22 / 39
北光羽龍
株式会社 GrandDesignEX
しおりを挟む
「おはよう」
既にミーティングルームには全員揃っていた。
いつものことなので、定位置に座ったメンバーが時計回りに報告事項を述べていく。
『株式会社Grand DesignEX』は、ITコンサル業の会社だ。
クライアントの経営戦略をITの活用で支援するのが役割だ。
敢えて情報コンサルを名乗り、ITを含めた情報分析や情報戦略から、情報発信に基づく広報なども請け負い、総合的な経営戦略や販売戦略のサポートを担うことで、他社との差別化を図っている。
目的のために練り上げる計画のための設計図と言うべき『Grand Design』に、EXをつけた造語だ。
EXはexpert(熟練者)、experience(体験)、extra(規格外)、exploit(偉業)、express(速い)、explosion(爆発)などからとっていて、状況によって使い分けるため、敢えて由来はぼやかしてある。
人数が少ないのに専門特化ではなく付加価値による差別化を選んだ理由は、新規を多数獲得するのではなく、ひとつの取引先から経営戦略に係る投資額の大部分をうちに投入してもらい、うちだけで戦略の大部分をカバーできるスキームにすることで、生産性を高めたかったからだ。複数の分野でクライアントの戦略の根幹に関われるため、リプレイスもされにくい。
クライアントが増えるごとに戦力が分散せず一社あたりから利益の最大化を図れるので、少人数の社員といくつかの協力会社とのアライアンスで対応できていた。
クライアントが増えたら、その分社員を増やすつもりはあり、予め協力会社や大学、システム系の専門学校などに働きかけてはいる。
しばらくは急速な拡大を図るつもりはないので、大きな人数は必要ない。
若くても経験が少なくても学生でも、良さそうな人材がいたら少しずつ採用していき、育てながらボトムアップをしていくつもりだった。
俺がこの仕事を選んだのには思惑があった。
子どもの頃にアキと立てた幼い計画を、大人の頭脳と計画力と実行力をもって形にした。そのひとつがこの会社である。
既にミーティングルームには全員揃っていた。
いつものことなので、定位置に座ったメンバーが時計回りに報告事項を述べていく。
『株式会社Grand DesignEX』は、ITコンサル業の会社だ。
クライアントの経営戦略をITの活用で支援するのが役割だ。
敢えて情報コンサルを名乗り、ITを含めた情報分析や情報戦略から、情報発信に基づく広報なども請け負い、総合的な経営戦略や販売戦略のサポートを担うことで、他社との差別化を図っている。
目的のために練り上げる計画のための設計図と言うべき『Grand Design』に、EXをつけた造語だ。
EXはexpert(熟練者)、experience(体験)、extra(規格外)、exploit(偉業)、express(速い)、explosion(爆発)などからとっていて、状況によって使い分けるため、敢えて由来はぼやかしてある。
人数が少ないのに専門特化ではなく付加価値による差別化を選んだ理由は、新規を多数獲得するのではなく、ひとつの取引先から経営戦略に係る投資額の大部分をうちに投入してもらい、うちだけで戦略の大部分をカバーできるスキームにすることで、生産性を高めたかったからだ。複数の分野でクライアントの戦略の根幹に関われるため、リプレイスもされにくい。
クライアントが増えるごとに戦力が分散せず一社あたりから利益の最大化を図れるので、少人数の社員といくつかの協力会社とのアライアンスで対応できていた。
クライアントが増えたら、その分社員を増やすつもりはあり、予め協力会社や大学、システム系の専門学校などに働きかけてはいる。
しばらくは急速な拡大を図るつもりはないので、大きな人数は必要ない。
若くても経験が少なくても学生でも、良さそうな人材がいたら少しずつ採用していき、育てながらボトムアップをしていくつもりだった。
俺がこの仕事を選んだのには思惑があった。
子どもの頃にアキと立てた幼い計画を、大人の頭脳と計画力と実行力をもって形にした。そのひとつがこの会社である。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スルドの声(嚶鳴) terceira homenagem
桜のはなびら
現代文学
大学生となった誉。
慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。
想像もできなかったこともあったりして。
周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。
誉は受験以降休んでいたスルドを再開したいと思った。
スルド。
それはサンバで使用する打楽器のひとつ。
嘗て。
何も。その手には何も無いと思い知った時。
何もかもを諦め。
無為な日々を送っていた誉は、ある日偶然サンバパレードを目にした。
唯一でも随一でなくても。
主役なんかでなくても。
多数の中の一人に過ぎなかったとしても。
それでも、パレードの演者ひとりひとりが欠かせない存在に見えた。
気づけば誉は、サンバ隊の一員としてスルドという大太鼓を演奏していた。
スルドを再開しようと決めた誉は、近隣でスルドを演奏できる場を探していた。そこで、ひとりのスルド奏者の存在を知る。
配信動画の中でスルドを演奏していた彼女は、打楽器隊の中にあっては多数のパーツの中のひとつであるスルド奏者でありながら、脇役や添え物などとは思えない輝きを放っていた。
過去、身を置いていた世界にて、将来を嘱望されるトップランナーでありながら、終ぞ栄光を掴むことのなかった誉。
自分には必要ないと思っていた。
それは。届かないという現実をもう見たくないがための言い訳だったのかもしれない。
誉という名を持ちながら、縁のなかった栄光や栄誉。
もう一度。
今度はこの世界でもう一度。
誉はもう一度、栄光を追求する道に足を踏み入れる決意をする。
果てなく終わりのないスルドの道は、誉に何をもたらすのだろうか。
サンバ大辞典
桜のはなびら
エッセイ・ノンフィクション
サンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』の案内係、ジルによるサンバの解説。
サンバ。なんとなくのイメージはあるけど実態はよく知られていないサンバ。
誤解や誤って伝わっている色々なイメージは、実際のサンバとは程遠いものも多い。
本当のサンバや、サンバの奥深さなど、用語の解説を中心にお伝えします!

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる