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自己紹介(アリスン)
しおりを挟む(アリスン アシェル)
いのりちゃんとるいぷるの喧騒を背景にしてしまうかのように、幻想的な雰囲気すら漂わせてアリスンさんが立ち上がる。軽やかなプラチナブロンドがふわりと揺れる。
るいぷる評は何気に的を射ていると思う。彼女に対してはある意味見たまんま「天使」だった。るいぷるの言い方は「えーんじぇー」だったけど。
アリスン・アシェル。スウェーデン出身のスウェーデン人。お父さんのお仕事の都合で来日するまでは、日本に然程の所縁は無いにもかかわらず、彼女の日本語は流暢で発音に違和感は無い。
これがいわゆる「鈴を転がすような声」というやつか。
学校の軽音部ではヴォーカルとベースを担当している。ギターボーカルよりも難しいとされているが、器用にこなしているそうだ。
元々はベースをやりたかったらしいが、その声は活かすべきだと歌わされたところ、歌唱力もハンパなかったのだとか。
アリスンさん自身歌うのは大好きだったので、その提案には「やるー」と乗っかったそうだ。
『ソルエス』でも歌い手である『カントーラ』を務めるアリスンさんは、サンバの歌唱に於いてはややミスマッチな美声で自己紹介を始めた。
アリスンさんはルイさんと同じ学校で同じクラスだ。
入学時に出会ったふたりは、一緒に軽音部に入った。そこでふたりの男子生徒とバンドを組んで活動している。
サンバが第一義であるルイさんは、高校での部活動をサンバに活かせるものをと考えていた。その考え方で演劇部やダンス部、陸上部などのいくつかの候補の中から、軽音部が選ばれたという経緯がある。その背景には、仲良くなったアリスンさんの影響もあったのかもしれない。
バンド活動にもサンバの要素を入れていきたいルイさんの要望は叶えられている。それどころか、バンドはその年の浅草サンバカーニバルで助っ人として参加し、その後バンド丸ごと『ソルエス』に入会した。
今『ソルエス』のバンドメンバーで弦楽器を中心に、適宜管楽器や鍵盤も使用し、作曲や編曲も担っているタローさんとKOHさんだ。
アリスンさんともまだあまり話したことは無い。その歌声はエンサイオで聴いている。
透き通った綺麗な声。ずっと聴いていたくなる声。軽やかさの中にも厚みと深みを感じることが時々あって、気付いたら鳥肌が立っているなんてこともあった。
アリスンさんとカラオケ行きたいなぁなんて思っていた。いのりちゃんも配信で歌ってるしイベントのスポンサー営業を掛けていた際のプレゼン時にもうたったらしい。みことさんも上手いって聞いている。みんなでカラオケ行けたら楽しいだろうな。そんな願望も、この機会をきっかけに、現実味を帯びている。
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