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第一部:「士官候補生コリングウッド」
第二十八話
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宇宙暦四五一二年十月二十三日 一〇五〇
クーロンベースの主制御室では司令のカオ・ルーリン准将が、敵のスループ艦の動きを見て、敵が味方を救いに行くという自分の考えに間違いがなく、罠に掛かったと確信した。
シートから立ち上がり、満面の笑みを浮かべて叫ぶ。
「よし、敵は私の策に引っ掛かったぞ! P-331のグァン・フェン艦長に出撃を命じろ!」
オペレータの一人が報告を行う。
「グァン艦長に連絡しました。五分以内に出撃するとのことです」
それに対し、カオ司令は頷くと、命令を発した。
「防御スクリーン開放時にベースが損傷するかもしれない。念のため、各エリアの閉鎖と緊急補修体制を取らせておけ」
MCR要員たちはその命令を実行するため、慌ただしく動き始めた。
カオ司令は周囲の喧騒を無視し、メインスクリーンを見つめながら満足げな表情を浮かべる。
(これで敵は沈められる。あとはP-331の超光速航行機関と対消滅炉が損傷しないことを祈るだけだ。まあ、敵が私の策に掛かった以上、杞憂かもしれないがな)
彼は自分の思ったとおりに敵が動いていることに安堵していた。
ブルーベルの副長アナベラ・グレシャム大尉であれば、コリングウッド候補生の作戦案にあった言葉を思い出したかもしれない。
『相手が最も望ましいと思う行動を取ることにより、その思考を制限する』
カオ司令はその言葉通りにエルマー・マイヤーズ艦長の策に嵌っていった。
五分ほど経ったところで、オペレータがカオ司令に「P-331から出撃許可と防御スクリーン開放要請が来ました」と報告する。
「出撃許可を出せ、防御スクリーンはグァン・フェンの指示に合わせてやれ」
カオ司令はそれに鷹揚に答えた。
メインスクリーンには敵のスループ艦が味方の搭載艇の援護に向かうため、ドック正面から離れ始めている様子が映っていた。
「P-331係留解除、十秒後に防御スクリーン開放します」というオペレータの声が響いているが、彼の耳には入っていなかった。
(よし、そのまま加速していけ。そうだ、いいぞ……)
彼は自分の策の成功を疑うことなく、スクリーンを見つめている。
彼にとってこの瞬間が襲撃後における唯一幸せな時間だった。
■■■
ゾンファ軍通商破壊艦P-331のグァン・フェン艦長代行はクーロンベースのMCRから敵スループ艦が潜入部隊の救助に向かった報告を受け、出撃のタイミングを計っていた。
カオ司令が自慢げに自分の策に敵は嵌ったと言っていることに辟易するが、確かに敵の動きは司令の思惑通りになっている。
(あの“頭でっかち”の策が本当に効いているのか? そもそも策と言うレベルの話でもなかったと思うが……どうも嫌な予感がするな……だが、この“穴蔵”から抜け出すチャンスでもある。敵の動きだと出撃時に一撃加えることはできそうにないが、もし撃たれたとしてもベースの被害は少なそうだな……)
部下たちの出撃準備完了の言葉を聞き、ベースのMCRに連絡を入れた。
「P-331のグァン・フェンだ。本艦の出撃準備は完了した。出撃許可と防御スクリーン開放を要請する」
MCRから「出撃を許可。防御スクリーンは貴官の指示で開放します」という答えが返ってきた。
「よし。出撃だ! さっさとあの鬱陶しいスループを沈めて、国に帰るぞ!」と部下たちに言ったあと、「P-331発進!」と命令を下した。
P-331を係留していたロックアームが銃を捧げる敬礼のような動作で上がっていく。そしてP-331は静かにドックの中を進み始める。
防御スクリーン開放のカウントダウンが始まると、P-331は狭いドック内で通常では考えられないような急激な加速を始めた。
ドック内はアルビオン軍により破壊された機器類が多数浮遊していたが、P-331の加速により、更に滅茶苦茶に飛び跳ねている。
壁や床に大型の破片が当たり、更にドック内の設備を破壊していくが、グァン・フェンは気にしていなかった。
(どうせもう使えないドックだ。少々壊れても気にする必要はないな)
■■■
アルビオン軍スループ艦ブルーベル34号は敵ベースからわずか〇・一光秒の位置にいた。その位置で味方の潜入部隊を救いに行くという欺瞞行動を続けていた。
「敵ベースの防御スクリーン消失! ゲート開放中!」
情報士であるフィラーナ・クイン中尉の叫び声が戦闘指揮所に響く。
エルマー・マイヤーズ艦長がそれに「了解」と答え、冷静な口調で命令を発した。
「艦首を敵ベースゲートに向けろ。主砲及びカロネードは順次攻撃。主砲が壊れても構わん。運用規則は無視していい」
「了解しました、艦長!」
戦術士のオルガ・ロートン大尉が力強く答え、「攻撃開始!」と命じると、メインスクリーンに主砲から光速付近まで加速された荷電粒子が撃ち出され、星間物質をプラズマ化した残光により白い光の柱が現れる。更にその後をカロネード砲の射出した金属弾が追従する。
「初弾、ゲートに命中。出力五〇パーセントで三秒ごとに発射。五秒後に散弾が着弾……」
ロートン大尉の抑えた声音の報告がCIC内に響く。
「敵通商破壊艦現れました! 神戸丸のも……」
クイン中尉の報告にロートン大尉の報告が被る。
「主砲、敵艦に命中。散弾三〇パーセント命中。円筒状弾薬容器残量八。更に攻撃を加えます……」
メインスクリーンには敵通商破壊艦の艦首から小さな爆発による発光が確認でき、更に四百メートルの艦体の右舷側の真ん中辺りに大きな爆発が二回見えた。
その影響で商船特有の太い艦体がグラグラとよろめいている。
マイヤーズ艦長はその映像を一瞥し、演習時と同じような落ち着いた声で次々と指示を出していく。
「了解。操舵長、最大加速に切替えてくれ。ロートン大尉、敵艦のスクリーン展開まで撃ち続けさせろ。クイン中尉、敵艦の状況を至急確認してくれ」
CIC内は敵艦の損傷に興奮することなく、全員が艦長の命令に従い、淡々と自らの仕事をこなしていく。
「敵艦、艦首および右舷中央部損傷確認! 敵艦防御スクリーン展開します!……」
「最大加速開始! 針路安定! 十秒後変針……」
「ロートン大尉、主砲の状況を報告させろ」
艦長の命令が転送されると、すぐに主兵装ブロックから掌砲長であるグロリア・グレン兵曹長の報告が上がってきた。
「こちらMAB。主砲各コイル温度高インタロック強制解除中。主兵装冷却系に加え、緊急冷却系を併用していますが、あと二回でコイル温度異常高による強制シャットダウンとなります」
「了解した。ガナー、シャットダウン後何分で使えるようになる?」
艦長の問いに、グレン兵曹長はプロらしい冷静な声で答える。
「コイルの再調整に二十分、いえ、十五分必要です」
「了解した。攻撃を一旦停止する。その間に再調整を行ってくれ。頼んだぞ、ガナー」
「了解しました、艦長」
マイヤーズ艦長はすぐにコクスンのアメリア・アンヴィル兵曹長に指示を出す。
「このまま、三百秒間加速を続けてくれ。〇・〇一光速になったら左に回頭する。回避パターンは任せる。クイン中尉、敵艦の状況を大至急解析してくれ……」
艦長の声に被るように機関長のデリック・トンプソン機関大尉の報告が上がってくる。
「CIC、こちら機関制御室。質量-熱量変換装置チャージ量二十パーセント以下。運用規則を逸脱した。艦長、この加速で主砲をあと二、三発撃ったら、MECが空になるぞ」
「了解した、チーフ。加速だけなら問題ないな」
「ああ、問題ない。対消滅炉は二基とも順調だ。だが、MECが空になると二基のバランスが崩れやすい。どちらかが過出力になるかもしれないから注意してくれ」
トンプソン機関長もやや焦り気味なのか、いつもは敬語で話すように注意している彼から敬語が消え、略語を多く使っていた。
機関科士官には上官に対してもぶっきらぼうな物言いをする者が多いが、彼は普段はできるだけ若い艦長を立てようと注意している。
しかし、数年振りの実戦でその余裕がなくなった。
マイヤーズ艦長は全く気にせず、努めて冷静な声で指示を出す。
「了解、チーフ。リアクターは任せた。だが、MEC残量が五パーセントを切るかもしれないから覚悟しておいてくれ」
ブルーベルは敵艦との最後の決戦に向けて、最後の準備を始めた。
クーロンベースの主制御室では司令のカオ・ルーリン准将が、敵のスループ艦の動きを見て、敵が味方を救いに行くという自分の考えに間違いがなく、罠に掛かったと確信した。
シートから立ち上がり、満面の笑みを浮かべて叫ぶ。
「よし、敵は私の策に引っ掛かったぞ! P-331のグァン・フェン艦長に出撃を命じろ!」
オペレータの一人が報告を行う。
「グァン艦長に連絡しました。五分以内に出撃するとのことです」
それに対し、カオ司令は頷くと、命令を発した。
「防御スクリーン開放時にベースが損傷するかもしれない。念のため、各エリアの閉鎖と緊急補修体制を取らせておけ」
MCR要員たちはその命令を実行するため、慌ただしく動き始めた。
カオ司令は周囲の喧騒を無視し、メインスクリーンを見つめながら満足げな表情を浮かべる。
(これで敵は沈められる。あとはP-331の超光速航行機関と対消滅炉が損傷しないことを祈るだけだ。まあ、敵が私の策に掛かった以上、杞憂かもしれないがな)
彼は自分の思ったとおりに敵が動いていることに安堵していた。
ブルーベルの副長アナベラ・グレシャム大尉であれば、コリングウッド候補生の作戦案にあった言葉を思い出したかもしれない。
『相手が最も望ましいと思う行動を取ることにより、その思考を制限する』
カオ司令はその言葉通りにエルマー・マイヤーズ艦長の策に嵌っていった。
五分ほど経ったところで、オペレータがカオ司令に「P-331から出撃許可と防御スクリーン開放要請が来ました」と報告する。
「出撃許可を出せ、防御スクリーンはグァン・フェンの指示に合わせてやれ」
カオ司令はそれに鷹揚に答えた。
メインスクリーンには敵のスループ艦が味方の搭載艇の援護に向かうため、ドック正面から離れ始めている様子が映っていた。
「P-331係留解除、十秒後に防御スクリーン開放します」というオペレータの声が響いているが、彼の耳には入っていなかった。
(よし、そのまま加速していけ。そうだ、いいぞ……)
彼は自分の策の成功を疑うことなく、スクリーンを見つめている。
彼にとってこの瞬間が襲撃後における唯一幸せな時間だった。
■■■
ゾンファ軍通商破壊艦P-331のグァン・フェン艦長代行はクーロンベースのMCRから敵スループ艦が潜入部隊の救助に向かった報告を受け、出撃のタイミングを計っていた。
カオ司令が自慢げに自分の策に敵は嵌ったと言っていることに辟易するが、確かに敵の動きは司令の思惑通りになっている。
(あの“頭でっかち”の策が本当に効いているのか? そもそも策と言うレベルの話でもなかったと思うが……どうも嫌な予感がするな……だが、この“穴蔵”から抜け出すチャンスでもある。敵の動きだと出撃時に一撃加えることはできそうにないが、もし撃たれたとしてもベースの被害は少なそうだな……)
部下たちの出撃準備完了の言葉を聞き、ベースのMCRに連絡を入れた。
「P-331のグァン・フェンだ。本艦の出撃準備は完了した。出撃許可と防御スクリーン開放を要請する」
MCRから「出撃を許可。防御スクリーンは貴官の指示で開放します」という答えが返ってきた。
「よし。出撃だ! さっさとあの鬱陶しいスループを沈めて、国に帰るぞ!」と部下たちに言ったあと、「P-331発進!」と命令を下した。
P-331を係留していたロックアームが銃を捧げる敬礼のような動作で上がっていく。そしてP-331は静かにドックの中を進み始める。
防御スクリーン開放のカウントダウンが始まると、P-331は狭いドック内で通常では考えられないような急激な加速を始めた。
ドック内はアルビオン軍により破壊された機器類が多数浮遊していたが、P-331の加速により、更に滅茶苦茶に飛び跳ねている。
壁や床に大型の破片が当たり、更にドック内の設備を破壊していくが、グァン・フェンは気にしていなかった。
(どうせもう使えないドックだ。少々壊れても気にする必要はないな)
■■■
アルビオン軍スループ艦ブルーベル34号は敵ベースからわずか〇・一光秒の位置にいた。その位置で味方の潜入部隊を救いに行くという欺瞞行動を続けていた。
「敵ベースの防御スクリーン消失! ゲート開放中!」
情報士であるフィラーナ・クイン中尉の叫び声が戦闘指揮所に響く。
エルマー・マイヤーズ艦長がそれに「了解」と答え、冷静な口調で命令を発した。
「艦首を敵ベースゲートに向けろ。主砲及びカロネードは順次攻撃。主砲が壊れても構わん。運用規則は無視していい」
「了解しました、艦長!」
戦術士のオルガ・ロートン大尉が力強く答え、「攻撃開始!」と命じると、メインスクリーンに主砲から光速付近まで加速された荷電粒子が撃ち出され、星間物質をプラズマ化した残光により白い光の柱が現れる。更にその後をカロネード砲の射出した金属弾が追従する。
「初弾、ゲートに命中。出力五〇パーセントで三秒ごとに発射。五秒後に散弾が着弾……」
ロートン大尉の抑えた声音の報告がCIC内に響く。
「敵通商破壊艦現れました! 神戸丸のも……」
クイン中尉の報告にロートン大尉の報告が被る。
「主砲、敵艦に命中。散弾三〇パーセント命中。円筒状弾薬容器残量八。更に攻撃を加えます……」
メインスクリーンには敵通商破壊艦の艦首から小さな爆発による発光が確認でき、更に四百メートルの艦体の右舷側の真ん中辺りに大きな爆発が二回見えた。
その影響で商船特有の太い艦体がグラグラとよろめいている。
マイヤーズ艦長はその映像を一瞥し、演習時と同じような落ち着いた声で次々と指示を出していく。
「了解。操舵長、最大加速に切替えてくれ。ロートン大尉、敵艦のスクリーン展開まで撃ち続けさせろ。クイン中尉、敵艦の状況を至急確認してくれ」
CIC内は敵艦の損傷に興奮することなく、全員が艦長の命令に従い、淡々と自らの仕事をこなしていく。
「敵艦、艦首および右舷中央部損傷確認! 敵艦防御スクリーン展開します!……」
「最大加速開始! 針路安定! 十秒後変針……」
「ロートン大尉、主砲の状況を報告させろ」
艦長の命令が転送されると、すぐに主兵装ブロックから掌砲長であるグロリア・グレン兵曹長の報告が上がってきた。
「こちらMAB。主砲各コイル温度高インタロック強制解除中。主兵装冷却系に加え、緊急冷却系を併用していますが、あと二回でコイル温度異常高による強制シャットダウンとなります」
「了解した。ガナー、シャットダウン後何分で使えるようになる?」
艦長の問いに、グレン兵曹長はプロらしい冷静な声で答える。
「コイルの再調整に二十分、いえ、十五分必要です」
「了解した。攻撃を一旦停止する。その間に再調整を行ってくれ。頼んだぞ、ガナー」
「了解しました、艦長」
マイヤーズ艦長はすぐにコクスンのアメリア・アンヴィル兵曹長に指示を出す。
「このまま、三百秒間加速を続けてくれ。〇・〇一光速になったら左に回頭する。回避パターンは任せる。クイン中尉、敵艦の状況を大至急解析してくれ……」
艦長の声に被るように機関長のデリック・トンプソン機関大尉の報告が上がってくる。
「CIC、こちら機関制御室。質量-熱量変換装置チャージ量二十パーセント以下。運用規則を逸脱した。艦長、この加速で主砲をあと二、三発撃ったら、MECが空になるぞ」
「了解した、チーフ。加速だけなら問題ないな」
「ああ、問題ない。対消滅炉は二基とも順調だ。だが、MECが空になると二基のバランスが崩れやすい。どちらかが過出力になるかもしれないから注意してくれ」
トンプソン機関長もやや焦り気味なのか、いつもは敬語で話すように注意している彼から敬語が消え、略語を多く使っていた。
機関科士官には上官に対してもぶっきらぼうな物言いをする者が多いが、彼は普段はできるだけ若い艦長を立てようと注意している。
しかし、数年振りの実戦でその余裕がなくなった。
マイヤーズ艦長は全く気にせず、努めて冷静な声で指示を出す。
「了解、チーフ。リアクターは任せた。だが、MEC残量が五パーセントを切るかもしれないから覚悟しておいてくれ」
ブルーベルは敵艦との最後の決戦に向けて、最後の準備を始めた。
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