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第十一章:「苦闘編」
第九十一話「決意」
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統一暦一二一三年三月三日。
グライフトゥルム王国中部グライフトゥルム市、叡智の守護者の塔。マティアス・フォン・ラウシェンバッハ
今日は私の二十九歳の誕生日だ。
日本にいた時のことを思い出してから二十一年になる。
ずいぶん長い時間を過ごしてきたが、私にとっては一瞬の出来事のようにも感じていた。
徐々に暖かくなり、体調もよくなってきた。今日は塔の中庭に椅子を持ち出し、三歳半になった双子のオクタヴィアとリーンハルト、二歳になったティアナが元気に駆け回る姿を見ながら、情報分析室が整理した情報を見ていた。
「そう言えば、フレディがヴィントムントに戻ってきたそうよ。それに明日にはダニエルが帝都に向けて出発するらしいわ」
隣に座る妻のイリスが話し掛けてきた。
「元気でやっているようだね。それにしても二人には悪いことをしたと思っているよ。もう少しきちんと指導ができると思っていたのだけど」
フレディとダニエルのモーリス兄弟は大賢者マグダの提案で、私の指導を受けにやってきた。しかし、その間にヴェヒターミュンデの戦いがあったり、シュヴァーン河流域作戦があったりと不在にすることが多かった。
戦場から戻った後も病に倒れたこともあって、彼らに対する指導は中途半端なものだった。
「大丈夫よ。二人とも優秀だし、あなたの教えたことはきちんと理解しているから。何年後かにはその成果が見えるはずよ」
「確かに優秀だったね。二人とも王立学院の政学部を首席で卒業したのだから」
私の言葉に妻が微笑む。
「当然よ。あの二人なら飛び級の制度があれば、一年で卒業できたと思うわ。まあ、あの教育を受けただけなら、役に立たなかったでしょうけど」
王立学院の教育水準はこの世界にしては高いが、私たちが満足できる水準からは程遠い。
「それならいいのだけどね」
そう言いながら子供たちを見る。
「そろそろあの子たちの教育も真剣に考えないといけないね」
子供たちは二歳になる前に言葉を教え始め、双子の二人は三歳になった時から文字や数字を覚えさせる教育を始めている。それもパズルのような遊びながら覚えられる教材を作ってもらい、部屋の中で私が教えていた。
「今でも十分過ぎると思うわよ。もちろん、あの子たちも楽しんでいるから問題はないのだけど」
イリスはそう言って呆れている。
「別に英才教育を行うつもりはないけど、親として子供たちの選択肢が増えるようにはしてあげたいからね」
日本にいた時に子供がいた気がするし、シンクタンク時代に幼児教育のニーズ調査をしたことがあったので、それを思い出して教育を始めた。
「ほどほどにしてあげてね」
妻はそう言って笑った。私がやりすぎると思っているようだ。
話題を変えるため、王都の話を振る。
「そう言えば国王陛下の即位二十周年式典があったそうだね。アラベラ殿下が離宮に移ったと聞いたけど、他に情報は入っていないかい」
「最新の情報では陛下がグレゴリウス王子を避けているらしいわ。式典の後にアラベラを殺して自分を王太子にしろと迫ったから分からないでもないのだけどね」
式典が終わった後、グレゴリウスが国王の私室を訪れた。その際に自分を王太子にすれば、アラベラを殺してもマルクトホーフェン侯爵は内乱を起こさないと迫っている。
グレゴリウスは気づかなかったようだが、国王には常時三人の陰供が付いており、その話の時も私室の中に陰供が潜んでいた。
イリスが話した最新情報も陰供から得られたものだ。
「フリードリッヒ殿下も大変そうだね。二十周年の式典には間に合わなかったけど、あと半月で王都に到着するはずだから」
「そうね。闇の監視者からの報告ではずいぶん怯えているみたいね。アラベラとマルクトホーフェンがいる王都に戻るのだから分からないでもないけど」
「アラベラ殿下が大賢者様の警告を真剣に受け止めていればいいのだけどね。あの方はすぐに暴走するから……それにグレゴリウス殿下も危険だしね」
ここ数ヶ月の情報収集で分かったことは、第二王子のグレゴリウスが思った以上に危険だということだ。
まだ十五歳と若いが、才能はフリードリッヒ王子を凌駕しているし、マルクトホーフェン侯爵の後ろ盾もある。それ以上に危険だと思ったのは、母親を切り捨てる冷酷さとそれを利用する狡猾さを持っていることだ。
私自身はグレゴリウスと直接面識はなく伝聞になるが、直接話をしている大賢者がグレゴリウスのことを危惧している。
「そう言えば、ハルトに関する噂が流れてきたそうね。マルクトホーフェンがヴェヒターミュンデ騎士団から異動させようとしていると聞いたのだけど、本当のことなのかしら?」
ハルトムートは現在、ヴェヒターミュンデ騎士団の副団長にまで出世している。ヴェヒターミュンデ伯爵の娘婿であることと、兵士からの人気が高いことから、今までは問題になっていなかったが、平民出身であることをマルクトホーフェン侯爵が問題視しているらしい。
「事実のようだね。ただ、ヴェヒターミュンデ伯爵の娘婿でもあるから、あからさまな左遷はできない。恐らくだけど、将軍位を与えた上で、辺境の守備隊の司令官職にして干すつもりだと思う」
私の言葉にイリスが大きく溜息を吐く。
「ヴェヒターミュンデ城の戦力を削ってどうするのかしら? ヴェヒターミュンデ伯爵は豪放磊落な方だけど、戦略的な思考は苦手とされているわ。参謀もそれほど多くないし、搦め手で来られたら危険だと思わないのかしら」
イリスの懸念の通り、ヴェヒターミュンデ騎士団には戦略を考えられる参謀が少ない。
騎士団の参謀長であるルーフェン・フォン・キルマイヤー男爵はシュヴァーン河流域作戦の時に私と一緒にいたため、参謀として使えるようになったが、ハルトムートほど臨機応変に対応できるかと言われると不安が残る。
「まあ、帝国は当面動けないだろうから大丈夫なのだろうけど、あの皇帝なら今回の皇国攻略作戦のように突発的に動いてこないとも限らない。ヴェヒターミュンデ城とリッタートゥルム城は万全の体制にしておかないと危険なのだけどね」
「そうね。西に比べれば戦争の可能性は低いけど不安ね」
西の脅威はレヒト法国だが、神狼騎士団の団長ニコラウス・マルシャルクが聖都レヒトシュテットに行き、いろいろと動いているらしい。
切れ者である彼が動いているので情報収集に当たらせているところだ。
ただ、法国内の諜報体制は闇の監視者をゾルダート帝国とリヒトロット皇国方面に集中させたことと、法王アンドレアスの改革によって教団上層部との伝手がなくなったことから、以前ほど正確な情報が入ってこない。
現状では帝国の監視を緩めるわけにもいかず、また、国内でもジークフリート王子の護衛を増やしたこともあり、法国まで手が回っていない状況だ。
「法国内の諜報体制を強化したいのだけど難しいわね。まあ奇襲を受けたとしても、ヴェストエッケ守備兵団は機能しているから簡単にはやられないと思うけど」
西のヴェストエッケ守備兵団にはさすがのマルクトホーフェン侯爵も手を出していない。
元々、法国は数年おきに定期的に戦争を仕掛けてきているから、マルクトホーフェン侯爵派の貴族もヴェストエッケに常駐したがらない。そのお陰でちょっかいを掛けられることがなく、防衛体制に不備はない。
「それにしても王国の中も外も大変なことになってきた気がするわ。クリストフおじ様のようにあなたを使いこなせる人が出てこないから……おじ様が生きていらっしゃれば、あなたの負担も減ったでしょうし、こんな事態にはならなかったと思うわ」
初代王国騎士団長、クリストフ・フォン・グレーフェンベルク伯爵のことを思い出したのか、寂しそうな表情を浮かべている。
「そうだね。私は元々トップ向きではないし、この身体では無理だからね。だからと言って、今の国王陛下ではね……私としてはラズに期待していたんだけど、今の彼には心の傷を癒す時間が必要だからね」
私が国を動かせばもう少し何とかできると思うが、この身体では激務には耐えられない。そもそも私はトップとして決断するより、策を考える方が得意だ。
財務次官であったオーレドルフ伯爵など有能な貴族はいるが、王国を任せられると思える人物はグレーフェンベルク伯爵しかいなかった。
だから、ラザファムが私の上司になるように画策したのだが、想定していなかった不幸な出来事が起き、その構想も振出しに戻っている。
今はある人物に期待しているが、まだまだ時間は掛かるだろう。
「私はこのまま子供たちとのんびり暮らせれば、それだけで幸せなのだけど……」
そう言ってイリスは楽しそうに遊んでいる子供たちを見る。
私も同じように子供たちを見ると、それに気づいた子供たちが手を振ってきた。
「そうだね。私も同じ気持ちだよ。でも、この子たちが大人になっても笑顔で過ごせる環境は守りたいと思っている。それが難しいことは分かっているし、私の命を燃やし尽くすことになるかもしれないけど、必ず成し遂げるよ」
私は笑みを浮かべながら子供たちに手を振った。
■■■
統一暦一二一三年。
エンデラント大陸最古の国、グライフトゥルム王国は内外に多くの問題を抱え、その千年にもわたる歴史に幕を下ろそうとしていた。
“千里眼のマティアス”、“微笑みの軍師”と呼ばれたマティアス・フォン・ラウシェンバッハですら、その未来は見通せない。
彼と親友たちが再び相まみえた時、歴史は動き出す。
それにはまだ二年という月日が必要であった。
第一部完
グライフトゥルム王国中部グライフトゥルム市、叡智の守護者の塔。マティアス・フォン・ラウシェンバッハ
今日は私の二十九歳の誕生日だ。
日本にいた時のことを思い出してから二十一年になる。
ずいぶん長い時間を過ごしてきたが、私にとっては一瞬の出来事のようにも感じていた。
徐々に暖かくなり、体調もよくなってきた。今日は塔の中庭に椅子を持ち出し、三歳半になった双子のオクタヴィアとリーンハルト、二歳になったティアナが元気に駆け回る姿を見ながら、情報分析室が整理した情報を見ていた。
「そう言えば、フレディがヴィントムントに戻ってきたそうよ。それに明日にはダニエルが帝都に向けて出発するらしいわ」
隣に座る妻のイリスが話し掛けてきた。
「元気でやっているようだね。それにしても二人には悪いことをしたと思っているよ。もう少しきちんと指導ができると思っていたのだけど」
フレディとダニエルのモーリス兄弟は大賢者マグダの提案で、私の指導を受けにやってきた。しかし、その間にヴェヒターミュンデの戦いがあったり、シュヴァーン河流域作戦があったりと不在にすることが多かった。
戦場から戻った後も病に倒れたこともあって、彼らに対する指導は中途半端なものだった。
「大丈夫よ。二人とも優秀だし、あなたの教えたことはきちんと理解しているから。何年後かにはその成果が見えるはずよ」
「確かに優秀だったね。二人とも王立学院の政学部を首席で卒業したのだから」
私の言葉に妻が微笑む。
「当然よ。あの二人なら飛び級の制度があれば、一年で卒業できたと思うわ。まあ、あの教育を受けただけなら、役に立たなかったでしょうけど」
王立学院の教育水準はこの世界にしては高いが、私たちが満足できる水準からは程遠い。
「それならいいのだけどね」
そう言いながら子供たちを見る。
「そろそろあの子たちの教育も真剣に考えないといけないね」
子供たちは二歳になる前に言葉を教え始め、双子の二人は三歳になった時から文字や数字を覚えさせる教育を始めている。それもパズルのような遊びながら覚えられる教材を作ってもらい、部屋の中で私が教えていた。
「今でも十分過ぎると思うわよ。もちろん、あの子たちも楽しんでいるから問題はないのだけど」
イリスはそう言って呆れている。
「別に英才教育を行うつもりはないけど、親として子供たちの選択肢が増えるようにはしてあげたいからね」
日本にいた時に子供がいた気がするし、シンクタンク時代に幼児教育のニーズ調査をしたことがあったので、それを思い出して教育を始めた。
「ほどほどにしてあげてね」
妻はそう言って笑った。私がやりすぎると思っているようだ。
話題を変えるため、王都の話を振る。
「そう言えば国王陛下の即位二十周年式典があったそうだね。アラベラ殿下が離宮に移ったと聞いたけど、他に情報は入っていないかい」
「最新の情報では陛下がグレゴリウス王子を避けているらしいわ。式典の後にアラベラを殺して自分を王太子にしろと迫ったから分からないでもないのだけどね」
式典が終わった後、グレゴリウスが国王の私室を訪れた。その際に自分を王太子にすれば、アラベラを殺してもマルクトホーフェン侯爵は内乱を起こさないと迫っている。
グレゴリウスは気づかなかったようだが、国王には常時三人の陰供が付いており、その話の時も私室の中に陰供が潜んでいた。
イリスが話した最新情報も陰供から得られたものだ。
「フリードリッヒ殿下も大変そうだね。二十周年の式典には間に合わなかったけど、あと半月で王都に到着するはずだから」
「そうね。闇の監視者からの報告ではずいぶん怯えているみたいね。アラベラとマルクトホーフェンがいる王都に戻るのだから分からないでもないけど」
「アラベラ殿下が大賢者様の警告を真剣に受け止めていればいいのだけどね。あの方はすぐに暴走するから……それにグレゴリウス殿下も危険だしね」
ここ数ヶ月の情報収集で分かったことは、第二王子のグレゴリウスが思った以上に危険だということだ。
まだ十五歳と若いが、才能はフリードリッヒ王子を凌駕しているし、マルクトホーフェン侯爵の後ろ盾もある。それ以上に危険だと思ったのは、母親を切り捨てる冷酷さとそれを利用する狡猾さを持っていることだ。
私自身はグレゴリウスと直接面識はなく伝聞になるが、直接話をしている大賢者がグレゴリウスのことを危惧している。
「そう言えば、ハルトに関する噂が流れてきたそうね。マルクトホーフェンがヴェヒターミュンデ騎士団から異動させようとしていると聞いたのだけど、本当のことなのかしら?」
ハルトムートは現在、ヴェヒターミュンデ騎士団の副団長にまで出世している。ヴェヒターミュンデ伯爵の娘婿であることと、兵士からの人気が高いことから、今までは問題になっていなかったが、平民出身であることをマルクトホーフェン侯爵が問題視しているらしい。
「事実のようだね。ただ、ヴェヒターミュンデ伯爵の娘婿でもあるから、あからさまな左遷はできない。恐らくだけど、将軍位を与えた上で、辺境の守備隊の司令官職にして干すつもりだと思う」
私の言葉にイリスが大きく溜息を吐く。
「ヴェヒターミュンデ城の戦力を削ってどうするのかしら? ヴェヒターミュンデ伯爵は豪放磊落な方だけど、戦略的な思考は苦手とされているわ。参謀もそれほど多くないし、搦め手で来られたら危険だと思わないのかしら」
イリスの懸念の通り、ヴェヒターミュンデ騎士団には戦略を考えられる参謀が少ない。
騎士団の参謀長であるルーフェン・フォン・キルマイヤー男爵はシュヴァーン河流域作戦の時に私と一緒にいたため、参謀として使えるようになったが、ハルトムートほど臨機応変に対応できるかと言われると不安が残る。
「まあ、帝国は当面動けないだろうから大丈夫なのだろうけど、あの皇帝なら今回の皇国攻略作戦のように突発的に動いてこないとも限らない。ヴェヒターミュンデ城とリッタートゥルム城は万全の体制にしておかないと危険なのだけどね」
「そうね。西に比べれば戦争の可能性は低いけど不安ね」
西の脅威はレヒト法国だが、神狼騎士団の団長ニコラウス・マルシャルクが聖都レヒトシュテットに行き、いろいろと動いているらしい。
切れ者である彼が動いているので情報収集に当たらせているところだ。
ただ、法国内の諜報体制は闇の監視者をゾルダート帝国とリヒトロット皇国方面に集中させたことと、法王アンドレアスの改革によって教団上層部との伝手がなくなったことから、以前ほど正確な情報が入ってこない。
現状では帝国の監視を緩めるわけにもいかず、また、国内でもジークフリート王子の護衛を増やしたこともあり、法国まで手が回っていない状況だ。
「法国内の諜報体制を強化したいのだけど難しいわね。まあ奇襲を受けたとしても、ヴェストエッケ守備兵団は機能しているから簡単にはやられないと思うけど」
西のヴェストエッケ守備兵団にはさすがのマルクトホーフェン侯爵も手を出していない。
元々、法国は数年おきに定期的に戦争を仕掛けてきているから、マルクトホーフェン侯爵派の貴族もヴェストエッケに常駐したがらない。そのお陰でちょっかいを掛けられることがなく、防衛体制に不備はない。
「それにしても王国の中も外も大変なことになってきた気がするわ。クリストフおじ様のようにあなたを使いこなせる人が出てこないから……おじ様が生きていらっしゃれば、あなたの負担も減ったでしょうし、こんな事態にはならなかったと思うわ」
初代王国騎士団長、クリストフ・フォン・グレーフェンベルク伯爵のことを思い出したのか、寂しそうな表情を浮かべている。
「そうだね。私は元々トップ向きではないし、この身体では無理だからね。だからと言って、今の国王陛下ではね……私としてはラズに期待していたんだけど、今の彼には心の傷を癒す時間が必要だからね」
私が国を動かせばもう少し何とかできると思うが、この身体では激務には耐えられない。そもそも私はトップとして決断するより、策を考える方が得意だ。
財務次官であったオーレドルフ伯爵など有能な貴族はいるが、王国を任せられると思える人物はグレーフェンベルク伯爵しかいなかった。
だから、ラザファムが私の上司になるように画策したのだが、想定していなかった不幸な出来事が起き、その構想も振出しに戻っている。
今はある人物に期待しているが、まだまだ時間は掛かるだろう。
「私はこのまま子供たちとのんびり暮らせれば、それだけで幸せなのだけど……」
そう言ってイリスは楽しそうに遊んでいる子供たちを見る。
私も同じように子供たちを見ると、それに気づいた子供たちが手を振ってきた。
「そうだね。私も同じ気持ちだよ。でも、この子たちが大人になっても笑顔で過ごせる環境は守りたいと思っている。それが難しいことは分かっているし、私の命を燃やし尽くすことになるかもしれないけど、必ず成し遂げるよ」
私は笑みを浮かべながら子供たちに手を振った。
■■■
統一暦一二一三年。
エンデラント大陸最古の国、グライフトゥルム王国は内外に多くの問題を抱え、その千年にもわたる歴史に幕を下ろそうとしていた。
“千里眼のマティアス”、“微笑みの軍師”と呼ばれたマティアス・フォン・ラウシェンバッハですら、その未来は見通せない。
彼と親友たちが再び相まみえた時、歴史は動き出す。
それにはまだ二年という月日が必要であった。
第一部完
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