306 / 386
第七部:「謀略と怨讐の宇宙(そら)」
第二十四話
しおりを挟む
ゾンファ共和国の通商破壊艦スウイジンの艦長、ディン・クー大佐はクリフォード率いる第二特務戦隊を取り逃がした直後、強い後悔の念を抱く。
(コリングウッドにしてやられた……あれほどの練度を誇る戦隊だったとは……それに部下を犠牲にして旗艦を守るとは思わなかった。コリングウッドの冷徹さを見誤っていたようだ……)
ファビアンたちが文字通り身を挺して旗艦キャヴァンディッシュ132を守ったが、ディンはクリフォードが命じたことだと思っていた。
(我々の方が圧倒的に火力はあった。綿密な連携は無理でも、もう少しやりようがあったはずだ……)
ゾンファ側の攻撃が思ったより功を奏さなかったのには理由がある。
一つにはディンが考えている通り、第二特務戦隊の練度が高く、位置を絶妙に変えながら連続して命中しないようにしていたことだ。
これにより、脆弱な軽巡航艦や駆逐艦であってもギリギリのところで防御でき、致命的な損傷を受けなかった。
他の理由としては待ち伏せていたリー・バオベイ中佐の本隊が速度を保ったままジャンプアウトしてくることを想定していなかったため、対応が後手に回ってしまったことだ。
ジャンプポイントでの不測の事態に備え、空間との相対速度をほぼゼロにしてジャンプアウトすることが常識である。ごく稀にではあるが、JPに待機している情報通報艦やジャンプインする前の船に衝突することがあるためだ。
また、本来であれば速度を持ち防御スクリーンに負荷が掛かっている第二特務戦隊より、待ち伏せ側の方が有利なのだが、ジャンプアウト後に加速することに比べ、攻撃時間が圧倒的に短く、混乱が収まった時には射程外に逃れられていた。
ベテランであるほど常識に囚われるため、クリフォードはそれを逆手に取り、敵の機先を制することに成功した。
また、通商破壊艦部隊は基本的には待ち伏せを行い、奇襲を掛ける。今回のような高速機動による戦闘は彼らの戦い方ではなく、本来の力を発揮する前に終わってしまった。
ディンは悔しさを見せることなく、剛毅さを見せるかのように部下たちを激励していく。
「このまま奴らのケツに食らいついていけば、必ずチャンスが来る! これだけの速度で後ろを取っているのだ。我々が圧倒的に有利なことに変わりはない!」
このまま推移すれば彼の言う通り、有利な条件で攻撃できる可能性が高い。
スウイジンとリユソンスの二隻は第二特務戦隊を追いかけているが、最終的には星系内最大巡航速度〇・二光速に達し、その際主砲の射程外の二十光秒後方を追いかけることになる。
最大巡航速度で航行する場合、星間物質から艦を守るため、前方に防御スクリーンを展開する必要がある。特にこの先には小惑星帯が存在するため、星間物質の濃度が高くなり、場合によっては針路を変える必要があった。
その場合、ベクトルを変えることで彼我の距離を縮められる可能性があり、上手くいけば防御スクリーンがほとんど展開できない後方から一方的に攻撃が可能となる。
慣性航行中であるため、第二特務戦隊側も艦首を反転させて反撃することができるが、防御スクリーンを追撃側とは反対側にも展開する必要があり、防御力は著しく低下した状態となる。
また、ジャンプポイント付近での戦闘と異なり、ベクトルにずれがないため、一旦射程内に捕らえられれば、長時間一方的に攻撃することができる。
唯一の不安材料は先ほどの攻撃で主砲の加速空洞や加速コイルに負荷を掛け過ぎていることだが、最悪の状態とはなっておらず、追撃中に調整が可能であり、即座に戦闘に入るような場合以外は大きな問題とはならない。
「じっくり追い詰めるぞ! 敵の動きに注意を払え! 副長と甲板長は主砲の調整を直ちに行ってくれ!」
その命令を受け、部下たちが動き始めた時、索敵担当の下士官が大声で報告する。
「ソーンJPに超光速航行離脱確認! 重巡航艦一、軽巡航艦一、駆逐艦六。重巡航艦メルクーリヤ確認! リヴォフ少将の戦隊です! 〇・〇七五Cにてこちらに向かってきます!」
その報告にディンは驚き、すぐに自らのコンソールに視線を向けた。
(この速度ということは、我々が超光速航行に入った直後にJPに向けて加速を開始したのか……最初から狙っていたのか? いや、今はそのことを考えるべきじゃない。任務を放棄して離脱すべきか……)
そんなことを考えていると、ゲオルギー・リヴォフ少将が星系全体に向けて通信を行った。
『ヤシマ商船を騙る正体不明艦に告ぐ! 直ちに対消滅炉を停止し、降伏せよ! アルビオン王国外交使節団に告ぐ! 銀河帝国領内での戦闘行為について事情を確認したい。可能な限り速やかに停船することを要請する』
その言葉を聞き、ディンは直ちに命令を発した。
「現在のベクトルを維持したまま、最大加速で離脱! リー・バオベイ中佐の隊は独自の判断で対処せよ!」
ディンはそう命令を発したものの、リー中佐の部隊が逃げ切れるとは思っていなかった。
(リーの部隊は生き残れんな。降伏しても海賊として処刑されるしかない。あのベクトルで重巡航艦が相手では、逃げることも反撃することもまず不可能だ……すまん……)
そして、その予想はすぐに現実のものとなる。
「帝国戦隊、リー中佐の隊に攻撃を開始しました! ホンバオスに敵重巡の主砲直撃! スリュスにも……」
僅か一分ほどで二隻の通商破壊艦が沈められる。
「艦長! このままでは敵重巡の射程ギリギリの位置にしか離れることができません」
航法長の指摘にディンは苦渋に満ちた表情を浮かべる。
重巡航艦メルクーリヤの主砲は十八テラワット級陽電子加速砲で、射程は二十八光秒。現状では約六十光秒の距離があるが、最大加速度の差により、約五十分後には射程内に入られてしまう。
(さっきまでと立場が全く逆になってしまったな……それに最大巡航速度を無視して加速してもギリギリで射程内に入れられてしまう。反転して逃げるにしても敵にはステルスミサイルがある。速度が落ちたところでミサイルを撃ち込まれたら……)
ディンは逃げることを選択した。
「最後まで諦めるな! 生きていれば挽回の機会はある!」
絶望が戦闘指揮所を支配する中、ディンは部下を鼓舞していった。
■■■
ゲオルギー・リヴォフ少将からの停船要請を受け、クリフォードは即座に了解の連絡を入れた。
「敵性勢力である武装商船より攻撃を受けている。よって、敵性勢力から距離を取りつつ、貴官の要請に従うものとする」
そしてすぐに戦隊全体に向けて命令を発した。
「右舷六十度回頭! 上下角そのまま! 敵性勢力から離れつつ、二kGで減速開始。直ちに補修作業に入れ!」
戦隊はその命令に従い、減速を始める。
旗艦キャヴァンディッシュ132のCICでもバートラムが早口で命令を発していく。
「ダメージコントロール班は損傷個所の応急補修を開始! 機関長! 対消滅炉の調整を頼む! 少し無理をさせ過ぎたからな。航法長は通常空間航行機関と超光速航行機関の状況を確認……」
その命令にそれぞれが了解と答え、更にさまざまな情報を報告していく。
クリフォードはそんな喧騒の中、破壊された通商破壊艦本隊と、最大加速で離脱する別動隊の様子を見ながら、疑問を感じていた。
(リヴォフ少将の戦隊の同行はソーン星系までだと聞いていた。しかし、僅か十分で超空間に突入している。こちらとしては助かったが、あの短時間で新たな情報が入ったのか? 偶然にしては出来過ぎだが……予めこちらに来ることを考えていたとしか思えない……)
第二特務戦隊がジャンプインした直後に情報通報艦が現れて情報を送ったという可能性はあるが、ジャンプアウトした時の速度から第二特務戦隊がジャンプインした二分後に加速を開始していることになる。
(帝国が我々を害するつもりなら、ソーン星系で行えばいい。同行していた武装商船以外の民間船もなく、帝国の哨戒艦隊しかいないのだから証拠隠滅は難しくない……我々が攻撃されることを知っていて、ギリギリのタイミングで助けに入ったということは?……いや、それもあり得ないな。助けるつもりなら同行すべきだ。実際、先ほどの戦闘はギリギリだったのだから……)
クリフォードは帝国の思惑が分からず、困惑の表情を浮かべていた。
(コリングウッドにしてやられた……あれほどの練度を誇る戦隊だったとは……それに部下を犠牲にして旗艦を守るとは思わなかった。コリングウッドの冷徹さを見誤っていたようだ……)
ファビアンたちが文字通り身を挺して旗艦キャヴァンディッシュ132を守ったが、ディンはクリフォードが命じたことだと思っていた。
(我々の方が圧倒的に火力はあった。綿密な連携は無理でも、もう少しやりようがあったはずだ……)
ゾンファ側の攻撃が思ったより功を奏さなかったのには理由がある。
一つにはディンが考えている通り、第二特務戦隊の練度が高く、位置を絶妙に変えながら連続して命中しないようにしていたことだ。
これにより、脆弱な軽巡航艦や駆逐艦であってもギリギリのところで防御でき、致命的な損傷を受けなかった。
他の理由としては待ち伏せていたリー・バオベイ中佐の本隊が速度を保ったままジャンプアウトしてくることを想定していなかったため、対応が後手に回ってしまったことだ。
ジャンプポイントでの不測の事態に備え、空間との相対速度をほぼゼロにしてジャンプアウトすることが常識である。ごく稀にではあるが、JPに待機している情報通報艦やジャンプインする前の船に衝突することがあるためだ。
また、本来であれば速度を持ち防御スクリーンに負荷が掛かっている第二特務戦隊より、待ち伏せ側の方が有利なのだが、ジャンプアウト後に加速することに比べ、攻撃時間が圧倒的に短く、混乱が収まった時には射程外に逃れられていた。
ベテランであるほど常識に囚われるため、クリフォードはそれを逆手に取り、敵の機先を制することに成功した。
また、通商破壊艦部隊は基本的には待ち伏せを行い、奇襲を掛ける。今回のような高速機動による戦闘は彼らの戦い方ではなく、本来の力を発揮する前に終わってしまった。
ディンは悔しさを見せることなく、剛毅さを見せるかのように部下たちを激励していく。
「このまま奴らのケツに食らいついていけば、必ずチャンスが来る! これだけの速度で後ろを取っているのだ。我々が圧倒的に有利なことに変わりはない!」
このまま推移すれば彼の言う通り、有利な条件で攻撃できる可能性が高い。
スウイジンとリユソンスの二隻は第二特務戦隊を追いかけているが、最終的には星系内最大巡航速度〇・二光速に達し、その際主砲の射程外の二十光秒後方を追いかけることになる。
最大巡航速度で航行する場合、星間物質から艦を守るため、前方に防御スクリーンを展開する必要がある。特にこの先には小惑星帯が存在するため、星間物質の濃度が高くなり、場合によっては針路を変える必要があった。
その場合、ベクトルを変えることで彼我の距離を縮められる可能性があり、上手くいけば防御スクリーンがほとんど展開できない後方から一方的に攻撃が可能となる。
慣性航行中であるため、第二特務戦隊側も艦首を反転させて反撃することができるが、防御スクリーンを追撃側とは反対側にも展開する必要があり、防御力は著しく低下した状態となる。
また、ジャンプポイント付近での戦闘と異なり、ベクトルにずれがないため、一旦射程内に捕らえられれば、長時間一方的に攻撃することができる。
唯一の不安材料は先ほどの攻撃で主砲の加速空洞や加速コイルに負荷を掛け過ぎていることだが、最悪の状態とはなっておらず、追撃中に調整が可能であり、即座に戦闘に入るような場合以外は大きな問題とはならない。
「じっくり追い詰めるぞ! 敵の動きに注意を払え! 副長と甲板長は主砲の調整を直ちに行ってくれ!」
その命令を受け、部下たちが動き始めた時、索敵担当の下士官が大声で報告する。
「ソーンJPに超光速航行離脱確認! 重巡航艦一、軽巡航艦一、駆逐艦六。重巡航艦メルクーリヤ確認! リヴォフ少将の戦隊です! 〇・〇七五Cにてこちらに向かってきます!」
その報告にディンは驚き、すぐに自らのコンソールに視線を向けた。
(この速度ということは、我々が超光速航行に入った直後にJPに向けて加速を開始したのか……最初から狙っていたのか? いや、今はそのことを考えるべきじゃない。任務を放棄して離脱すべきか……)
そんなことを考えていると、ゲオルギー・リヴォフ少将が星系全体に向けて通信を行った。
『ヤシマ商船を騙る正体不明艦に告ぐ! 直ちに対消滅炉を停止し、降伏せよ! アルビオン王国外交使節団に告ぐ! 銀河帝国領内での戦闘行為について事情を確認したい。可能な限り速やかに停船することを要請する』
その言葉を聞き、ディンは直ちに命令を発した。
「現在のベクトルを維持したまま、最大加速で離脱! リー・バオベイ中佐の隊は独自の判断で対処せよ!」
ディンはそう命令を発したものの、リー中佐の部隊が逃げ切れるとは思っていなかった。
(リーの部隊は生き残れんな。降伏しても海賊として処刑されるしかない。あのベクトルで重巡航艦が相手では、逃げることも反撃することもまず不可能だ……すまん……)
そして、その予想はすぐに現実のものとなる。
「帝国戦隊、リー中佐の隊に攻撃を開始しました! ホンバオスに敵重巡の主砲直撃! スリュスにも……」
僅か一分ほどで二隻の通商破壊艦が沈められる。
「艦長! このままでは敵重巡の射程ギリギリの位置にしか離れることができません」
航法長の指摘にディンは苦渋に満ちた表情を浮かべる。
重巡航艦メルクーリヤの主砲は十八テラワット級陽電子加速砲で、射程は二十八光秒。現状では約六十光秒の距離があるが、最大加速度の差により、約五十分後には射程内に入られてしまう。
(さっきまでと立場が全く逆になってしまったな……それに最大巡航速度を無視して加速してもギリギリで射程内に入れられてしまう。反転して逃げるにしても敵にはステルスミサイルがある。速度が落ちたところでミサイルを撃ち込まれたら……)
ディンは逃げることを選択した。
「最後まで諦めるな! 生きていれば挽回の機会はある!」
絶望が戦闘指揮所を支配する中、ディンは部下を鼓舞していった。
■■■
ゲオルギー・リヴォフ少将からの停船要請を受け、クリフォードは即座に了解の連絡を入れた。
「敵性勢力である武装商船より攻撃を受けている。よって、敵性勢力から距離を取りつつ、貴官の要請に従うものとする」
そしてすぐに戦隊全体に向けて命令を発した。
「右舷六十度回頭! 上下角そのまま! 敵性勢力から離れつつ、二kGで減速開始。直ちに補修作業に入れ!」
戦隊はその命令に従い、減速を始める。
旗艦キャヴァンディッシュ132のCICでもバートラムが早口で命令を発していく。
「ダメージコントロール班は損傷個所の応急補修を開始! 機関長! 対消滅炉の調整を頼む! 少し無理をさせ過ぎたからな。航法長は通常空間航行機関と超光速航行機関の状況を確認……」
その命令にそれぞれが了解と答え、更にさまざまな情報を報告していく。
クリフォードはそんな喧騒の中、破壊された通商破壊艦本隊と、最大加速で離脱する別動隊の様子を見ながら、疑問を感じていた。
(リヴォフ少将の戦隊の同行はソーン星系までだと聞いていた。しかし、僅か十分で超空間に突入している。こちらとしては助かったが、あの短時間で新たな情報が入ったのか? 偶然にしては出来過ぎだが……予めこちらに来ることを考えていたとしか思えない……)
第二特務戦隊がジャンプインした直後に情報通報艦が現れて情報を送ったという可能性はあるが、ジャンプアウトした時の速度から第二特務戦隊がジャンプインした二分後に加速を開始していることになる。
(帝国が我々を害するつもりなら、ソーン星系で行えばいい。同行していた武装商船以外の民間船もなく、帝国の哨戒艦隊しかいないのだから証拠隠滅は難しくない……我々が攻撃されることを知っていて、ギリギリのタイミングで助けに入ったということは?……いや、それもあり得ないな。助けるつもりなら同行すべきだ。実際、先ほどの戦闘はギリギリだったのだから……)
クリフォードは帝国の思惑が分からず、困惑の表情を浮かべていた。
1
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売しています!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
フォトンの記憶
小川敦人
SF
少年時代、水泳部の仲間だったサトシ、田村、有馬の三人は、ある夏の日に奇妙な青白い光を目撃する。
その後、彼らの能力は飛躍的に向上し、全国大会で輝かしい成績を収めた。
しかし、その奇跡のような出来事を境に、彼らの人生は穏やかな日常へと戻っていく。
それから61年後——。
居酒屋で酒を酌み交わしながら、彼らはふと呟く。
「あれ以来、特別なことは何もなかったな」
「けど、平凡な人生を送れたことこそが奇跡なのかもしれない」。
静かに杯を交わす三人。その時、店の外には、かつて見たような青白い光がふわりと舞い上がっていた——。
SFとノスタルジーが交錯する、運命のひとときを描いた物語。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる