魔帝戦記

愛山雄町

文字の大きさ
上 下
100 / 134
第三章「聖都攻略編」

第二十七話「聖都陥落:後篇」

しおりを挟む
 六月五日の正午前。
 聖堂騎士団の本部では聖騎士パラディンたちが今後の方針について話し合っていた。

「戦っても勝てる見込みはない。降伏するしかあるまい」

「降伏したとしても処刑されるだけだ。それならば、敵わずとも一戦交える方がよい」

「それでは無駄死にだ。陛下と同じように捲土重来を期して脱出すべきだ」

「どうやってあの巨人やオーガたちの包囲を突破するつもりなのだ? できるなら既にやっているのではないか?」

 喧々囂々けんけんごうごうとしているだけで結論は出ない。
 そんな中、第一連隊長であるディーン・ストーン伯爵はその様子を遠目に見ていた。

(議論も何もないではないか。こうなっては降伏するしかあるまいに……あとはどうやって処刑されずに生き残るかを考えるべきであろう……)

 騎士団長、副団長がいない現在、第一連隊長は聖堂騎士団の最高位である。三十代後半のストーンも将来は騎士団長に就任したいと思っていたが、この状況で騎士団の最上位者と言われても意味がないと考え、積極的に前には出ていない。

「ストーン伯のお考えをお聞かせいただきたい」

 若い聖騎士がストーンに話を振ってきた。

「今は雌伏の時であろうな。打って出ても脱出を図っても無駄死にするだけだ」

「では、第一連隊長殿は魔族に降るとおっしゃるのか! 聖騎士としての矜持はどうされたのか!」

 ベテランの大隊長がそう言って噛みつく。

「恥を忍んで生き延びる。そして、来たるべき反攻作戦の時にこの屈辱を晴らすしかあるまい」

「反攻作戦とは?」

「陛下も命が惜しくて脱出されたわけではあるまい。カダム連合かエルギン共和国辺りで各国の力を糾合し、ロセスの解放を目指されるはずだ。その時、精鋭である我らが一人でも多くそこに加わることが勝利につながるだろう」

「しかし、魔帝が我々を生かしておくでしょうか? それこそ無駄死にではありませんか?」

「どれほど屈辱的な扱いを受けようとも生き延びるために努力するのだ。これまで対応を見る限り、魔帝ラントは甘いところがある。特に武器を捨てた者に対しては。それにグラント帝国に対し、我らは何もしていない。処刑される理由はないということだ」

 その言葉に聖騎士たちも降伏すべきという考えに傾いていった。

 聖騎士たちは降伏を決め、聖堂騎士団本部を出たところで、勇者であるバーンが姿を見せる。

「聖騎士の皆様にお願いがあります」

 そう言ってバーンは頭を下げた。
 代表者となったストーンが対応する。

「どのようなことですかな、勇者殿」

「魔帝を討つため、共に戦ってほしいのです。僕はこれから市民に紛れて魔帝に奇襲を掛けようと思っています。皆様にはそのための混乱を作っていただきたいのです」

 ストーンは驚きの声を上げる。

「混乱を作るとは攻撃を仕掛けろということですかな? 死にに行くようなものですぞ!」

「仕方がありません。魔帝を倒すのは勇者としての務めなのですから」

 バーンは清々しい笑顔でそう言い切るが、ストーンには魔帝が倒せるとは到底思えなかった。

(この勇者の実力は今までの勇者と比べてもずいぶん低いと聞く。あのアデルフィが策を練り、勇者ユーリを使って奇襲を仕掛けたのに倒せなかった魔帝を、この若者が倒せるはずがない。そんな無謀な戦いに巻き込まれるのはごめんだ……)

 そう考え、バーンに翻意を促す。

「魔帝ラントは強力なスキルを持つと聞いております。そのことはご存じか?」

「いえ……ですが、僕は勇者なのです。神の教えに従い、魔帝を倒さなくては……」

 ストーンはバーンの言葉を「話になりませんな」と言って遮る。

「魔帝ラントは千里眼のスキルを持ち、更には勇者ユーリの渾身の一撃を防ぐ防御力を持っているそうです。そのような相手に無策で挑むのは自殺と変わりません。あなたは勇者として死ねて満足なのでしょうが、我らはそのような無謀な企てに付き合う気はありません」

「では、魔帝をどうやって倒すと言うんですか?」

「今は耐え忍ぶのみです。聖王陛下が人族の力を糾合し、魔帝と雌雄を決するその日まで」

「あなたは神に仕える聖騎士、人族を守る盾ではないのですか! 魔帝が虐殺を始めたらどうするんですか!」

 感情的に喚くバーンにストーンはウンザリしていた。

「では勇者殿にお尋ねする。勇者殿の奇襲に対し、魔帝が報復する可能性はないのですかな? 魔帝ラントは歯向かう者に容赦しないと聞きます。勇者殿の行いが虐殺の引き金となる可能性をどうお考えなのか」

「そんなことは関係ない! 魔帝は倒さなくてはいけないんだ! 神が僕たちを助けてくれるはずだ!」

 癇癪を起こしているバーンをストーンは冷ややかな目で見つめる。

「魔帝を倒さなくてはならないという点は同意しますが、それは今ではない。神は奇跡を起こしてくださいますが、それは最大限の努力をした者にのみ与えられることです。トファースの教えにもありますが、ご存じないか?」

 その問いにバーンは答えられない。
 ストーンはこれで終わったと思い、バーンを放置して歩き始める。

 その直後、「連隊長殿!」という声が響く。

 ストーンはその声に振り返ろうとしたが、背中に強い衝撃と鋭い痛みを感じ、動きを止める。

「ゴホッ」という音と共に口から大量の血を吐き出す。

 そこで血塗られた剣が胸当てを突き抜けていることに気づいた。

「な、何が……」と言って首を回す。

 彼の後ろには聖剣を握ったバーンがいた。

「聖騎士でありながら魔帝に加担したんだ! 許すことなんてできない!」

 そう叫ぶと、剣を引き抜く。

「お、愚かな……」

 ストーンはそう言いながらゆっくりと倒れていった。

「閣下!」

 部下の聖騎士が駆け寄り、治癒魔法を掛ける。しかし、明らかに致命傷であり、ストーンの目から光は消えていた。

「勇者を捕らえろ!」

 聖騎士たちがバーンを取り囲む。
 その頃には騎士団本部の前に人だかりができており、勇者が聖騎士を殺害したところを多くの市民が見ていた。

「聖騎士たちが裏切った! 魔帝に魂を売ったんだ!」

 バーンはそう叫ぶと、聖剣キルベガンに魔力を込めていく。
 聖剣キルベガンは魔力によって眩い光を帯び始めた。

「下がれ! 斬撃を放ってくるぞ!」

 聖剣の力を知る聖騎士が叫ぶ。聖騎士たちも危険を感じ取っており、離れようとした。しかし、その判断は僅かに遅かった。

「裏切り者に死を!」とバーンは叫び、取り囲む聖騎士に向けて剣を振るう。

 聖剣から真っ白な光の斬撃が飛び、五人の聖騎士が斬り裂かれた。
 聖騎士たちは仲間であるはずの勇者が本気で攻撃してきたことに混乱する。
 バーンはその混乱を突き、市民たちをかき分けるようにしてその場から逃げ出した。

 残された聖騎士たちはバーンを追うべきか迷うが、下手に追って反撃を受けると考え、放置することに決めた。

 しばらくすると、聖者と呼ばれるクラガン司教がその場に現れた。

「何が起きたのですか?」

 見ていた市民が簡単に説明する。

「勇者候補のバーン様が聖騎士様に襲い掛かったんです。連隊長と呼ばれた聖騎士様と他にも五人くらいが斬られました」

 この時、バーンは勇者として公表されておらず、市民の多くは勇者候補だと思っていた。

「バーン殿が聖騎士を……何があったのだ? 昨日の暴動鎮圧が原因か?」

 クラガンは前日に起きた大聖堂前の虐殺事件に対し、バーンが報復したのではないかと考えたが、すぐに聖騎士によって否定される。

「勇者バーンは我々が魔族軍に降伏することを良しとせず、魔帝に襲い掛かる隙を作れと言って、ストーン連隊長殿に魔族軍に攻撃を掛けるよう訴えたのだ。連隊長殿がそれを断ったら逆恨みで攻撃してきたのだ。それも魔族に向けるべき聖剣を使って」

「何と愚かな……」

 クラガンはバーンの愚かさに目眩を覚えた。

(ここで魔族軍を攻撃したら、市民たちの安全が脅かされると考えなかったのか? それとも陛下に置いていかれたことで自暴自棄になったのか? いずれにせよ、あの勇者を放置することは危険だ。既に多くの市民が町の外で魔族軍に投降しているのだから……)

 クラガンは大聖堂に向かい、残っていた枢機卿や大司教たちに対処するよう訴える。

「このままでは勇者バーンが魔帝に攻撃を行ってしまいます。魔帝は攻撃してくる者には容赦しません。このままではこの町にいる者はすべて勇者の仲間と思われて殺されるかもしれません。早急に対応を!」

 それに対し、枢機卿たちの反応は鈍かった。

「そうは言っても、陛下から正式に命じられておらぬのだ」

 一人の枢機卿がそう答えると、クラガンは緊急事態に何を言っているのかと呆れる。

「今は緊急時です! 序列に従って指揮命令系統を構築し、指示を出してください!」

 その言葉にも枢機卿たちは顔を見合わせるだけだった。
 彼らは教団の上層部には裁きを受けさせるという脅しに怯えており、誰一人聖王の代わりを務めようと手を上げなかった。

(逃げ出した聖王陛下もそうだが、完全に腐っている……このような時に自らの命のことしか考えられぬとは……)

 クラガンは埒が明かないと考え、枢機卿や大司教たちを前に宣言する。

「私が代表して魔帝と交渉いたします! 異議のある方は申し出てください!」

 誰一人声を上げる者はおらず、クラガンはその場でもう一度声を張り上げた。

「では、これより魔帝の下に向かいます! 勇者バーンを見かけた場合は直ちに私に連絡していただきたい! 勇者バーンを庇う行動を取った場合、その者の聖職者としての地位を剥奪します!」

 それだけ言うと、クラガンは大聖堂を出ていった。
 そして、騎士団本部に再び向かうと、聖騎士たちに命令を出した。

「私クラガンは枢機卿猊下たちの承認を得て、教団の代表に一時的に就任しました。よって、聖堂騎士団も我が命に従っていただく。よろしいですな」

 聖騎士たちはそれまで格下であったクラガンに命じられ、反発しそうになったが、魔帝の心証をよくするためには従う方がよいと考え、素直に頷く。

 クラガンは聖騎士たちを掌握すると、大聖堂に戻った。
 大聖堂の前には降伏の決断ができずにいる敬虔な信者たちが集まっていており、クラガンは聖王が使っていたバルコニーから彼らに向かって話し始めた。

「聖王陛下がご不在であり、私クラガンが教団及び神聖ロセス王国の一時的な代表となる! 皆も不安だろうが、私と心を一つにして、この危機を乗り切ってほしい!」

 信者たちは聖者と名高いクラガンが指揮してくれると聞き、表情を明るくする。

「クラガン様なら安心だ。これで何とかなる」

「俺は聖者様に力を貸すぞ! どんなことだったやってみせる!」

「聖王様よりよっぽどいい。一時的なんて言わずにずっと指導者として導いてほしいものだ」

 信者たちはそのようなことを口にする。彼らは虐殺を命じた聖王や権力争いに興じ、危機に際して何もできなかった上層部に強い不信感を抱いていたのだ。

 聖王の逃亡で始まった混乱は、聖者クラガンの登場で収まりつつあった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。 そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!! こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!! 感想やご意見楽しみにしております! 尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

キャンピングカーで往く異世界徒然紀行

タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》 【書籍化!】 コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。 早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。 そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。 道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが… ※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜 ※カクヨム様でも投稿をしております

【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~

udonlevel2
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。 それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。 唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。 だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。 ――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。 しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。 自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。 飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。 その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。 無断朗読・無断使用・無断転載禁止。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...