキも大概だからね?」ビオラが冷静に言い放った。
「俺のどこが」
「それよ!」
アキが言い終える前に、ビオラはアキの作業している箇所を取り上げた。
「なんでよりこんがらがってるのよ! 足引っ張るなら手を引きなさい」
「おー、ビオラがうまいこと言ってる」にーなが感心している。
「あははは! みんな、仲良いよね」やり取りを聞きながら、作業に集中していたミツバは、耐えきれなくなったように大笑いしていた。
「いや、ほんと『ソルエス』っていいチームだなーって、中に入って一層そう思うようになったよ。
人数が少ないって弱みだと思っているかもしれないけど、文字通り家族みたいで、みんな信頼と絆で繋がっていて、だから集団のパフォーマンスの連携がすごくきれい。バテリアも人数少ないのにそれを感じさせない音量で」
『ソルエス』を褒めるミツバの言葉を、ビオラとジルは照れくさそうに、にーなは誇らしそうに聞いていた。
「わたしが前に居たチームはさ、確かに人数は多いし、個人個人も競争が激しいからレベルも高かったけど、全員の連携っていう意味では、課題も多かったから『ソルエス』の在り方ってとても素敵だと思う」
何言ってんのと、ビオラが少し不貞腐れたように言った。
「ミツバももう『ソルエス』の仲間じゃない」
ビオラも照れ隠しみたいなのするのかと思うと、なんだかほほえましくなった。
結局わたしがガッチガチにした素材たちはほどけなかった。
グルーガンで固めたのはやりすぎかもしれない。
でも、ミツバとパシスタの魚の小骨のようなちょっとした絡まりを、ほぐせるきっかけにはなったと思った。
使い物にならなくなった素材は買いなおさなくてはならなく、費用はチームで負担してくれることになったが必要経費ってことで良いよね。
わたしもちゃんとママにこの後すごい怒られるだろうし、許してくれるよね。
やってきたミツバは呆れたような、憐れむような目でわたしを見ている。
確かに、この物体は事実自ら創り上げたものだ。
怒りやらストレスやらに起因していると思われても不思議はない。
「やってたら勝手になったの! ミツバもほどくの手伝って」
仕方ないなぁ、と言いながら、空いている場所に加わり、みんなと一緒にほぐしはじめた。
みんな一心不乱に作業をしている。
一点盲点だったのは、カニの食べ放題みたいに、夢中になると無口になりがちなる。
しかし、要所要所では、「ここ、こっちからこのひもの先端通せない?」とか、「あ、ここ解いたらここも解けて外れるんじゃ?」なんて言いながら協力プレイみたいになってきている。
雰囲気は良かった。
そんな雰囲気なので、自ずとみんなの口も軽くなってきて、段々わたしをネタにし始めた。
「ルイって完璧感出してる割に結構あれよね」にーなの目線は手元のまま、指は器用に動いている。
「あれってなに?」
「ドジっ子?」指先に落としていた目線を少し上げ、考えるようにしてにーなは言った。
「そんなじとっこみたいに言わないで!」
「それ。そういうところ」
「地頭鶏? なんで急に地鶏よ。絶対突っ込み間違いしてるよね」ビオラもにーなに乗っかる。
「そもそもルイが完璧なんて思ったことないけどな」
「アキは黙ってやっててよ!」アキにいじられたくない! なんとなくだけど、なんかいやだ!
「ちょっと、うちのルイいじめたらるきぷ?けしかけるから」
ジル!
いつもわたさはの味方になってくれるジル!
さっきはちょろいとか思ってごめん。でも、けしかけるってどういうことだろう。
「わるかった。二度としない。それだけは勘弁してくれ」
本気で嫌がっている感じではなかった。
クラスでもこういうノリはある。
大抵は口では言いあっているけど実際仲が良くて、周りもそれをわかっていて、そしてそれが男女だったら、最終的には付き合ったりするのだ。アキとるいぷるってそんなに言い合うような感じだった?
「まぁ、完璧感出しててぶん抜けてるって、アキも大概だからね?」ビオラが冷静に言い放った。
「俺のどこが」
「それよ!」
アキが言い終える前に、ビオラはアキの作業している箇所を取り上げた。
「なんでよりこんがらがってるのよ! 足引っ張るなら手を引きなさい」
「おー、ビオラがうまいこと言ってる」にーなが感心している。
「あははは! みんな、仲良いよね」やり取りを聞きながら、作業に集中していたミツバは、耐えきれなくなったように大笑いしていた。
「いや、ほんと『ソルエス』っていいチームだなーって、中に入って一層そう思うようになったよ。
人数が少ないって弱みだと思っているかもしれないけど、文字通り家族みたいで、みんな信頼と絆で繋がっていて、だから集団のパフォーマンスの連携がすごくきれい。バテリアも人数少ないのにそれを感じさせない音量で」
『ソルエス』を褒めるミツバの言葉を、ビオラとジルは照れくさそうに、にーなは誇らしそうに聞いていた。
「わたしが前に居たチームはさ、確かに人数は多いし、個人個人も競争が激しいからレベルも高かったけど、全員の連携っていう意味では、課題も多かったから『ソルエス』の在り方ってとても素敵だと思う」
何言ってんのと、ビオラが少し不貞腐れたように言った。
「ミツバももう『ソルエス』の仲間じゃない」
ビオラも照れ隠しみたいなのするのかと思うと、なんだかほほえましくなった。
結局わたしがガッチガチにした素材たちはほどけなかった。
グルーガンで固めたのはやりすぎかもしれない。
でも、ミツバとパシスタの魚の小骨のようなちょっとした絡まりを、ほぐせるきっかけにはなったと思った。
使い物にならなくなった素材は買いなおさなくてはならなく、費用はチームで負担してくれることになったが必要経費ってことで良いよね。
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