サンバ大辞典

様式としてのサンバ

　サンバの楽しみ方はいくつかあります。

　とにかく楽しむ！　を大前提とするなら、どんな楽しみ方をしても良いと思いますが、様式が定まっているものもありますので、その辺をご説明します。
 
　まず、思い描くのが『カーニバル』ではないでしょうか。
　リオのカーニバルが有名ですが、同じくブラジルで同程度の規模のサンパウロのカーニバルがあります。

　本場ブラジル以外でもサンバカーニバルは各国で開催されていて、日本では『浅草サンバカーニバル』が比較的知名度が高いのではないかと思います。
　北半球に於けるサンバカーニバルとしては最大規模とも言われているとか。
 
　サンバカーニバルについては別途詳しくご説明しますが、簡単に言えば、多数の打楽器奏者やダンサーを擁したサンバ隊によるパレードです。
　行列が移動しながらダンスや演奏を披露する。衣装や山車など、見た目にも楽しく迫力のあるサンバです。
 
　大規模なカーニバルに対し、気軽に楽しめるのが『パゴーヂ』です。
　屋内などで数名の楽器奏者が気軽に演奏し、歌ったり踊ったりすします。飲み食いの場であることも多い。
　音楽の楽しみ方に、飲んだり食べたりしながら楽しめる要素が組み込まれているというのも、庶民的で楽しむということに特化した文化らしいなと思いますね。
　室内で小規模ということもあり、路上で大人数を前提としたカーニバルでは使わない、もしくは昨今では使わなくなってしまったサンバ楽器なんかも、パゴーヂでは活躍します。
 
 
　同じく気軽に楽しめるサンバに『サンバ・ヂ・ホーダ』があります。これはパゴーヂの時に行われることもあります。
『ホーダ』は輪という意味で、楽器を演奏したり手を叩いたりしながら人の輪を作り、交代で輪の真ん中に出て行って即興のダンスを踊るのです。
　周りに煽られ、ダンサーのテンションも上がりますが、テンションの挙がったダンサーに触発され、周りで手を叩いている人たちも盛り上がるという、テンションとノリでできているような楽しみ方です。
 
 
　社交ダンスでもラテンの一ジャンルにサンバがあります。
　これもサンバなのですが、わたしたちがやっているサンバとは異なっていて、あくまでもベースはヨーロッパ発祥の社交ダンスで、腰の動きが多いところなんかは、サンバと共通するところかなって思います。


　サンバにもペアダンスのジャンルはあります。
　ガフィエラというサンバのペアダンスで、社交ダンスと同じくサロンやダンスホールなどで踊られることが多いサンバです。