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第六部:「ヤシマ星系を死守せよ」
第四十九話
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宇宙暦四五二三年七月二十三日。
キャメロット星系に第二次タカマガハラ会戦の勝利の報告が届いた。
星系全体が戦勝に湧く中、首相であるウーサー・ノースブルック伯爵は、直ちに関係者を集め、今後の外交及び防衛政策について協議を行った。
「ゾンファ共和国政府と国家統一党の権威が大きく傷つけられたことは確実だ。この機にゾンファから野心家たちを一掃しなければならない。我が国としてどのような方針を採るべきか、忌憚のない意見を求める」
ノースブルックの発言の後、外務卿のエドウィン・マールバラ子爵が発言を求めた。
外務省の長官に当たる外務卿は本来首都アルビオンにいるのだが、ゾンファのヤシマ侵攻への対応のため、ノースブルックがキャメロット星系に来るよう要請した。
マールバラはノースブルックの古くからの盟友で、外務官僚を経て保守党の議員となり、ノースブルック内閣発足により外務卿に就任している。
彼は細面に鋭い目つきと銀縁の眼鏡から、怜悧な官僚という印象を与える人物だ。その見た目通り弁舌にキレがあり、“カミソリ”の異名を持つ。
「ゾンファ星系は離れすぎており、手に入れる価値はありません。全体主義者たちをどの程度排除できるかにもよりますが、扱いにくい植民地を得ても我が国の負担が増えるだけでしょうから」
「その点に関しては私も同感だ」とノースブルックは頷く。
「最も望ましいのは、我が国に友好的な政権を発足させ、民主主義を定着させることです。一度、自由を知れば、ゾンファ国民も独裁政治に戻りたいと思わないでしょうから。その上で不可侵条約と通商条約を締結し、自由星系国家連合と同様に交易相手とするのが上策だと考えます」
その意見に対し、軍務卿のエマニュエル・コパーウィートが賛同する。
「私も外務卿のご意見に賛成です。付け加えるなら、政権交代を促進するため、我が国からも大規模な兵力を派遣すべきですな。ユーイング提督からの報告では、増派艦隊が到着後、準備ができ次第、ジュンツェン星系に進攻するとのことですから、こちらからも一定数の艦隊を派遣すれば、ゾンファが手を出せない兵力とすることができます」
その発言に多くの参加者から賛同の声が上がる。
ノースブルックはそれを軽く手を上げて鎮めると、発言を始めた。
「ゾンファに新たな政権を発足させ、我が国との友好条約を締結させることについては賛成だ。軍務卿の言う通り、艦隊を派遣することも必要だろう。だが、一つ問題がある。ゾンファ星系まではここキャメロットから五十パーセク(約百六十三光年)近い距離がある。戦闘を考慮しなくとも、大規模な輸送艦隊が必須となるだろう」
その意見にコパーウィートが大きく頷く。
「確かにその通りです。通常の倍は輸送艦が必要と考えた方がよいでしょう」
「では、早急に派遣艦隊の準備を頼む。追って情報が来るだろうが、準備を進めておけば、速やかに艦隊を派遣できるからな」
コパーウィートが艦隊派遣の準備を指示するため、退出する。
「では、ゾンファ政府との交渉についてだ。戦争の責任を取らせることは当然だが、これはヤシマに任せてもいい。我が国としては、賠償金を確実に受け取ることの方が重要だからだ。これに関して意見は?」
再びマールバラが発言を求めた。
「賠償を得ることは難しいでしょう。ゾンファは貧しい国ではありませんが、今回の艦隊の増強でかなり無理をしているはずです。かと言って、領土を増やしても意味がありません。ジュンツェン星系を含め、近隣の星系に我々が欲する資源はありませんから」
「そうなると、長期間の分割払いにならざるを得んということか。不確実だが、有権者に納得してもらうためには、大きな総額を見せるしかない」
ノースブルックの意見に消極的な賛成の声が上がった。
その後、全権大使としてマールバラが派遣されること、艦隊はキャメロット星系から三個艦隊、アテナ星系から二個艦隊の計五個艦隊とし、ヤシマ星系から派遣される艦隊と合流した後、自由星系国家連合艦隊と協議の上、ゾンファ星系への派遣数を決めることが決まった。
七月二十五日。
ヤシマ星系から第二報が届いたが、特に計画を変更することなく、外交使節と艦隊の派遣が決められた。二日後の七月二十七日に艦隊は出発した。
■■■
八月十六日。
ヤシマ星系を発したアルビオン王国とFSUの連合艦隊がジュンツェン星系に到着してから五日が経過した。
その間にFSU艦隊とゾンファの地上部隊、そしてヤシマで降伏した反乱兵士たちを乗せた輸送部隊に加え、物資を満載した補給艦隊の編成が進められている。
二日前の八月十四日にフェイ・ツーロン上将の意識が一旦回復した。
意識は回復したものの、予断を許さない状況であり、現状の説明を行っただけだが、フェイに回復の兆しが見えたことで、革命軍の主要なメンバーの表情が明るくなった。彼らは准士官や下士官に過ぎず、軍を統率するという重圧に耐えかねていたのだ。
フェイは状況を聞くと、静かに頷いた。
「アルビオンとFSUに任せるしかあるまい」とだけ告げ、再び昏睡状態に陥った。
その後、フェイは何度か意識を取り戻しているが、革命軍に自重を求めるだけで、特に明確な方針は示さなかった。彼は自分の状態を理解しており、アルビオンとFSUに委ねるしかないと達観するしかなかったのだ。
そのため、アルビオン艦隊はゾンファ革命軍を指導するという名目で、ジュンツェン星系に駐屯することになった。
これは革命軍という組織が非常に不安定なものであるためだ。
慣れない者が集団で大きな組織を管理しているため、内紛を起こして革命軍自体が崩壊することを懸念したのだ。
また、ハイフォン星系経由でキャメロット星系に情報を送り、政府の指示を待っている状況だが、キャメロット星系までは約二十パーセク(約六十五光年)あるため、政府の方針が届くには最速でも一ヶ月半は掛かる。そのため、艦隊はこれ以上動くに動けない状況だったのだ。
しかし、思いの外、早く政府の方針が伝えられた。
キャメロットから艦隊と外交使節団が発したという情報が、情報通報艦により伝えられたのだ。
「さすがはノースブルック首相ね。手を打つのが早いわ」
ハースがそう言うと、クリフォードも大きく頷く。
「これで我が国も交渉に加われます。サイトウ首相もずいぶん助かるでしょう」
その情報が届く前、ヤシマのサイトウ首相からハースに対し、ゾンファ星系までの同行を要請されている。
「優れた外交官でもあるハース提督に同行していただけると心強いのだが」
サイトウはハースが以前、ロンバルディア連合を説得したことを思い出したのだ。
それに対し、ハースははっきりと断っている。
「小官はアルビオン王国の軍人であり、外交に関する権限を持ちません。オブザーバーとして意見を述べることは難しいと考えますし、ゾンファまでは三十パーセク(約九十八光年)もありますから、それだけの期間、艦隊を離れるわけにはまいりません」
サイトウもその通りだと納得していたのだ。
八月二十日。
キャメロットを発した外交使節と艦隊がジュンツェン星系に到着した。
全権大使であるマールバラは到着と同時にサイトウに面会を申し込み、今後の方針について話し合った。その場にはハースとクリフォードもオブザーバーとして参加している。
サイトウは開口一番、生真面目な彼にしては珍しく笑みを浮かべて謝辞を伝えた。
「我が国の外交官も同行させているが、歴戦の外交官であるマールバラ子爵が同行してくれることは大変心強い。歩調を合わせて、平和をもたらしましょう」
マールバラもそれに頷いていた。
その後、アルビオン艦隊の派遣数などが協議され、最終的に三個艦隊がFSU艦隊に同行することになった。
これはアルビオンとFSUが対等の同盟国であることを示すため、同数にしたこともあるが、ゾンファ星系に残る艦隊数が五個であることが判明したことが大きい。
余裕をもってもう二個艦隊を派遣してはという意見もあったが、兵站に負担が掛かり過ぎるため、ギリギリの数となった。
更にヤシマから派遣されたキャメロット第二艦隊他についても帰還が決まり、クリフォードたちもその艦隊共にヤシマ星系に向かった。
キャメロット星系に第二次タカマガハラ会戦の勝利の報告が届いた。
星系全体が戦勝に湧く中、首相であるウーサー・ノースブルック伯爵は、直ちに関係者を集め、今後の外交及び防衛政策について協議を行った。
「ゾンファ共和国政府と国家統一党の権威が大きく傷つけられたことは確実だ。この機にゾンファから野心家たちを一掃しなければならない。我が国としてどのような方針を採るべきか、忌憚のない意見を求める」
ノースブルックの発言の後、外務卿のエドウィン・マールバラ子爵が発言を求めた。
外務省の長官に当たる外務卿は本来首都アルビオンにいるのだが、ゾンファのヤシマ侵攻への対応のため、ノースブルックがキャメロット星系に来るよう要請した。
マールバラはノースブルックの古くからの盟友で、外務官僚を経て保守党の議員となり、ノースブルック内閣発足により外務卿に就任している。
彼は細面に鋭い目つきと銀縁の眼鏡から、怜悧な官僚という印象を与える人物だ。その見た目通り弁舌にキレがあり、“カミソリ”の異名を持つ。
「ゾンファ星系は離れすぎており、手に入れる価値はありません。全体主義者たちをどの程度排除できるかにもよりますが、扱いにくい植民地を得ても我が国の負担が増えるだけでしょうから」
「その点に関しては私も同感だ」とノースブルックは頷く。
「最も望ましいのは、我が国に友好的な政権を発足させ、民主主義を定着させることです。一度、自由を知れば、ゾンファ国民も独裁政治に戻りたいと思わないでしょうから。その上で不可侵条約と通商条約を締結し、自由星系国家連合と同様に交易相手とするのが上策だと考えます」
その意見に対し、軍務卿のエマニュエル・コパーウィートが賛同する。
「私も外務卿のご意見に賛成です。付け加えるなら、政権交代を促進するため、我が国からも大規模な兵力を派遣すべきですな。ユーイング提督からの報告では、増派艦隊が到着後、準備ができ次第、ジュンツェン星系に進攻するとのことですから、こちらからも一定数の艦隊を派遣すれば、ゾンファが手を出せない兵力とすることができます」
その発言に多くの参加者から賛同の声が上がる。
ノースブルックはそれを軽く手を上げて鎮めると、発言を始めた。
「ゾンファに新たな政権を発足させ、我が国との友好条約を締結させることについては賛成だ。軍務卿の言う通り、艦隊を派遣することも必要だろう。だが、一つ問題がある。ゾンファ星系まではここキャメロットから五十パーセク(約百六十三光年)近い距離がある。戦闘を考慮しなくとも、大規模な輸送艦隊が必須となるだろう」
その意見にコパーウィートが大きく頷く。
「確かにその通りです。通常の倍は輸送艦が必要と考えた方がよいでしょう」
「では、早急に派遣艦隊の準備を頼む。追って情報が来るだろうが、準備を進めておけば、速やかに艦隊を派遣できるからな」
コパーウィートが艦隊派遣の準備を指示するため、退出する。
「では、ゾンファ政府との交渉についてだ。戦争の責任を取らせることは当然だが、これはヤシマに任せてもいい。我が国としては、賠償金を確実に受け取ることの方が重要だからだ。これに関して意見は?」
再びマールバラが発言を求めた。
「賠償を得ることは難しいでしょう。ゾンファは貧しい国ではありませんが、今回の艦隊の増強でかなり無理をしているはずです。かと言って、領土を増やしても意味がありません。ジュンツェン星系を含め、近隣の星系に我々が欲する資源はありませんから」
「そうなると、長期間の分割払いにならざるを得んということか。不確実だが、有権者に納得してもらうためには、大きな総額を見せるしかない」
ノースブルックの意見に消極的な賛成の声が上がった。
その後、全権大使としてマールバラが派遣されること、艦隊はキャメロット星系から三個艦隊、アテナ星系から二個艦隊の計五個艦隊とし、ヤシマ星系から派遣される艦隊と合流した後、自由星系国家連合艦隊と協議の上、ゾンファ星系への派遣数を決めることが決まった。
七月二十五日。
ヤシマ星系から第二報が届いたが、特に計画を変更することなく、外交使節と艦隊の派遣が決められた。二日後の七月二十七日に艦隊は出発した。
■■■
八月十六日。
ヤシマ星系を発したアルビオン王国とFSUの連合艦隊がジュンツェン星系に到着してから五日が経過した。
その間にFSU艦隊とゾンファの地上部隊、そしてヤシマで降伏した反乱兵士たちを乗せた輸送部隊に加え、物資を満載した補給艦隊の編成が進められている。
二日前の八月十四日にフェイ・ツーロン上将の意識が一旦回復した。
意識は回復したものの、予断を許さない状況であり、現状の説明を行っただけだが、フェイに回復の兆しが見えたことで、革命軍の主要なメンバーの表情が明るくなった。彼らは准士官や下士官に過ぎず、軍を統率するという重圧に耐えかねていたのだ。
フェイは状況を聞くと、静かに頷いた。
「アルビオンとFSUに任せるしかあるまい」とだけ告げ、再び昏睡状態に陥った。
その後、フェイは何度か意識を取り戻しているが、革命軍に自重を求めるだけで、特に明確な方針は示さなかった。彼は自分の状態を理解しており、アルビオンとFSUに委ねるしかないと達観するしかなかったのだ。
そのため、アルビオン艦隊はゾンファ革命軍を指導するという名目で、ジュンツェン星系に駐屯することになった。
これは革命軍という組織が非常に不安定なものであるためだ。
慣れない者が集団で大きな組織を管理しているため、内紛を起こして革命軍自体が崩壊することを懸念したのだ。
また、ハイフォン星系経由でキャメロット星系に情報を送り、政府の指示を待っている状況だが、キャメロット星系までは約二十パーセク(約六十五光年)あるため、政府の方針が届くには最速でも一ヶ月半は掛かる。そのため、艦隊はこれ以上動くに動けない状況だったのだ。
しかし、思いの外、早く政府の方針が伝えられた。
キャメロットから艦隊と外交使節団が発したという情報が、情報通報艦により伝えられたのだ。
「さすがはノースブルック首相ね。手を打つのが早いわ」
ハースがそう言うと、クリフォードも大きく頷く。
「これで我が国も交渉に加われます。サイトウ首相もずいぶん助かるでしょう」
その情報が届く前、ヤシマのサイトウ首相からハースに対し、ゾンファ星系までの同行を要請されている。
「優れた外交官でもあるハース提督に同行していただけると心強いのだが」
サイトウはハースが以前、ロンバルディア連合を説得したことを思い出したのだ。
それに対し、ハースははっきりと断っている。
「小官はアルビオン王国の軍人であり、外交に関する権限を持ちません。オブザーバーとして意見を述べることは難しいと考えますし、ゾンファまでは三十パーセク(約九十八光年)もありますから、それだけの期間、艦隊を離れるわけにはまいりません」
サイトウもその通りだと納得していたのだ。
八月二十日。
キャメロットを発した外交使節と艦隊がジュンツェン星系に到着した。
全権大使であるマールバラは到着と同時にサイトウに面会を申し込み、今後の方針について話し合った。その場にはハースとクリフォードもオブザーバーとして参加している。
サイトウは開口一番、生真面目な彼にしては珍しく笑みを浮かべて謝辞を伝えた。
「我が国の外交官も同行させているが、歴戦の外交官であるマールバラ子爵が同行してくれることは大変心強い。歩調を合わせて、平和をもたらしましょう」
マールバラもそれに頷いていた。
その後、アルビオン艦隊の派遣数などが協議され、最終的に三個艦隊がFSU艦隊に同行することになった。
これはアルビオンとFSUが対等の同盟国であることを示すため、同数にしたこともあるが、ゾンファ星系に残る艦隊数が五個であることが判明したことが大きい。
余裕をもってもう二個艦隊を派遣してはという意見もあったが、兵站に負担が掛かり過ぎるため、ギリギリの数となった。
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