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第六部:「ヤシマ星系を死守せよ」
第二十九話
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宇宙暦四五二三年六月五日。
アルビオン艦隊の司令官たちは今後の方針について話し合っていた。
先のイーグンジャンプポイント会戦でアルビオン艦隊の総司令官を務めた第七艦隊のオズワルド・フレッチャー大将は、ゾンファ共和国が大艦隊を差し向けてきた場合、即座に撤退すべきと主張する。
それに対し、第九艦隊の司令官アデル・ハース大将はヤシマが降伏した場合、アルビオン王国が危機的状況に陥ると反論し、適切な対応をすればゾンファを退けられると反論した。
新たにヤシマに到着した第六艦隊の司令官、ジャスティーナ・ユーイング大将が質問する。
「ところでハース提督の作戦はどのようなものなのでしょうか?」と独特の鼻に掛かったような声で聞いた。
ハースが答える前に「机上の空論だ」とフレッチャーが吐き捨てるように言うが、ユーイングはそれを無視する。
「“賢者”殿の秘策をぜひともお聞きしたいですわ。ですが、この場ではよろしくなさそうですので、私の旗艦でお話ししましょう」
ユーイングはハースにそう言い、フレッチャーに対して冷ややかな目を向ける。
「方針としてはFSUの艦隊を待つだけのようですので、私はこれで失礼させていただきますわ」
そして、フレッチャーが言葉を発する前に第八艦隊の司令官ノーラ・レイヤード大将と第十一艦隊の司令官サンドラ・サウスゲート大将に声を掛ける。
「レイヤード提督とサウスゲート提督のご意見もぜひとも伺いたいですわ。ご一緒にいかがかしら?」
レイヤードは生真面目な性格と苛烈な指揮を執ることから、“鉄の女”と陰で呼ばれる女性将官だ。
サウスゲートは身長百八十センチと女性にしては大柄で、それに見合った大声と豪快な指揮から“女戦士”と呼ばれている猛将だ。
二人ともその性格から、撤退を主張するだけで具体的な提案を行わないフレッチャーに思うところがあり、即座に了承する。
「情報のすり合わせもあるから、小官に異存はない」とサウスゲートが答え、レイヤードも頷きながら立ち上がった。
ユーイングはこの会議を通じ、フレッチャーがハースを嫌っていることを感じていた。また、国のことよりも自身の生命やキャリアを考えていることにも気づいていた。
(この人はリンドグレーン提督から何も学んでいないようね。個人的な嫉妬で国を危うくすることの愚かしさを……)
ハースの作戦を直接聞き、実施に値しないものか確認しようと考えたが、フレッチャーがいる場では議論にならないと別の場所での話し合いを提案したのだ。
更に消極的な態度のフレッチャーに苛立っているサウスゲートやレイヤードを味方に引き入れることで、フレッチャーの指揮権を奪うことすら考えていた。
(このままでは五年前の二の舞になってしまうわ。あの方には申し訳ないのだけど、退場していただくことも考えなければいけませんわね……)
ユーイングは五年前のジュンツェン星系会戦において、敵前逃亡を図ったリンドグレーン艦隊によって苦しい戦いを余儀なくされた。そのため、温厚な彼女にしては珍しく、フレッチャーの態度に腹を立てていたのだ。
四人の女性司令官はユーイングの旗艦、キング・ジョージ39の司令官室に入った。そして、ハースが作戦の概要を説明していく。
「まず帝国側のダジボーグJPにあるステルス機雷をすべてタカマガハラ周辺に配置し、それを活用します」
ハースの説明にユーイングが首を傾げる。
「イーグンJP会戦でも同じようにされたのでは? それでも強化されたゾンファ艦にはあまり有効ではなかったと記憶しているのですが?」
ハースはにこりと笑い、小さく頷く。
「おっしゃる通りですが、今回は少しやり方を変えます。イーグンJPではミサイル発射管の代わりにしましたが、今回はステルス性に着目します」
「ステルス性ですか?」と小首を傾げる。
「はい。JPにステルス機雷があるのは当然ですので、奇襲効果という点では有効ではありません。ですが、思わぬところから思わぬタイミングでステルスミサイルが襲い掛かれば、敵は必ず混乱します。実際、我が軍もダジボーグ星系で混乱しましたから」
先年のスヴァローグ帝国のダジボーグ星系での戦いではガス惑星のリング内に隠された小型艦から攻撃を受け、圧倒的に優勢であったにもかかわらず混乱に陥っている。
「つまり敵を引き込んで、艦隊や軍事衛星ではない方向から攻撃させようということですか……効果的ではあるのでしょうけど、圧倒的に優勢な敵に対して逆転できるほどの策とは言えないのではありませんこと?」
「もちろん、それだけではありません。これはあくまで本命の策を有効にするための準備なのですから」
「その本命の策とはどのようなものなのですか?」
「これは私の艦長が考えたことなのですが、“敵の心を攻める”ことを目的としております……」
ハースは作戦の骨子を説明していった。
五分ほどで説明を終えると、ユーイングは「あの“崖っぷち”の坊やが……」と思わず呟く。
しかし、驚きはあったものの成果が期待できないほど危険な策とは思わなかった。
そこでサウスゲートが話に加わった。
「小官も話を聞いて驚いた。正直なところ、成功率がどの程度かは小官のような大雑把な者には分からんが、賢者殿が賭ける価値があるというならやるべきだろう」
レイヤードもそれに頷く。
「小官もやる価値はあると思う。仮に失敗しても嫌がらせにはなる。何もせずに撤退するより、余程よい」
「それにしてもこれだけ評価されているのに、なぜフレッチャー提督は反対されるのでしょうか?」
ユーイングの問いにハースではなく、サウスゲートがばつの悪そうな顔をしながら答える。
「それは小官のせいだ。フレッチャー提督への説明の際にコリングウッド艦長の名を出してしまったのだ。詳しくは知らぬが、コリングウッド艦長が気に入らぬらしい」
そこでハースが苦笑気味に説明を加える。
「彼が王太子殿下の護衛戦隊の司令をしていた際に、部下の駆逐艦の艦長が命令違反を起こしました。フレッチャー提督はその艦長の父親と懇意の間柄だったようです。これが原因かは分かりませんが」
「そのような個人的なことで……」とユーイングが絶句する。
その後、四人はフレッチャーに対し、直談判を行った。
しかし、フレッチャーは頑強に抵抗した。
「何度言われても総司令官としての答えはノーだ」
「ですが、それが最善の決定ではないと、現地の司令官が申し立てております。ここヤシマにいる五人の大将のうち、四人までが反対している作戦を決行するのであれば、我々にも考えがあります」
ユーイングはいつも妖艶な笑みを消し、厳しい表情で迫る。
「考えとは何だ?」とフレッチャーは聞くが、彼にも何をしようとしているのか分かっていた。
「艦隊運用規則に従えば、総司令官の判断が明らかに誤っている場合、副司令官格の将官の四分の三以上が賛同すれば、指揮権を剥奪することは可能です」
艦隊司令官の職を解くことができると示唆すると激昂する。
「貴官らは小官を脅すというのか! だが、何を言われようが、このような無謀な冒険を認める気はない! やりたいのであれば、正式に私の指揮権を奪い、諸君らの責任でやればよい!」
その言葉にハースは「分かりました」といつもの笑みを消して答え、更に言葉を続けた。
「小官の名でフレッチャー提督の指揮権剥奪を提案します。皆さん、よろしいですね」
そこでユーイングは頷くが、自らが提案者になると宣言する。
「私が最先任ですので、私の名で公文書を作成いたしますわ。元々私が言い出したことですから」
ハースとユーイングが賛成したことから、サウスゲートとレイヤードも賛成に回る。
ハースは三人に感謝の意味を込め、軽く会釈する。
「第七艦隊はサウスゲート提督の第十一艦隊と合流してはいかがでしょうか? それと我が軍の将兵の士気を考慮して、フレッチャー提督は療養していただくと発表した方がよいと思います」
ユーイングはハースに小さく頷くと、フレッチャーに視線を向けた。
「私はそれで構いません。フレッチャー提督、それでよろしいですわね」
「それで構わん。部下も統率できぬ無能と罵られるかもしれんが、無謀な冒険で無為に将兵を損なう愚将と言われるより余程マシだ」
それだけ言うと、四人の前から立ち去った。
残されたハースたちはフレッチャーのことを意識から締め出し、今後の作戦について話し合いを始めた。
今までのアルビオン軍の歴史の中で、艦隊司令官たちが総司令官を更迭したという例は数えるほどしかない。
四人がこれほど強引にことを進めたのはフレッチャーの方針では祖国に危機が及ぶと考えたことが一番だが、五年前のリンドグレーンの暴走の記憶も影響している。
もし、フレッチャーの艦隊司令官職を解かず、第七艦隊の指揮を任せた場合、単独で離脱する可能性があった。その場合、単に戦力として一個艦隊が抜けた影響以上に、アルビオンやFSUの将兵の士気を大きく下げる恐れがあった。それを懸念したのだ。
彼女たちはそれぞれ戦いの後に大きな問題になると考えたが、今は勝利することを第一にすべきと腹を括った。
アルビオン艦隊の司令官たちは今後の方針について話し合っていた。
先のイーグンジャンプポイント会戦でアルビオン艦隊の総司令官を務めた第七艦隊のオズワルド・フレッチャー大将は、ゾンファ共和国が大艦隊を差し向けてきた場合、即座に撤退すべきと主張する。
それに対し、第九艦隊の司令官アデル・ハース大将はヤシマが降伏した場合、アルビオン王国が危機的状況に陥ると反論し、適切な対応をすればゾンファを退けられると反論した。
新たにヤシマに到着した第六艦隊の司令官、ジャスティーナ・ユーイング大将が質問する。
「ところでハース提督の作戦はどのようなものなのでしょうか?」と独特の鼻に掛かったような声で聞いた。
ハースが答える前に「机上の空論だ」とフレッチャーが吐き捨てるように言うが、ユーイングはそれを無視する。
「“賢者”殿の秘策をぜひともお聞きしたいですわ。ですが、この場ではよろしくなさそうですので、私の旗艦でお話ししましょう」
ユーイングはハースにそう言い、フレッチャーに対して冷ややかな目を向ける。
「方針としてはFSUの艦隊を待つだけのようですので、私はこれで失礼させていただきますわ」
そして、フレッチャーが言葉を発する前に第八艦隊の司令官ノーラ・レイヤード大将と第十一艦隊の司令官サンドラ・サウスゲート大将に声を掛ける。
「レイヤード提督とサウスゲート提督のご意見もぜひとも伺いたいですわ。ご一緒にいかがかしら?」
レイヤードは生真面目な性格と苛烈な指揮を執ることから、“鉄の女”と陰で呼ばれる女性将官だ。
サウスゲートは身長百八十センチと女性にしては大柄で、それに見合った大声と豪快な指揮から“女戦士”と呼ばれている猛将だ。
二人ともその性格から、撤退を主張するだけで具体的な提案を行わないフレッチャーに思うところがあり、即座に了承する。
「情報のすり合わせもあるから、小官に異存はない」とサウスゲートが答え、レイヤードも頷きながら立ち上がった。
ユーイングはこの会議を通じ、フレッチャーがハースを嫌っていることを感じていた。また、国のことよりも自身の生命やキャリアを考えていることにも気づいていた。
(この人はリンドグレーン提督から何も学んでいないようね。個人的な嫉妬で国を危うくすることの愚かしさを……)
ハースの作戦を直接聞き、実施に値しないものか確認しようと考えたが、フレッチャーがいる場では議論にならないと別の場所での話し合いを提案したのだ。
更に消極的な態度のフレッチャーに苛立っているサウスゲートやレイヤードを味方に引き入れることで、フレッチャーの指揮権を奪うことすら考えていた。
(このままでは五年前の二の舞になってしまうわ。あの方には申し訳ないのだけど、退場していただくことも考えなければいけませんわね……)
ユーイングは五年前のジュンツェン星系会戦において、敵前逃亡を図ったリンドグレーン艦隊によって苦しい戦いを余儀なくされた。そのため、温厚な彼女にしては珍しく、フレッチャーの態度に腹を立てていたのだ。
四人の女性司令官はユーイングの旗艦、キング・ジョージ39の司令官室に入った。そして、ハースが作戦の概要を説明していく。
「まず帝国側のダジボーグJPにあるステルス機雷をすべてタカマガハラ周辺に配置し、それを活用します」
ハースの説明にユーイングが首を傾げる。
「イーグンJP会戦でも同じようにされたのでは? それでも強化されたゾンファ艦にはあまり有効ではなかったと記憶しているのですが?」
ハースはにこりと笑い、小さく頷く。
「おっしゃる通りですが、今回は少しやり方を変えます。イーグンJPではミサイル発射管の代わりにしましたが、今回はステルス性に着目します」
「ステルス性ですか?」と小首を傾げる。
「はい。JPにステルス機雷があるのは当然ですので、奇襲効果という点では有効ではありません。ですが、思わぬところから思わぬタイミングでステルスミサイルが襲い掛かれば、敵は必ず混乱します。実際、我が軍もダジボーグ星系で混乱しましたから」
先年のスヴァローグ帝国のダジボーグ星系での戦いではガス惑星のリング内に隠された小型艦から攻撃を受け、圧倒的に優勢であったにもかかわらず混乱に陥っている。
「つまり敵を引き込んで、艦隊や軍事衛星ではない方向から攻撃させようということですか……効果的ではあるのでしょうけど、圧倒的に優勢な敵に対して逆転できるほどの策とは言えないのではありませんこと?」
「もちろん、それだけではありません。これはあくまで本命の策を有効にするための準備なのですから」
「その本命の策とはどのようなものなのですか?」
「これは私の艦長が考えたことなのですが、“敵の心を攻める”ことを目的としております……」
ハースは作戦の骨子を説明していった。
五分ほどで説明を終えると、ユーイングは「あの“崖っぷち”の坊やが……」と思わず呟く。
しかし、驚きはあったものの成果が期待できないほど危険な策とは思わなかった。
そこでサウスゲートが話に加わった。
「小官も話を聞いて驚いた。正直なところ、成功率がどの程度かは小官のような大雑把な者には分からんが、賢者殿が賭ける価値があるというならやるべきだろう」
レイヤードもそれに頷く。
「小官もやる価値はあると思う。仮に失敗しても嫌がらせにはなる。何もせずに撤退するより、余程よい」
「それにしてもこれだけ評価されているのに、なぜフレッチャー提督は反対されるのでしょうか?」
ユーイングの問いにハースではなく、サウスゲートがばつの悪そうな顔をしながら答える。
「それは小官のせいだ。フレッチャー提督への説明の際にコリングウッド艦長の名を出してしまったのだ。詳しくは知らぬが、コリングウッド艦長が気に入らぬらしい」
そこでハースが苦笑気味に説明を加える。
「彼が王太子殿下の護衛戦隊の司令をしていた際に、部下の駆逐艦の艦長が命令違反を起こしました。フレッチャー提督はその艦長の父親と懇意の間柄だったようです。これが原因かは分かりませんが」
「そのような個人的なことで……」とユーイングが絶句する。
その後、四人はフレッチャーに対し、直談判を行った。
しかし、フレッチャーは頑強に抵抗した。
「何度言われても総司令官としての答えはノーだ」
「ですが、それが最善の決定ではないと、現地の司令官が申し立てております。ここヤシマにいる五人の大将のうち、四人までが反対している作戦を決行するのであれば、我々にも考えがあります」
ユーイングはいつも妖艶な笑みを消し、厳しい表情で迫る。
「考えとは何だ?」とフレッチャーは聞くが、彼にも何をしようとしているのか分かっていた。
「艦隊運用規則に従えば、総司令官の判断が明らかに誤っている場合、副司令官格の将官の四分の三以上が賛同すれば、指揮権を剥奪することは可能です」
艦隊司令官の職を解くことができると示唆すると激昂する。
「貴官らは小官を脅すというのか! だが、何を言われようが、このような無謀な冒険を認める気はない! やりたいのであれば、正式に私の指揮権を奪い、諸君らの責任でやればよい!」
その言葉にハースは「分かりました」といつもの笑みを消して答え、更に言葉を続けた。
「小官の名でフレッチャー提督の指揮権剥奪を提案します。皆さん、よろしいですね」
そこでユーイングは頷くが、自らが提案者になると宣言する。
「私が最先任ですので、私の名で公文書を作成いたしますわ。元々私が言い出したことですから」
ハースとユーイングが賛成したことから、サウスゲートとレイヤードも賛成に回る。
ハースは三人に感謝の意味を込め、軽く会釈する。
「第七艦隊はサウスゲート提督の第十一艦隊と合流してはいかがでしょうか? それと我が軍の将兵の士気を考慮して、フレッチャー提督は療養していただくと発表した方がよいと思います」
ユーイングはハースに小さく頷くと、フレッチャーに視線を向けた。
「私はそれで構いません。フレッチャー提督、それでよろしいですわね」
「それで構わん。部下も統率できぬ無能と罵られるかもしれんが、無謀な冒険で無為に将兵を損なう愚将と言われるより余程マシだ」
それだけ言うと、四人の前から立ち去った。
残されたハースたちはフレッチャーのことを意識から締め出し、今後の作戦について話し合いを始めた。
今までのアルビオン軍の歴史の中で、艦隊司令官たちが総司令官を更迭したという例は数えるほどしかない。
四人がこれほど強引にことを進めたのはフレッチャーの方針では祖国に危機が及ぶと考えたことが一番だが、五年前のリンドグレーンの暴走の記憶も影響している。
もし、フレッチャーの艦隊司令官職を解かず、第七艦隊の指揮を任せた場合、単独で離脱する可能性があった。その場合、単に戦力として一個艦隊が抜けた影響以上に、アルビオンやFSUの将兵の士気を大きく下げる恐れがあった。それを懸念したのだ。
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